グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》が1位に−運用残高は9,795億円
投資信託事情・イボットソンのデータによると、2021年1月末現在の運用残高(純資産額)で見る投資信託の国内最大ファンド・ランキング(上位30位)(追加型株式投資信託、ETFは除く)は下表の通りでした。
日興アセットマネジメントが運用する「グローバル・プロスペクティブ・ファンド(愛称:イノベーティブ・フューチャー)」が1位に浮上しました。
「グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》」は、主に、世界の上場株式の中から、破壊的イノベーションを起こし得るビジネスを行なう企業の株式を実質的な投資対象とするファンドとして2019年6月に運用が開始されました。
同ファンドでは、商品やサービスの性能をより高める「持続的イノベーション」に対して、既存の技術やノウハウの価値を破壊し、全く新しい商品やサービスを生み出すものを「破壊的イノベーション」と定義しており、その破壊的イノベーションには①劇的に生産性の向上をもたらすこと、②急激なコスト低下をもたらすこと、③イノベーション・プラットフォームであることという3つの条件があるとしています。また、ファンドでは、イノベーションの普及度合いや市場での評価は時間と共に変化することから、投資対象とするイノベーションは固定せず、随時見直しを行ないます。
ファンドは、米国のアーク・インベストメント・マネジメントからの投資助言を受けて運用されます。設定来の騰落率は174.96% (2021年1月末現在)で、基準価額は27,496円です。販売会社はみずほ銀行とみずほ証券です。
また、注目されているレオス・キャピタルワークスが運用する「ひふみプラス」の2021年1月末の純資産総額は前月比1.6%(金額で74億円)減少し4,455億円でした。ひふみプラスは、主に日本の成長企業に投資するアクティブ運用の投資信託です。なお、つみたてNISAで購入できるファンドは、残高上位30位ファンドの中では、「ひふみプラス」だけです。また、ひふみプラスは過去1年の騰落率24.3%(年率)、過去5年の騰落率が13.1%(年率)と、好調な運用成績を誇っています。
投資対象
純資産額上位30位までの投資信託の投資対象の分布を見ると、外国の株式に投資するファンドが13本と最も多く、次いでアロケーション型、外国のREIT(不動産投資信託)、日本の株式に投資するファンドが各々4本、外国の債券と国内のREITに投資するファンドが各々2本、日本の債券に投資するファンドが1本でした。
純資産上位30位までのファンドでは、引き続き海外の資産に投資するファンドが過半数を占めています。
資金増減
投資信託の人気を測るバロメーターでもある月中の資金増減(月中の設定額(販売額)から解約額(売却額)を差引いた額)を見ると、純資産額上位30位までのファンドの中で資金増加額が最も大きかったのは、「デジタル・トランスフォーメーション株式ファンド《ゼロ・コンタクト》」で、資金増加額は502.5億円でした。同ファンドは、今後の成長が期待される、ゼロ・コンタクト・ビジネス(非接触型ビジネス)関連企業の株式を中心に投資を行なうファンドで、2020年7月に設定されました。純資産総額第1位の「グローバル・プロスペクティブ・ファンド(愛称:イノベーティブ・フューチャー)」と同じく、米国のアーク・インベストメント・マネジメントからの投資助言を受けて運用が行われています。
なお、2021年1月に資金増加となったのは純資産上位30位ファンドのうち16ファンドでした。月間資金増加額上位5位ファンドは次の通りです。
<月間資金増加額上位5位ファンド(2021年1月)>
順位 | 運用会社 | ファンド名 | 月末純資産額(億円) | 月間資金増加額(億円) |
1 | 日興 | デジタル・トランスフォーメーション株式F《ゼロ・コンタクト》 | 5,464 | 502.5 |
2 | 日興 | グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》 | 9,795 | 497.1 |
3 | One | グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》 | 9,252 | 451.1 |
4 | One | 投資のソムリエ | 4,178 | 349.9 |
5 | アライアンス | AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 | 7,249 | 250.7 |
一方、純資産総額上位30位ファンドの中で、月中の資金減少額が最も大きかったのは、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントの「netWIN GS・テクノロジー株式F B(ヘッジ無)」で、減少額は約112.5億円でした。純資産額上位30位ファンドの中で月間の資金減少額が最も大きかったファンド5本は次の通りでした。
運用会社 | ファンド名 | 月末純資産額(億円) | 月間資金減少額(億円) |
ゴールドマン | netWIN GS・テクノロジー株式F B(ヘッジ無) | 6,438 | -112.5 |
レオス | ひふみプラス | 4,455 | -77.4 |
フィデリティ投信 | フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド | 5,044 | -56.3 |
