カントリーETF #
カントリーETFとは、特定の国の株式市場に焦点を当てたETF(上場投資信託)のことです。英語では、「country ETF」や「single country ETF」と呼ばれます。
カントリーETFは、対象国の株式全体に分散投資するタイプが一般的ですが、特定のセクターや市場に絞って投資するものもカントリーETFと呼ばれることがあります。
カントリーETFのメリット #
1. 個人では難しい国への投資が可能 #
特定の国の個別株式に直接投資するのが難しい場合でも、カントリーETFを通じてその国の市場に投資することができます。
例えば、日本からドイツの個別銘柄に投資するのは、取り扱う証券会社が限られていたり、取り扱い銘柄が少なかったりして、難しいですが、東京証券取引所に上場している「NEXT FUNDS ドイツ株式・DAX(為替ヘッジあり)連動型上場投信(銘柄コード:2860)」を利用することで、ドイツの株式市場に投資できます。
2. 経済成長が期待される国に簡単に投資できる #
その国の個別銘柄について詳しくなくても、その国の経済成長が期待される場合に、ETFを使って分散投資が可能です。
例えば、ブラジルの経済成長が期待される場合、「NEXT FUNDS ブラジル株式指数・ボベスパ連動型上場投信(1325)」を使えば、南アフリカを代表する40銘柄に分散投資できます。
3. 低コスト #
ETF全般に言えることですが、一般の投資信託に比べて信託報酬が低く、低コストで分散投資が可能です。
カントリーETFのリスク #
1. 1国集中投資によるリスク #
特定の国に集中投資するため、その国の経済状況が悪化したり、政治的不安が発生した場合、ETFの価格も大きく下落する可能性があります。
2. 銘柄分散が不十分な場合がある #
新興国市場では、ETFであっても上場銘柄数が限られていることがあり、十分な分散投資ができず、特定の上位銘柄の値動きに大きく影響を受ける可能性があります。
3. 為替リスク #
海外の株式に投資するため、為替リスクが伴います。特に、海外の証券取引所に上場しているETFに日本から投資する場合、二重の為替リスクが生じます。
例えば、ニューヨーク証券取引所に上場しているアフリカETFに投資する場合、ドルと円の為替変動だけでなく、ドルとランドの為替変動の影響を受けます。
東京証券取引所に上場しているカントリーETFの例 #
ETF名 | 銘柄コード | 投資対象国 |
---|---|---|
上場インデックスファンド中国A株(パンダ)CSI300 | 1322 | 中国 |
One ETF 南方 中国A株 CSI500 | 2553 | 中国 |
NEXT FUNDS ChinaAMC・中国株式・上証50連動型上場投信 | 1309 | 中国 |
NEXT FUNDS インド株式指数・Nifty 50連動型上場投信 | 1678 | インド |
iFreeETF インドNifty50 | 233A | インド |
NEXT FUNDS タイ株式SET50指数連動型上場投信 | 1559 | タイ |
NEXT FUNDS FTSEブルサ・マレーシアKLCI連動型上場投信 | 1560 | マレーシア |
NEXT FUNDS ダウ・ジョーンズ工業株30種平均株価(為替ヘッジなし)連動型上場投信 | 1546 | 米国 |
上場インデックスファンド米国株式(S&P500) | 1547 | 米国 |
MAXIS米国株式(S&P500)上場投信(為替ヘッジあり) | 2630 | 米国 |
NEXT FUNDS ブラジル株式指数・ボベスパ連動型上場投信 | 1325 | ブラジル |
NEXT FUNDS ドイツ株式・DAX(為替ヘッジあり)連動型上場投信 | 2860 | ドイツ |
NYSEに上場しているカントリーETFの例(日本で購入可能) #
ETF名 | ティッカーコード | 投資対象国 |
---|---|---|
iシェアーズ MSCI フィリピンETF | EPHE | フィリピン |
iシェアーズ MSCI インドネシア ETF | EIDO | インドネシア |
iシェアーズ MSCI マレーシアETF | EWM | マレーシア |
iシェアーズ MSCI トルコ ETF | TUR | トルコ |
iシェアーズ MSCI ドイツ ETF | EWG | ドイツ |
iシェアーズ MSCI ポーランド・キャップト ETF | EPOL | ポーランド |
iシェアーズ MSCI メキシコ・キャップト ETF | EWW | メキシコ |
カントリーETFまとめ #
カントリーETFは、特定の国の株式市場に投資する上場投資信託で、分散投資が可能な点や低コストがメリットです。個別株式に投資しにくい国にもアクセスしやすく、成長が期待される国への投資が簡単に行えます。しかし、1国集中のため経済・政治リスクや為替リスクが伴う点もあります。