ETF(上場投資信託)市場の概況
東京証券取引所が公表したETF・ETN月間相場表(2020年8月版)によると、2020年8月のETF市場全体の月間売買代金(立会内とToSTNetの合計)は前月比約1.1%減少し、約4.67兆円になりました。1日当たり売買代金は前月から約3.8%増加して約2,338億円になりました。
8月の日本銀行によるETFの買い入れは2,046億円実施されました。
また、Global X Japan株式会社が運用する「グローバルXMSCIスーパーディビィデンド-日本株式ETF(2564)」と「グローバルX ロジスティクス・J-REIT ETF(2565)」が新たに8月26日に東京証券取引所に上場し、一方で、アセットマネジメントOneの「One ETF 国内金先物」(1683)が8月1日に上場廃止になりました。これにより、上場ETF数は2020年8月末現在、222本となっています。
ETFの売買代金ランキング
月間売買代金が最も大きかった銘柄は、2020年8月も野村アセットマネジメントの運用する「NEXT FUNDS日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」(銘柄コード:1570)でした。同ETFの8月の月間売買代金は2.56兆円(立会内とToSTNeT合計)で、全体の約55%を占めました。また、8月も売買代金上位10位銘柄の売買代金の合計が全体の9割弱を占めました。
売買代金ランキング(上位10位銘柄)は次の表の通りでした。売買代金上位10位ファンド全てが日本の株式市場を対象とするETFで、この内7本がブルベア型でした。引き続きブルベア型を利用した短期的売買がETF市場の中心であると言えます。
なお、2020年8月の東京証券取引所の営業日は20日でしたが、この20日全営業日に値段が付いたETFは8月に上場した2本を除く220本中167本、全体の76%程度でした。値付日数の平均は18日でしたが、一方で、値付日数が10日以下のファンドが13本ありました。
【2020年8月 ETF売買代金ランキング上位10位銘柄】
順位 | 銘柄コード | ファンド名 | 売買代金(百万円) | 運用会社 |
1 | 1570 | NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 | 2,557,781 | 野村 |
2 | 1357 | NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信 | 792,814 | 野村 |
3 | 1579 | 日経平均ブル2倍上場投信 | 203,330 | シンプレクス |
4 | 1321 | 日経225連動型上場投資信託 | 173,350 | 野村 |
5 | 1360 | 日経平均ベア2倍上場投信 | 137,317 | シンプレクス |
6 | 1459 | 楽天ETF‐日経ダブルインバース指数連動型 | 82,487 | 楽天 |
7 | 1306 | TOPIX連動型上場投資信託 | 67,197 | 野村 |
8 | 1458 | 楽天ETF‐日経レバレッジ指数連動型 | 61,761 | 楽天 |
9 | 1568 | TOPIXブル2倍上場投信 | 45,059 | シンプレクス |
10 | 1330 | 上場インデックスファンド225 | 38,739 | 日興 |
(データ出所:東京証券取引所 ETF・ETN月刊相場表2020年8月版)