SPDJインデックス、アクティブファンドとベンチマークのパフォーマンス比較を発表


S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは、2017年末のSPIVA®レポート(アクティブファンドとベンチマークのパフォーマンス比較)を2018年3月22日に公表した。

SPIVA日本スコアカードでは、それぞれのベンチマーク指数に対するアクティ ブに運用されている日本の投資信託のパフォーマンスを1年、3年、5年、10 年の投資期間にわたり報告している。このスコアカードでは、780以上の日本 の大型株、中型株、小型株の投資信託についてリターンを評価した。ま た、グローバル市場、国際市場、新興国市場、及び米国市場を投資対象とす る624以上の国際株式ファンドについてもリターンを評価した。

同レポートの結果は次の通り。

  • 2017年、S&P/TOPIX 150指数(大型株)は20.1%、S&P日本中小型株指数は25.6%上昇した。同期間に、アクティブ運用の大型株ファンド及び中小型ファンドの大多数はそれぞれのベンチマークをアウトパフォームし、平均リターンはそれぞれ26.0%及び42.6%と良好なリターンとなっている。過去10年の期間では、大型株ファンドの44%、及び中小型株ファンドの36.5%がそれぞれのベンチマークを絶対ベースでアウトパフォームした。同期間において、大型株ファンドでは31.8%が統合または清算された一方、中小型株ファンドでは39%が消滅した。

 

  • 中小型株ファンドは、過去10年の期間の均等加重リターンにおいてベンチマークを2.3%(年率換算)アウトパフォームしたが、資産加重リターンではこのプレミアムが消失した。これは、小型株の投資キャパシティが低水準であるため、中小型株ファンドにおけるアクティブな銘柄選択によるアルファがより規模の大きなファンドに対して限定されたことを示している

 

  • 国内株式ファンドの優れたパフォーマンスとは対照的に、日本におけるアクティブ運用の外国株式ファンドは2017年にそれぞれのベンチマークに対して期待外れのパフォーマンスとなった。様々な外国株式指数が2017年に2桁台のリターンを記録したにもかかわらず、米国株式ファンド及び新興国株式ファンドの70%以上、グローバル株式ファンド及び国際株式ファンドの60%以上が、それぞれのベンチマークをアンダーパフォームした。

 

  • 過去10年の期間において、様々な外国ファンド・カテゴリーにわたりファンドの大半がそれぞれのベンチマークをアンダーパフォームした。国際株式ファンド及び新興国株式ファンドの内、何とか生存し、それぞれのベンチマークを絶対ベース及びリスク調整後ベースの両方でアウトパフォームしたのは5%未満にとどまった。さらに、全ての外国株式ファンド・カテゴリーのファンドの38.2%が過去10年間で統合または清算され、米国株式ファンドが最も速い割合(44%)で消滅した。

 

S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスは2002年にSPIVA米国スコアカードを最初に発行した。S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスによると、それ以来、このスコアカードはパッシブ運用とアクティブ運 用の議論において高い注目を集める調査となっている。同社はこれまで長年にわたって積み上げてきた経験を生かし、ここ数年でスコアカードの対象 をオーストラリア、カナダ、欧州、インド、南アフリカ、ラテンアメリカ、そして日 本に拡充した。このレポートでは、主にSPIVA日本スコアカードの結果を 紹介している。S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスは、「このレポートにより、パッシブ運用とアクティブ運用に関する 議論が決着するわけではありませんが、各市場セグメントの中でどちらの運 用戦略が有効に機能したかを調査することにより、有益な情報を提供できる ものと期待しています」とコメントしている。