ETFの値付日数(2018年6月)ー取引成立5日以下が21本



 毎日取引が成立したのは220本中119本のみ

 7月からはマーケットメイク制度がスタート


ETFの値付日数(2018年6月)

ETFの値付日数は、証券取引所が開いている日のうち実際に各ETFの値段が付いた(取引が成立した)日数のことです。

2018年6月末現在、東京証券取引所には220本のETFが上場しており、月間では概ね3兆円から5兆円程度の売買が行われています。しかし、この220本のETFのうち、実際に毎日取引が成立しているのは約半数にすぎません。1ヶ月間に全く取引がないETFや1日しか取引が成立しないETFも存在しています。

東京証券取引所が発表したETF・ETNの月間相場表によると、東京証券取引所では6月に21日間市場が開きました。上場している220本のETFのうち、全営業日(21日)において取引が成立して値段が付いたのは119本でした。一方で値付日数が5日以下だったETFは21本ありました。6月の値付日数の分布は次の通りでした。

 

6月の値付日数が5日以下のETF

2018年6月の値付日数が5日以下だったETFは次の通りです。業種型、商品型のETFが目立ちます。

銘柄コード ファンド名 値付日数
1460 MAXIS JAPAN クオリティ150上場投信 0
1468 JPX 日経400ベア上場投信(インバース) 0
1485 MAXIS JAPAN 設備・人材積極投資企業200上場投信 0
1574 MAXISトピックスリスクコントロール(10%)上場投信 0
1610 ダイワ上場投信-東証電気機器株価指数 0
1634 ダイワ上場投信・TOPIX-17 食品 0
1636 ダイワ上場投信・TOPIX-17 建設・資材 3
1637 ダイワ上場投信・TOPIX-17 素材・化学 5
1640 ダイワ上場投信・TOPIX-17 鉄鋼・非鉄 1
1641 ダイワ上場投信・TOPIX-17 機械 1
1644 ダイワ上場投信・TOPIX-17 電力・ガス 4
1647 ダイワ上場投信・TOPIX-17 小売 4
1649 ダイワ上場投信・TOPIX-17 金融(除く銀行) 3
1650 ダイワ上場投信・TOPIX-17 不動産 5
1673 ETFS 銀上場投資信託 2
1675 ETFS パラジウム上場投資信託 3
1676 ETFS 貴金属バスケット上場投資信託 1
1684 ETFS 総合上場投資信託 2
1685 ETFS エネルギー上場投資信託 2
1686 ETFS 産業用金属上場投資信託 2
1692 ETFS アルミニウム上場投資信託 1

値付日数が少ないETFのリスク

値付日数が少ないETFの場合、買いたくても買えない、売りたくても売れない、売買したい価格での取引が成立しない、市場価格と基準価額が乖離しているという流動性リスクや問題が生じます。ETFを購入する前に、各ETFの値付日数、売買口数、売買金額などを確認しておくことが大切です。これらの情報は、東京証券取引所が公表しているETF・ETN月間相場表で確認することができます。

 

マーケットメイク制度スタート

東京証券取引所では、このようなETF市場の流動性の改善等を目的として、2018年7月2日から、ETF市場におけるマーケットメイク制度を導入しました。これによりマーケットメイカーが参加している銘柄については、流動性の問題が解消する可能性があります。なお、7月3日現在、マーケットメイカーが参加している銘柄は100銘柄のみです。2018年7月10日現在、次の5社がマーケットメイカーとして指定されています。

  • 野村證券
  • 三菱UFJモルガン・スタンレー証券
  • Flow Traders Asia Pte Ltd
  • Optiver Australia Pty Limited
  • Vivienne Court Trading