解約率 #
投資信託の解約率とは、前月末の純資産総額を当月の解約額で除した数値のことです。パーセンテージで示されます。解約率が大きいということは、残高に対して投資信託を売却する人(金額)の割合が大きいことを意味しています。
解約率には投資信託全体での解約率、投資信託の種類別の解約率、あるいは運用会社別の解約率などがあります。
解約率の計算式:解約率=当月解約額➗前月末純資産額
例えば、2024年8月末現在、5,751本の株式投資信託が運用されていますが、解約率は1.3%でした。つまり、7月末に運用されていた株式投資信託資産の1.3%が8月に解約(売却)されたことになります。
個別ファンドについても、同じ計算式で解約率を計算することができます。
投資対象別解約率 #
2024年8月の株式投資信託の投資対象地域別の解約率を見ると、国内型が最も低く1.0%、海外型が1.8%でした。ただ、地域別内訳は金融市場の動向によって変動します。
国内、海外、内外という大まかな投資対象別では、大きな差はありませんが、一般的にブルベア型のように短期投資を目的とした投資信託の解約率は高くなります。実際、2024年8月のブルベア型の投資信託の解約率は19.3%でした。
(データ:投資信託協会「株式投信の商品分類別内訳」)
解約率の意味合い #
解約率が高いと、投資家がその投資信託から資金を引き上げていることを意味し、以下の理由が考えられます:
- 市場環境の悪化: 投資家が市場の変動に対してリスク回避行動を取っている場合。
- 投資信託のパフォーマンス低下: 投資信託が期待通りのリターンを出せていないため、投資家が解約を選ぶ場合。
- 投資信託の人気低下: 他のより魅力的な投資機会への移動や、投資信託そのものへの信頼が失われた場合。
一方で、解約率が低い、もしくは解約率が安定している投資信託は、投資家が引き続きその投資信託に対して信頼を持っていることを示します。また、解約率が低いことは、資金が長期間投資され、運用の安定性が保たれる可能性が高いことも意味します。
投資信託の解約率のまとめ #
投資信託の解約率は、前月末の純資産総額に対する当月の解約額の割合を示す指標で、投資家が投資信託から資金を引き上げる動向を把握するのに用いられます。解約率が高い場合、市場環境の悪化やパフォーマンス低下が影響している可能性があります。一方、解約率が低いファンドは安定性や投資家からの信頼を示すことが多く、投資信託選びの参考指標の一つとされています。