ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月)が1位を維持、残高は1兆円超
投資信託事情・イボットソンのデータによると、2019年12月末現在の運用残高で見る国内最大ファンドランキング(上位30位)(追加型株式投資信託、ETFは除く)は下表の通りでした。
ピクテ投信投資顧問が運用する「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」が運用残高第1位を維持しました。同ファンドの2019年12月末の純資産額は前月比8.4%(金額で約788億円)増加し、1兆61億円となりました。
同ファンドは、主に世界の高配当利回りの公益株(電力、ガス、通信関連企業)に投資に投資するファンドで、2005年2月28日に運用が開始されました。同ファンドの分配頻度は年12回(毎月)で、信託期間は無期限です。
同ファンドの運用会社のピクテ投信投資顧問は、1805年に創設され、スイスのジュネーブに本拠地を置くピクテ・グループの運用会社です。
また、注目されているレオス・キャピタルワークスの「ひふみプラス」の12月末の純資産額(運用残高)は約5,630億円で、11月末から約4.3%減少しました。
なお、資産形成型ファンドと呼ばれる決算回数が年1回および2回のファンドの中では、引き続き「ひふみプラス」が国内最大の投資信託です。また、つみたてNISAで購入できるファンドは、上位30位ファンドの中では、「ひふみプラス」だけです。
分配頻度
純資産額上位30位までの投資信託の分配頻度を見ると、毎月分配型(年12回)のファンドが15本と半数を占め、次いで年1回分配ファンドが12本、年2回分配ファンドが3本でした。
投資対象
純資産額上位30位までの投資信託の投資対象資産別の分布を見ると、外国の株式に投資するファンドが9本と最も多く、次いでアロケーション型が5本、外国のREIT(不動産投資信託)投資するファンド、外国の債券に投資するファンド、日本の株式に投資するファンドが各々4本、国内のREITに投資するファンドが各々3本、国内の債券に投資するファンドが1本でした。上位30位までのファンドの投資対象の内訳では、引き続き海外の資産に投資するファンドが過半数を占めています。
資金増減ランキング
投資信託の人気を測るバロメーターでもある月中の資金増減(月中の設定額(販売額)から解約額を差引いた額)を見ると、純資産額上位30位までのファンドの中で資金増加額が最も大きかったのは、12月も「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」で、資金増加額は約568.3億円でした。
なお、2019年12月に資金増加となったのは上位30位ファンドのうち16ファンドだけでした。月間資金増加額上位5位ファンドは次の通りです。
<月間資金増加額上位5位の投資信託(2019年12月)>
運用会社 | ファンド名 | 月末純資産額(億円) | 月間資金増加額(億円) |
ピクテ投信 | ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月) | 10,061 | 568.3 |
日興AM | グローバル3倍3分法ファンド(1年) | 3,600 | 471.7 |
東京海上AM | 東京海上・円資産バランスF(毎月)《円奏会》 | 7,237 | 267.2 |
東京海上AM | 東京海上・円資産バランスF(年1)《円奏会》 | 2,854 | 235.7 |
大和投信 | ダイワ・US-REIT・オープン(毎月)B(ヘッジ無) | 5,950 | 181.8 |
一方、純資産総額上位30位ファンドの中で、月中の資金減少額が最も大きかったのは、「ひふみプラス」で、減少額は約356.7億円でした。純資産額上位30位ファンドの中で月間の資金減少額が最も大きかったファンド5本は次の通りでした。
運用会社 | ファンド名 | 月末純資産額(億円) | 月間資金減少額(億円) |
レオス | ひふみプラス | 5,630 | -356.7 |
日興AM | グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年) | 3,237 | -275.7 |
日興AM | グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2) | 3,711 | -252.2 |
野村AM | 野村インド株投資 | 3,899 | -139.1 |
AM-One | グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 | 4,320 | -119.0 |
騰落率(過去1年)ランキング− 騰落率トップは「次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》」
次に、純資産総額30位までの投資信託の騰落率を見ると、1年以上の運用期間が経過した29本のファンド全ての過去1年の騰落率はプラスでした。
過去1年の騰落率が最も高かったのは、三井住友トラスト・アセットマネジメント「次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》」で、騰落率は38.6%でした。純資産上位30位までのファンドの中で、過去1年の騰落率上位5ファンドは次の通りです。
運用会社 | ファンド名 | 純資産額(億円) | 騰落率(1年) |
三井住友トラスト | 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 | 4,667 | 38.6% |
ゴールドマン・S | netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無) | 3,522 | 36.1% |
日興AM | グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年) | 3,237 | 35.5% |
日興AM | グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2) | 3,711 | 35.4% |
AM-One | グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 | 4,320 | 35.4% |
騰落率(過去5年)ランキング− 騰落率トップは「netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無)」
