ブルームバーグ自国通貨建て新興市場国債・10%国キャップ・インデックスは新興国の政府が自国通貨建てで発行した固定金利の債券(国債)市場の動向を表す債券指数です。英語ではBloomberg Emerging Markets Local Currency Government 10% Country Capped Indexと記載されます。
指数名にある「ブルームバーグ」は、同指数を算出・公表しているブルームバーグ社(https://www.bloomberg.com)のことです。
自国通貨建て国債とは #
新興国の政府が発行する債券(国債)には、発行する国の通貨で発行される国債と外貨建てで発行されるものがあります。発行する国の通貨で発行される国債を自国通貨建て国債といいます。
自国通貨建て国債は、主にその国の年金、金融機関、ファンド、保険会社、個人投資家など主に国内の投資家が購入し、一部は非居住者(海外の投資家など)が購入します。
外貨建てで発行される国債は、主にドルやユーロなどの基軸通貨で発行され、主に海外の投資家が購入します。
ブルームバーグ自国通貨建て新興市場国債・10%国キャッ プ・インデックスは、自国通貨建てで発行された国債を対象としています。自国通貨建て国債の方が自国通貨以外で発行された国債に比べて圧倒的に残高が大きく、高い流動性もあります。
10%国キャップとは #
10%国キャップとは、指数を構成する各国の構成比率の上限を10%に抑えるという意味です。そうすることで、特定の国の債券の動向の指数全体への影響を抑えることができます。これは、分散投資の効果を高め、リスクを抑えるための仕組みです。
構成対象国 #
ブルームバーグの2024年3月5日付けのIndex Announcement によると、自国通貨建て新興市場国債・10%国キャップ・インデックスの構成対象国はブラジル、チリ、中国、コロンビア、チェコ、ハンガリー、インドネシア、イスラエル、マレーシア、メキシコ、ペルー、フィリピン、ポーランド、ルーマニア、ロシア、南アフリカ、韓国、タイ、トルコです。
なお、2025年にインドFAR国債が追加される予定です。FAR(Fully Accessible Route)とは、インド政府が外国人投資家向けに導入した制度で、特定のインド国債を完全に自由に投資できる仕組みのことです。2020年4月1日に導入され、外国人投資家がインドの国債市場により容易にアクセスできるようにするための施策です。
今後も対象国は追加や除外が発生する可能性がありますので、最新の情報はブルームバーグのHPなどで確認して下さい。
ブルームバーグ自国通貨建て新興市場国債・10%国キャッ プ・インデックスをベンチマークとするETF #
- 上場インデックスファンド新興国債券(1566)
東京証券取引所に上場している「上場インデックスファンド新興国債券」は、ブルーム バーグ自国通貨建て新興市場国債・10%国キャップ・インデックスを円換算した値との連動を目指すETF(上場投資信託)です。運用会社は日興アセットマネジメントです。
→上場インデックスファンド新興国債券の最新チャート等 (JPX マネ部)
ブルームバーグ自国通貨建て新興市場国債・10%国キャッ プ・インデックスのまとめ #
ブルームバーグ自国通貨建て新興市場国債・10%国キャップ・インデックスは、新興国が自国通貨建てで発行する固定金利国債の市場動向を示す指数です。構成国の比率を最大10%に制限することで特定国への依存を抑え、分散投資の効果を高める仕組みが特徴です。主要構成国にはブラジル、中国、南アフリカ、メキシコなどが含まれ、2025年にはインドが追加予定です。この指数は新興国市場の国債の動向を反映し、ETFなどの投資商品のベンチマークとして利用されています。