毎日取引が成立したETFは224本中124本
ETFの値付日数は、証券取引所が開いている日(営業日)のうち実際に各ETFの値段が付いた(取引が成立した)日数のことです。取引所に上場していても、全てのETFの取引が毎日成立するわけではなく、値付日数はETFによって大きく異なります。
2019年2月末現在、東京証券取引所には228本のETFが上場しています(国際のETF VIX中期先物指数は2月10日に上場廃止)。2月に新規に上場した5本のETFを除く223本のうち、2月の全営業日(19日)に取引が成立したETFは124本でした。一方で値付日数が5日以下だったETFは24本ありました。2月のETFの値付日数の分布は次の通りです。
(データ:東京証券取引所ETF・ETN月間相場表)
また、全営業日に取引が成立したETFの割合は、2019年1月の58.9%から2月は55.6%に低下しました。
2月の値付日数が5日以下のETF
一方で、2019年2月の値付日数が5日以下だった24本のETFは次の通りです。引き続き、業種型、商品型のETFが目立ちます。
また、これらのETFのうちMAXIS JAPAN 設備・人材積極投資企業200上場投信(1485)、ダイワ上場投信-FTSE Blossom Japan Index(1654)、上場インデックスファンドMSCI日本株高配当低ボラティリティ(βヘッジ)(1490)、MAXISトピックスリスクコントロール(10%)上場投信(1574)、NEXT FUNDS R/Nファンダメンタル・インデックス上場投信(1598)の5本は、マーケットメイカーが付いていますが、値付日数は低い水準にとどまりました。
銘柄コード | ファンド名 | 値付日数 | マーケットメイカー |
1387 | UBS ETF ユーロ圏株 (MSCI EMU) | 5 | |
1394 | UBS ETF 先進国株 (MSCIワールド) | 5 | |
1485 | MAXIS JAPAN 設備・人材積極投資企業200上場投信 | 5 | 有り |
1654 | ダイワ上場投信-FTSE Blossom Japan Index | 5 | 有り |
2523 | MAXISトピックス(除く金融)上場投信 | 5 | |
1567 | MAXISトピックスリスクコントロール(5%)上場投信 | 4 | |
1636 | ダイワ上場投信・TOPIX-17 建設・資材 | 4 | |
1641 | ダイワ上場投信・TOPIX-17 機械 | 4 | |
1646 | ダイワ上場投信・TOPIX-17 商社・卸売 | 4 | |
1674 | ETFS 白金上場投資信託 | 4 | |
1460 | MAXIS JAPAN クオリティ150上場投信 | 3 | |
1645 | ダイワ上場投信・TOPIX-17 運輸・物流 | 3 | |
1647 | ダイワ上場投信・TOPIX-17 小売 | 3 | |
1490 | 上場インデックスファンドMSCI日本株高配当低ボラティリティ(βヘッジ) | 2 | 有り |
1574 | MAXISトピックスリスクコントロール(10%)上場投信 | 2 | 有り |
1684 | ETFS 総合上場投資信託 | 2 | |
1685 | ETFS エネルギー上場投資信託 | 2 | |
1692 | ETFS アルミニウム上場投資信託 | 2 | |
1468 | JPX日経400ベア上場投信(インバース) | 1 | |
1596 | NZAM 上場投信TOPIX Ex-Financials | 1 | |
1598 | NEXT FUNDS R/Nファンダメンタル・インデックス上場投信 | 1 | 有り |
1637 | ダイワ上場投信・TOPIX-17 素材・化学 | 1 | |
1676 | ETFS 貴金属バスケット上場投資信託 | 0 | |
1686 | ETFS 産業用金属上場投資信託 | 0 |
マーケットメイク制度
東京証券取引所は、ETF市場の流動性を改善するために、2018年7月からマーケットメイク制度を導入しました。2019年2月6日現在、マーケットメイカーが付いているETFは113銘柄です。しかし、マーケットメイカーが付いているETFであっても、全営業日に取引が成立しているとは限りません。マーケットメイカーが付いているETFが全体の半分以下であり、マーケットメイカーが付いているETFでも値付日数が少ないETFがあることから、ETF市場における流動性には改善の余地があると言えます。
このため、東京証券取引所では、2019年4月より、既存のマーケットメイク制度に加え、期間限定でマーケットメイカーに1~10億円相当額の注文の常時提示を求めインセンティブを設定し、また、気配提示銘柄数を削減してマーケットメイカーへの促進を図るなど、マーケットメイク制度の改善を図ります。
値付日数が少ないETFのリスク
値付日数の少ないETFの場合、買いたくても買えない、売りたくても売れない、売買したい価格での取引が成立しない、市場価格と基準価額が乖離しているという問題が生じます。
ETFを購入する前に、各ETFの値付日数、売買口数、売買金額などを確認しておくことが大切です。これらの情報は、東京証券取引所が公表しているETF・ETN月間相場表で確認することができます。