ETF(上場投資信託)市場の概況
東京証券取引所が公表したETF相場表(2020年10月版)によると、2020年10月のETF市場全体の月間売買代金(立会内とToSTNetの合計)は前月比約7.9%減少し、約3.88兆円になりました。1日当たり売買代金は前月から約12.3%減少して約1,847億円になりました。10月の日本銀行によるETFの買い入れは4,470億円実施されました。
ETFの売買代金ランキング
月間の売買代金が最も大きかった銘柄は、2020年10月も野村アセットマネジメントの運用する「NEXT FUNDS日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」(銘柄コード:1570)でした。同ETFの10月の月間売買代金は約2.1兆円(立会内とToSTNeT合計)で、全体の約54%を占めました。また、10月も売買代金上位10位銘柄の売買代金の合計が全体の9割弱を占めました。
売買代金ランキング(上位10位銘柄)は次の表の通りでした。売買代金上位10位ファンドのうち8本が日本の株式市場を対象とするETFで、この内6本がブルベア型でした。ブルベア型を利用した短期的売買がETF市場の中心であることが窺えます。
なお、2020年10月の東京証券取引所の営業日は21日でしたが、この21日全営業日に値段が付いたETFは10月に上場した4本を除く226本中165本、全体の7割程度でした。値付日数の平均は19日でしたが、一方で、値付日数が10日以下のファンドが26本ありました。
10月15日にブラックロック・ジャパンの運用・管理する次のiShares4本が上場しました。これにより上場ETF数は2020年10月末現在、230本となっています。
- iシェアーズ 米国債1-3年 ETF(2620)
- iシェアーズ 米国債20年超 ETF(為替ヘッジあり)(2621)
- iシェアーズ 米ドル建て新興国債券 ETF(為替ヘッジあり)(2622)
- iシェアーズ ユーロ建て投資適格社債 ETF(為替ヘッジあり)(2623)
【2020年10月 ETF売買代金ランキング上位10位銘柄】
順位 | 銘柄コード | ファンド名 | 売買代金(百万円) | 運用会社 |
1 | 1570 | NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 | 2,102,084 | 野村 |
2 | 1357 | NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信 | 534,988 | 野村 |
3 | 1579 | 日経平均ブル2倍上場投信 | 208,821 | シンプレクス |
4 | 1360 | 日経平均ベア2倍上場投信 | 106,395 | シンプレクス |
5 | 1321 | NEXT FUNDS 日経225連動型上場投信 | 103,928 | 野村 |
6 | 1459 | 楽天ETF‐日経ダブルインバース指数連動型 | 93,778 | 楽天 |
7 | 1458 | 楽天ETF‐日経レバレッジ指数連動型 | 76,409 | 楽天 |
8 | 1306 | NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信 | 75,527 | 野村 |
9 | 1552 | 国際のETF VIX短期先物指数 | 52,627 | 三菱UFJ国際 |
10 | 1671 | WTI原油価格連動型上場投信 | 44,677 | シンプレクス |
(データ出所:東京証券取引所 ETF相場表2020年10月版)