野村證券は、国際復興開発銀行(以下「世界銀行」)が発行し た、期間3年のブラジルレアル建(発行額:2,297万ブラジルレアル)、期間3年のメキシコペソ建(発行 額:1億1,820万メキシコペソ)および期間3年のインドルピー建(発行額:6億5,590万インドルピー)のサステナブル・ディベロップメント・ボンド(開発途上国の持続可能な発展を支える世銀債)を全額引受け、日本の個人投資家に販売した。
これらの債券の資金は、開発途上国の持続的発展を目的とするあらゆる分野のプロジェクトへの融資案件に活用される。世界銀行は2030年までに「極度の貧困を撲滅」し、「繁栄の共有の促進」を持続可能な形で実現することを使命としており、この2つの目標は、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」とも 連携している。また、世界銀行グループは、2020年3月、新型コロナウイルス感染症の拡大に対処すべく、今後15か月間に開発途上国に対して最大1,600億米ドルの支援を行う用意があることを表明している。
野村證券によると、世界銀行が発行するサステナブル・ディベロップメント・ボンドの資金は、個々のプロジェクトのリスクを投資家から切り離すために特定の用途を資金使途としていない。そのため、これらの債券の資金は、 保健医療や新型コロナウイルス感染対策支援に限定されるものではないが、あらゆる分野の開発プロジェクトを支えるための資金ニーズに大きく貢献する。
野村グループは、ESGに関連する取り組みを一層推進していくことを目的として、2019年1月に「野 村グループESGステートメント」を制定した。野村證券によると、近年、SDGsの認知の高まりを背景に、環境問題や社 会課題への対応を目的としたグリーンボンドやソーシャルボンド、サステナビリティボンド等(以下総称し て「SDGs債」)が国際的に注目されている。野村グループは、SDGs債の引受けを通じて、気候変動 対策や社会課題を解決するための資金需要と、投資を通じて社会に貢献したいという投資家の想いとの橋渡し役を担う。そして、SDGsの達成に向けた取り組みを推進し、日本のSDGs債市場の発展 をサポートしながら経済成長と社会の持続的な発展に貢献していく。