世界有数の金融データプロバイダーであるリフィニティブは、そのデータとインサイトを通してポジティブな変化を推進するというコミットメントに基づき、以下のメンバーと連携してフューチャー・オブ・サステナブル・データ・アライアンス(以下、アライアンス)を設立したと2020年1月22日に発表した。
創設メンバーには、世界経済フォーラム、国際連合、国際金融協会(IIF)、公的通貨金融機関フォーラム(OMFIF)、清華大学、アジア証券金融市場協会(ASIFMA)、グローバル金融市場協会(GFMA)、気候債券イニシアチブ(CBI)、FinTech4good、Everledger、国際環境経済研究所(IPE)、BMCE Bank of Africa、GoImpact、その他の団体・企業が含まれる。このアライアンスの目的は、持続可能な金融向けの資金移動を加速させること。2030アジェンダを追求する上で、投資家および政府は、持続可能な投資および製品に関する規制当局および顧客双方の要件を満たすために、どのようなデータを必要としているか- という課題の解決に、アライアンスは取り組んでいく。
アライアンスでは、投資家が持続可能な投資に関する意思決定を行い、国連の持続可能な開発目標に積極的に貢献するためには、基本的なESGデータへのアクセスと追加的な代替データセットが重要な推進要因とみなしている。
リフィニティブによると、気候変動と国連の持続可能な開発目標(SDGs)は、持続可能な金融に向けた動きを加速させ続けているが、その影響を定量化、測定、比較するための情報はまだ初期段階にある。官民を問わず、企業はこうした情報の追跡、管理、ステークホルダーへの報告に関する開示基準を求めている。実用的なデータと基準が不足しているため、資本市場は持続可能性への配慮を十分に理解し統合することができず、その結果、非効率的で、時には環境面また社会面で有害な活動やプロジェクト、および資産への資本配分を招く状況にある。持続可能な投資判断を行い、国連の持続可能な開発目標に積極的に貢献するためには、基本的なESGに関するオルタナティブ(代替)データが必要とされている。アライアンスは、現在および将来必要となるデータを特定し、統合することを目的に設定している。
リフィニティブのデイビッド・クレイグCEOは、次のように語っている。
国連の持続可能な開発目標に資金を振り向ける必要性は喫緊の課題であり、資金調達の必要性はとても大きい状況にあります。今日、多くの資産運用担当者は、人口動態の変化、気候変動、世界市場の変化への対応など、大きな変化の資金調達に役立つ十分なデータがないと指摘しています。それゆえ、ESGを理論からより実践に近づけることが重要です。リフィニティブは、フューチャー・オブ・サステナブル・データ・アライアンスの創設メンバーであることを誇りとし、持続可能な開発目標への資金供給に必要なデータを投資家に提供すると約束します。
気候と環境に関するデータを意思決定に役立つ形で資本市場に組み込むには、標準化が必要です。標準化とイノベーションへの支援と協力を強化することで、投資家は、次のような方法で投資を調整し、受託者責任を果たすために必要なガイダンスとツールを得ることができます。その方法とは、まず、持続可能性とパフォーマンスに関するより質の高い、より広く入手可能なデータ、2つ目の点は、人工知能と機械学習の出現による優れたデータ分析、最後に、戦略的回復力に関するより多くの情報に基づく判断です。
このアライアンスは、今後数カ月の間に、国連の持続可能な開発目標(SDGs)が対象とする分野において深い専門知識を有する様々なステークホルダー・グループを含む形で拡大すると期待されます。アライアンス創設は、国連事務総長の「持続可能な開発目標のデジタル資金調達に関するタスクフォース」 および 「ファイナンスの未来」 報告書と、リフィニティブが連携したことに触発されたものであり、その報告書は、信頼性の高いESGデータと持続可能な開発目標インパクト・データの入手が、持続可能な開発目標投資を加速させる為には、不可欠であることを示しています。
世界経済フォーラムの金融・通貨システム・イニシアチブ責任者のマシュー・ブレイク氏は、次のように語っている。
データへのアクセスは、低炭素で持続可能な経済への転換において中心的な役割を果します。企業は、基本的なESGデータにアクセスすることによってのみ、情報に基づいた持続可能な投資に関する意思決定を行い、国連の持続可能な開発目標を遵守することができます。必要とされる商品が構造化され、広く利用可能になるのを確実にするため、フューチャー・オブ・サステナブル・データ・アライアンスが、この重要な役割を担うために設立されたことを歓迎します。
国際金融研究所(IIF)のティム・アダムズ所長は、次のように述べた。
国連の持続可能な開発目標に定められた野心的な目標を達成するには、持続可能なプロジェクトのために何兆ドルもの資金を投入する必要があります。現在、世界の富は300兆ドルを超えていますが、この資金プールを活用するには、質が高く、アクセス可能で、実用的なデータが不足しているなどの障害が存在します。フューチャー・オブ・サステナブル・データ・アライアンスは、これらの障壁を取り除き、持続可能な開発目標のための資金調達を拡大するための重要なステップです。
昨年、リフィニティブは持続可能な開発目標を支援するいくつかの誓約を行った。現在、リフィニティブは、カーボンニュートラルで、再生可能エネルギーを100%使用している。リフィニティブの次世代の持続可能性目標は、温室効果ガス排出量の目標と情報開示をさらに強化するものであり、今後も事業全体のあらゆる気候リスクと機会を確実に評価していく。
リフィニティブは、インサイトをもたらし、情報に基づいた意思決定を促進するために、データの力を活用することに取り組んでいる持続可能な開発目標のデジタルファイナンスに関する国連タスクフォースの戦略的パートナーである。国連グローバル・コンパクトのメンバーとして、リフィニティブは、135カ国・地域にまたがる9,000以上のビジネスコミュニティの一員であり、責任あるビジネス慣行によって運営されることを公約している。リフィニティブは、持続可能な金融に関する専門家グループ(TEG)のメンバーでもあり、他の民間セクターの専門家とともに、持続可能なアジェンダについて欧州委員会に助言している。
リフィニティブは前身の時代を含めて15年以上にわたり、完全に統合された客観的なESGデータとソリューションを、金融業界に提供してきた。投資家や企業から信頼される完全に透明なリソースを提供して、ポジティブな影響をもたらし、より多くの情報に基づいた投資判断を行っている。
フューチャー・オブ・サステナブル・データ・アライアンスの詳細→ http://futureofsustainabledata.com/