ETF(上場投資信託)市場の概況
東京証券取引所が公表したETF・ETN月間相場表(2018年5月版)によると、2018年5月のETF市場の月間売買代金は約3.09兆円(立会内とToSTNeTの合計)でした。5月末現在、東京証券取引所には220本のETFが上場しています。
売買代金ランキング
月間売買代金が最も大きかった銘柄は、2018年5月も野村アセットマネジメントの「NEXT FUNDS日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」(1570)でした。同ETFの5月の月間売買代金は約2.01兆円(立会内とToSTNeT合計)で、全体の約65%を占めました。
売買代金上位10位銘柄は次の表の通りでした。5月も上位10位ファンド全てが日本の株式市場を対象とするETFで、この内5本のETFがブルベア型のファンドでした。引き続きブルベア型を利用した短期的売買がETF市場の中心です。
【2018年5月 ETF売買代金ランキング上位10位銘柄】
順位 | 銘柄コード | ファンド名 | 対象指数 | 売買代金(百万円) | 運用会社 |
1 | 1570 | NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 | 日経平均レバレッジ・インデックス | 2,019,505 | 野村 |
2 | 1357 | NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信 | 日経平均ダブルインバース・インデックス | 243,172 | 野村 |
3 | 1321 | 日経225連動型上場投資信託 | 日経平均 | 170,306 | 野村 |
4 | 1306 | TOPIX連動型上場投資信託 | TOPIX | 121,322 | 野村 |
5 | 1579 | 日経平均ブル2倍上場投信 | 日経平均レバレッジ・インデックス | 87,715 | シンプレクス |
6 | 1330 | 上場インデックスファンド225 | 日経平均 | 55,593 | 日興 |
7 | 1320 | ダイワ上場投信-日経225 | 日経平均 | 54,349 | 大和 |
8 | 1329 | iシェアーズ 日経225 ETF | 日経平均 | 47,140 | ブラックロック |
9 | 1360 | 日経平均ベア2倍上場投信 | 日経平均ダブルインバース・インデックス | 40,933 | シンプレクス |
10 | 1458 | 楽天ETF-日経レバレッジ指数連動型 | 日経平均レバレッジ・インデックス | 31,450 | 楽天 |
(データ出所:東京証券取引所 ETF・ETN月刊相場表2018年5月版)
5月のETF市場の出来事
なお、2018年5月15日に、「NEXT FUNDS MSCI日本株女性活躍指数(セレクト)連動型上場投信」(2518)が上場しました。同ETFは、株価指数「MSCI日本株女性活躍指数(セレクト)」に連動する投資成果を目指すETFで、野村アセットマネジメントが運用しています。
「MSCI日本株女性活躍指数(セレクト)は、世界的な指数算出会社のMSCI社が算出する株価指数で、高い性別多様を指向・維持する日本企業で構成されています。各業種から女性活躍度の高い企業を選定するのに加え、設備投資への取り組み姿勢と いった企業の成長につながる要素も銘柄選定に考慮されています。
なお、東京証券取引所では、ETF市場の流動性の改善等を目的として、2018年7月2日から、ETF市場にマーケットメイク制度を導入する予定ですが、2018年6月11日現在、野村證券と三菱UFJモルガン・スタンレー証券が、マーケーット・メイカーとして参入することが公表されています。