ステート・ストリート・コーポレーション(本社:米ボストン)の資産運用部門であるステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズは、2020年3月5日(米国東部時間)、「Fearless Girl(恐れを知らぬ少女)」キャンペーンが3周年を迎えたことを発表した。「Fearless Girl」像は2017年の国際女性デーの前夜に設置され、今や企業のリーダーシップにおけるジェンダー・ダイバーシティの象徴として定着している。3年前に「Fearless Girl」像がニューヨークのウォール街に設置されて以降、それまで女性取締役が1人もおらず、同社が是正を求めたりエンゲージメントを行った上場企業681社において女性取締役が新たに就任した。
(出所:ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ・エンゲージメント・トラッキング・データベース)
「Fearless Girl」像は当初設置されたボウリング・グリーンから、2018年12月10日に、ニューヨーク証券取引所の正面に移転したが、同社は、今般3周年を機に、少女像の背後に「リビングウォール」を設置することにした。「リビングウォール」は、企業の経営上層部レベルで女性の数を拡大し続けることの重要性を象徴している。
ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ 社長兼最高経営責任者(CEO)サイラス・タラポールヴァラ氏は次のように述べている。
この瞬間は単なる記念日以上の意味があります。『Fearless Girl』は、より賢くビジネスを行う方法を表します。少女像の設置をきっかけに業界で幅広い議論が盛り上がったことが大きく寄与し、企業の取締役会におけるジェンダー・ダイバーシティは様変わりしましたが、これは成長ストーリーの始まりにすぎません。顧客資産を守るスチュワード(受託者)として、当社は引き続き、レターや対話(Voice)と議決権行使(Vote)を活用し、取締役会のジェンダー・ダイバーシティを提言していきます」。
花と緑で縁取られた「リビングウォール」は、少女像の背後に立てられる。壁には、男性が独占していた取締役会に、キャンペーン開始以降に女性取締役が就任した世界中の企業数を示す681という数字が目立つように表示され、キャンペーンの進捗を示している。
ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ副最高投資責任者(CIO)ロリ・ハイネル氏は次のように述べている。
最初にウォール街に『Fearless Girl』像を設置した時の目標は、リーダーシップにおける女性の力を支持する立場を明らかにし、女性リーダーの機会を少しでも多く生み出すことでした。これまでに目覚ましい成果が得られていますが、やるべきことはまだ山積みです。その目標に向けて、成長と前進に向けて注力し続ける当社の姿勢を示すために、リビングウォールを設置することにしました。
同社は3月5日(米国東部時間)、「Fearless Girl」キャンペーンの最新成果を発表し、ますます多くの企業が当社の要請に応えていることが示された。
2020年2月現在、同社が特定した1,384社中681社が女性取締役を新たに任命または起用を約束した。米国では495社、カナダでは33社、英国では13社で女性取締役が新たに就任した。日本では101社、オーストラリアでも30社で取締役会に女性が加わった。
ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズは2020年3月から、ジェンダー・ダイバーシティに関する議決権行使ガイドラインの適用範囲を、香港とシンガポールにも拡大し、ハンセン指数とストレーツ・タイムス指数採用の上場企業を対象とする。この議決権行使ガイドラインは2017年に米国、英国、オーストラリアで導入され、2018年に欧州、カナダ、日本に対象が拡大された。
ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズはまた、対象市場に上場する企業について、4年連続でジェンダー・ダイバーシティに関する懸念が続き、かつエンゲージメントで建設的なコミュニケーションが得られなかった場合、指名・ガバナンス委員会の委員長だけでなく、委員会全体に反対票を投じる方針。
ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ ESGアセットスチュワードシップ チーフストラテジストを務めるラキ・クマール氏は次のように述べている。
香港とシンガポールに対象を拡大したことは、『Fearless Girl』キャンペーンを世界中に拡大するための新たな一歩です。さらに、委員会の委員長以外にも議決権行使の対象とすることは、多くの企業が当社の要請に対応しているものの、やるべきことが残っている事実を反映しています。
→ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ「Fearless Girl」キャンペーンに関する詳細(英文)
ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズについて
ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズは、過去40年にわたり、各国政府や機関投資家、金融プロフェッショナルの皆様に資産運用サービスを提供している。厳密なリサーチや分析、厳しいマーケット環境における経験を礎としたリスク考慮型アプローチをもとに、アクティブからインデックス戦略まで幅広く、コスト効率に優れたソリューションを提案する。そしてスチュワード(受託者)として、社会、環境への配慮が長期的な成果をもたらすということを、顧客が理解を深めるよう努めている。インデックス運用とETF、ESG投資の先駆者として、投資における新しい世界を常に切り拓き、約3.12兆ドル*を運用する世界第3位の資産運用会社へと成長した。
*運用資産残高には、約450億ドル(2019年12月末時点)のステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ・ファンズ・ディストリビューターズ・エルエルシー(以下「SSGA FD」)が営業を行なっているSPDRの残高を含む。SSGA FDはSSGAの関連会社。