資産運用とアプリ開発・運営を行うフィンテック企業のTORANOTEC株式会社は、2020年2月6日に金融庁ホームページにて公表された通り、おつりで投資「トラノコ」を運営する完全子会社のTORANOTEC投信投資顧問株式会社が、顧客本位の業務運営に関するKPIの初めての取組成果の公表を行なったと発表した。
→金融庁 「顧客本位の業務運営」の取組成果の公表状況について(令和元年12月末時点)
TORANOTEC投信投資顧問では、金融庁が2018年6月に公表した「投資信託の販売会社における比較可能な共通KPI」に準じたKPIを採用している。公表した報告書の内、おつりで投資サービス「トラノコ」で提供する3本のグローバルバランスファンド、 トラノコ・ファンドI(小トラ)、トラノコ・ファンドII(中トラ)、トラノコ・ファンドIII(大トラ)の2017年5月から2019年11月の期間、 KPIの成果は以下の通りだった。
1)運用損益別顧客比率
すべてのトラノコ利用者の98.5%が利益を出しており、その内、運用収益が0%~10%未満の顧客が92.8%だった
2)投資開始(口座開設)月別の運用損益別お客様比率
トラノコの利用者は、おつり投資を通じて自然な形で時間的分散投資を行っている。このためトラノコの利用期間が長いほど運用成果が安定する傾向がでている。
3)投資信託のコスト・リターン、 リスク・リターン
期間中の残高加重平均値は、リターン(設定来トータルリターン年率換算)3.36%に対し、コスト(信託報酬)は0.33%、リスク(設定来月次リターンの標準偏差年率換算)は7.13%だった。TORANOTECによると、年率0.3% (税抜き)というトラノコの非常に低いコストがファンドのリターンに貢献していると考えられる。→ 顧客本位のKPI(201911)Final.pdf
尚、 おつりで投資サービス「トラノコ」ではシステム利用の対価として月額利用料300円(税込)を課金している。この利用料は、買い物データから投資する資金を算出するシステムや、 nanacoポイントや ANAマイルなど様々なポイント投資が行える機能、動画閲覧やアンケート回答で投資に使えるポイントが貯まる機能、アプリで簡単に読める1週間の市況のわかりやすいウィークリー解説など、顧客が楽しみながら投資をおこない、ツールを利用するためのコストであり、ファンド運用にかかるコストではないため、パフォーマンス計測には算入していない。そのため上述の収益率等は、 「トラノコ」のサービス利用全体でのものとは異なる。
今般のKPIの結果につき、 トラノテックの代表取締役社長は以下の通り述べている。
トラノテックでは、 『すべての人を投資家に』という世界を目指し、 お客様が投資を始める上で感じられてきたハードルを崩し、 5円から無理ない範囲でコツコツ長期投資ができるサービスを展開してきました。 この度KPIの成果で、 ほとんどすべてのお客様にとって投資先ファンドの運用収益がプラスであり、 かつ、 長期で投資されているお客様の運用成果が安定している傾向が示したことを大変嬉しく思います。 また、 トラノコのご利用者の約8割が投資経験1年未満、 40歳代以下が75%となっており、 興味はあっても今まで投資に踏み出せなかった若年層の方々にも安心してお使いいただけるサービスであることの表れと捉えております。 今後も、 お客様が無理なく、 楽しく、 健全に長期的な資産形成をまっとうできる資産形成ツールとしてトラノコを成長させてまいります。