日興のETF3本が上場廃止に


上場廃止の決定

日興アセットマネジメントが管理・運用し、東京証券取引所に上場している次の3本のETF(上場投資信託)が、2018年3月8日に上場廃止になることが2018年2月7日に発表されました。

 

ETFの繰上償還・上場廃止

ETFは運用期限を設けずに運用が継続されることを前提としています。それが、ETFは長期運用に向いていると言われる理由の一つです。また、運用期限がないことが上場の要件でもあります。

上場廃止されるこれら3本のETFについては、まずは運用期限を設ける約款変更が行われます。それにより繰上償還が決定します。運用期限が設けられると、東京証券取引所が定める有価証券上場規程第1112条第1項第3号bの(b)の「投資信託契約の期間の定めが設けられる投資信託約款の変更」(上場廃止事由)に該当することになるため、上場は廃止されます。

3本のETFは2018年3月8日に上場廃止になった後、3月12日に繰上償還される予定です。

 

繰上償還の理由

では、そもそもこれら3本のETFの繰上償還が決定された理由は何だったのでしょうか。

日興アセットマネジメントが金融庁に提出した臨時報告書によると、3本のETFとも、純資産総額の伸び悩み・減少によりETFを対象とする株価指数に連動させて運用することが困難になったというものです。そのために、運用会社では、これらのETFを繰上償還することが受益者(投資家)にとって有利であると判断したということです。

 

実際、各ETFの純資産総額は臨時報告書が作成された昨年10月の時点で次のようになっています。

  • 上場インデックスファンドS&P日本新興株100 受益証券(コード:1314):約2億4百万円
  • 上場インデックスファンドFTSE日本グリーンチップ35 受益証券(コード:1347):約2億38百万円
  • 上場インデックスファンド中国H株(ハンセン中国企業株) 受益証券(コード:1548):約4億18百万円

 

純資産総額の確認

今後、ETFへの投資を検討している場合には、繰上償還・上場廃止を回避するために、購入前に各ETFの純資産総額を確認することが大切です。純資産総額は東証マネ部のHP の各ETFの詳細ページに記載されています。