ETFの値付日数(2018年9月)



毎日取引が成立したETFは223本中127本

マーケットメイク制度の効果はまだ十分と言えず


毎日取引が成立したETFは223本中127本

ETFの値付日数は、証券取引所が開いている日(営業日)のうち実際に各ETFの値段が付いた(取引が成立した)日数のことです。上場しているからといって、各ETFの取引が毎日成立するわけではなく、値付日数はETFによって大きく異なります。

2018年9月末現在、東京証券取引所には223本のETFが上場しています。このうち、9月の営業日(18日)に毎日取引が成立したのは127本だけでした(8月は223本中128本)。一方で値付日数が5日以下だったETFは22本ありました。9月のETFの値付日数の分布は次の通りです。

(データ:東京証券取引所ETF・ETN月間相場表)

 

全営業日に値段が付いたETFの割合を見ると、7月にわずかに増加したものの、その後は概ね横ばいです。

 

9月の値付日数が5日以下のETF

2018年9月の値付日数が5日以下だったETFは次の通りです。業種型、商品型のETFが目立ちます。

 

銘柄コード ファンド名 値付日数
1676 ETFS 貴金属バスケット上場投資信託 0
1683 One ETF 国内金先物 0
1684 ETFS 総合上場投資信託 0
1685 ETFS エネルギー上場投資信託 1
1686 ETFS 産業用金属上場投資信託 1
1460 MAXIS JAPAN クオリティ150上場投信 2
1485 MAXIS JAPAN 設備・人材積極投資企業200上場投信 2
1490 上場インデックスファンドMSCI日本株高配当低ボラティリティ(βヘッジ) 2
1649 ダイワ上場投信・TOPIX-17 金融(除く銀行) 2
1694 ETFS ニッケル上場投資信託 2
1610 ダイワ上場投信-東証電気機器株価指数 3
1641 ダイワ上場投信・TOPIX-17 機械 3
1645 ダイワ上場投信・TOPIX-17 運輸・物流 3
1650 ダイワ上場投信・TOPIX-17 不動産 3
1692 ETFS アルミニウム上場投資信託 3
1574 MAXISトピックスリスクコントロール(10%)上場投信 4
1639 ダイワ上場投信・TOPIX-17 自動車・輸送機 4
1675 ETFS パラジウム上場投資信託 4
1479 ダイワ上場投信-MSCI日本株人材設備投資指数 5
1567 MAXISトピックスリスクコントロール(5%)上場投信 5
1584 サムスンKODEXサムスングループ株証券上場指数投資信託 5
1647 ダイワ上場投信・TOPIX-17 小売 5

 

マーケットメイク制度

東京証券取引所では、ETFの流動性を改善するために、2018年7月からマーケットメイク制度を導入しました。10月1日現在、マーケットメイカーが付いているETFは107本です。マーケットメイカーが付いているETFでも、全営業日に取引が成立したETFの割合は6割程度であり、10日以下のETFもあります。

マーケットメイカーが付いているETFが全体の半分以下であり、マーケットメイカーが付いているETFでも値付日数が少ないETFがあることから、ETF市場における流動性にはまだ改善の余地があると言えます。

 

値付日数が少ないETFのリスク

値付日数が少ないETFの場合、買いたくても買えない、売りたくても売れない、売買したい価格での取引が成立しない、市場価格と基準価額が乖離しているという流動性リスクや問題が生じます。

ETFを購入する前に、各ETFの値付日数、売買口数、売買金額などを確認しておくことが大切です。これらの情報は、東京証券取引所が公表しているETF・ETN月間相場表で確認することができます。