また、過去5年の騰落率(年率)を見ると、純資産額上位30位までの投資信託で5年以上の運用期間があった23本について、騰落率がプラスだったのは21本でした。
過去5年の騰落率(年率)が最も高かったのは、ゴールドマン・サックスの「netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無)」で、騰落率(年率)は13.7%でした。純資産上位30位の投資信託の中で、過去5年の騰落率が最も高かったファンド5本は次の通りです。
運用会社 | ファンド名 | 純資産額(億円) | 騰落率(5年・年率) |
ゴールドマン・S | netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無) | 3,522 | 13.7% |
レオス | ひふみプラス | 5,630 | 12.4% |
アライアンス・B | AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 | 3,736 | 12.2% |
フィデリティ投信 | フィデリティ・日本成長株・ファンド | 4,015 | 7.2% |
三井住友トラスト | J-REIT・リサーチ・オープン(毎月) | 3,599 | 6.2% |
投資信託の純資産総額ランキング(2019年12月)上位30位
順位 | 運用会社 | ファンド名 | 純資産(億円) | 資金増減(億円) | 騰落率(1年)% | 騰落率(5年・年率)% |
1 | ピクテ投信 | ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月) | 10,061 | 568.3 | 25.1 | 2.6 |
2 | 東京海上AM | 東京海上・円資産バランスF(毎月)《円奏会》 | 7,237 | 267.2 | 5.6 | 2.2 |
3 | フィデリティ投信 | フィデリティ・USリート・ファンドB(ヘッジ無) | 6,686 | 88.3 | 24.3 | 4.1 |
4 | フィデリティ投信 | フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド | 6,069 | -41.7 | 13.0 | 3.1 |
5 | 大和投信 | ダイワ・US-REIT・オープン(毎月)B(ヘッジ無) | 5,950 | 181.8 | 24.2 | 3.9 |
6 | AM-One | 新光 US-REITオープン《ゼウス》 | 5,712 | 9.2 | 24.3 | 3.2 |
7 | レオス | ひふみプラス | 5,630 | -356.7 | 23.1 | 12.4 |
8 | 大和投信 | ダイワファンドラップ 日本債券セレクト | 5,091 | 8.3 | 1.8 | 1.1 |
9 | 三井住友トラスト | 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 | 4,667 | 91.9 | 38.6 | – |
10 | 日興AM | ラサール・グローバルREITファンド(毎月) | 4,632 | -28.9 | 17.6 | 1.9 |
11 | AM-One | グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 | 4,320 | -119.0 | 35.4 | – |
12 | 三菱UFJ国際投信 | グローバル・ソブリン・オープン (毎月) | 4,100 | -50.5 | 4.8 | -0.9 |
13 | フィデリティ投信 | フィデリティ・日本成長株・ファンド | 4,015 | -51.2 | 28.8 | 7.2 |
14 | 日興AM | 財産3分法F(不動産・債券・株式)毎月 | 4,009 | 51.1 | 15.2 | 3.7 |
15 | 野村AM | 野村インド株投資 | 3,899 | -139.1 | 5.4 | 5.5 |
16 | アライアンス・B | AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 | 3,736 | 160.6 | 32.1 | 12.2 |
17 | 日興AM | グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2) | 3,711 | -252.2 | 35.4 | – |
18 | 大和投信 | ダイワファンドラップ 日本株式セレクト | 3,699 | -35.5 | 18.7 | 5.7 |
19 | 日興AM | グローバル3倍3分法ファンド(1年) | 3,600 | 471.7 | 31.8 | – |
20 | 三井住友トラスト | J-REIT・リサーチ・オープン(毎月) | 3,599 | 14.6 | 26.7 | 6.2 |
21 | 日興AM | スマート・ファイブ(毎月) | 3,539 | 42.1 | 9.0 | 2.3 |
22 | ゴールドマン・S | netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無) | 3,522 | 4.7 | 36.1 | 13.7 |
23 | 大和投信 | ダイワJ-REITオープン(毎月) | 3,266 | 164.2 | 24.4 | 5.5 |
24 | 日興AM | グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年) | 3,237 | -275.7 | 35.5 | – |
25 | さわかみ投信 | さわかみファンド | 3,112 | -24.1 | 14.7 | 5.2 |
26 | しんきんAM | しんきんJリートオープン(毎月) | 3,080 | 19.8 | 23.5 | 5.3 |
27 | 東京海上AM | 東京海上・円資産バランスF(年1)《円奏会》 | 2,854 | 235.7 | 5.6 | 2.2 |
28 | 野村AM | 野村PIMCO・世界インカム戦略F A(ヘッジ有 年2) | 2,817 | -40.8 | 4.9 | – |
29 | 野村AM | 野村外国債券インデックス(野村一任口座) | 2,807 | -42.8 | 5.1 | -0.7 |
30 | 日興AM | グローバル・プロスペクティブ・ファンド | 2,785 | -0.5 | – | – |
(データ出所:投資信託事情・イボットソン)