信託報酬とは #
信託報酬は、投資信託の運用管理業務に対して投資家が負担する手数料です。投資信託の運営の中で投資信託会社(運用会社)、販売会社、受託銀行がそれぞれ果たす役割・業務の報酬として、信託財産から日々差し引かれます。信託報酬は投資家の運用成果にとっては押し下げ要因であり、しかも、投資信託を保有している間は、負担し続けることになるため、信託報酬率のわずかな違いが、長期では投資成果に大きな違いをもたらします。
信託報酬率の平均はどのくらいか #
では、信託報酬はどのくらいなのでしょうか。信託報酬は、純資産総額(投資家にとっては保有額)に対して年率何パーセントという形で決まっており、目論見書に記載されています。
投資信託協会のデータ「公募株式投信(追加型)における運用管理費用(信託報酬)の推移」によると、追加型の公募株式投資信託の信託報酬率の平均は2024年7月末現在、0.96%(税抜)でした。アクティブファンドの平均は1.11%、インデックスファンドの平均は0.36%でした。いずれも2017年以降低下傾向にあることがわかります。
公募株式投信(追加型)における運用管理費用(信託報酬)の推移
(2024年以外 各年12月末)
なお、データは、DC(確定拠出年金)向けファンド、マネープール、財形、ミリオンを除外しています。また、ファンド・オブ・ファンズの場合は、交付目論見書における当該ファンドの料率で計算されています。
注意点 #
現状としては、インデックスファンドの信託報酬率はアクティブファンドに比べてかなり低く抑えられていることがわかりすが、実際には、信託報酬率はファンドにより異なります。インデックスファンドであっても、アクティブファンド並みに高いファンドもあれば、アクティブファンドであっても、平均より低く抑えられているファンドもあります。重要なことは、信託報酬率の違いは、長期間では運用成果に大きな影響を与えるということを理解し、投資信託を購入する前にはファンドの目的や運用成績だけでなく、信託報酬率を同類のファンドと比較することです。
信託報酬の平均についてのまとめ #
信託報酬率の平均は2024年7月末時点で0.96%(税抜)で、アクティブファンドが1.11%、インデックスファンドが0.36%と、インデックスファンドの方が低く抑えられています。信託報酬率は長期の運用成果に大きく影響するため、投資信託を選ぶ際には、他のファンドと比較して低コストのものを選ぶことが重要です。