大和AM | ダイワファンドラップ 日本株式セレクト | 4,009 | -48.1 |
日興AM | 財産3分法F(不動産・債券・株式)毎月 | 3,577 | -44.2 |
騰落率(過去1年)− 騰落率トップは「グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》」
次に、純資産総額30位までの投資信託の騰落率を見ると、1年以上の運用期間があった28本のファンドのうち1年騰落率がプラスだったのは18本でした。
純資産総額30位までの投資信託のうち過去1年の騰落率が最も高かったのは、日興アセットマネジメントの「グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》」で、騰落率は149.1%でした。
純資産上位30位までのファンドの中で、過去1年の騰落率が最も高かった5本は次の通りです。ハイテク株に投資するファンドが上位を占めました。
順位 | 運用会社 | ファンド名 | 純資産額(億円) | 騰落率(1年) |
1 | 日興AM | グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》 | 9,795 | 149.1% |
2 | 三井住友DS | グローバルAIファンド | 3,503 | 93.3% |
3 | 三井住友トラスト | 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 | 6,856 | 48.4% |
4 | AM-One | グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 | 6,717 | 43.1% |
5 | 日興AM | グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年) | 3,206 | 34.2% |
騰落率(過去5年)− 騰落率トップは「netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無)」
また、過去5年の騰落率(年率)を見ると、純資産額上位30位までの投資信託で5年以上の運用期間があった23本については、全てのファンドにおいて過去5年の騰落率(年率)はプラスでした。
過去5年の騰落率(年率)が最も高かったのは、ゴールドマン・サックスの「netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無)」で、騰落率(年率)は22.5%でした。純資産上位30位の投資信託の中で、過去5年の騰落率が最も高かったファンド5本は次の通りです。
順位 | 運用会社 | ファンド名 | 純資産額(億円) | 騰落率(5年・年率) |
1 | ゴールドマン | netWIN GS・テクノロジー株式F B(ヘッジ無) | 6,438 | 22.5% |
2 | アライアンス・B | AB米国成長株投信C毎月(ヘッジ有)予想分配金提示 | 3,720 | 19.0% |
3 | 日興AM | グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年) | 3,206 | 18.7% |
4 | 日興AM | グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2) | 3,517 | 18.5% |
5 | アライアンス・B | AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 | 7,249 | 17.5% |
【投資信託の純資産総額ランキング(2021年1月)】
順位 | 運用会社 | ファンド名 | 純資産(億円) | 資金増減(億円) | 騰落率(1年)% | 騰落率(5年・年率)% |
1 | 日興AM | グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》 | 9,795 | 497.1 | 149.1 |
– |
2 | ピクテ投信 | ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月) | 9,461 | -23.0 | -11.1 | 3.9 |
3 | One | グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》 | 9,252 | 451.1 | – | – |
4 | アライアンス | AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 | 7,249 | 250.7 | 23.9 | 17.5 |
5 | 三井住友トラスト | 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 | 6,856 | 20.0 | 48.4 | – |
6 | One | グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 | 6,717 | 17.0 | 43.1 | – |
7 | ゴールドマン | netWIN GS・テクノロジー株式F B(ヘッジ無) | 6,438 | -112.5 | 30.8 | 22.5 |
8 | 東京海上 | 東京海上・円資産バランスF(毎月)《円奏会》 | 6,412 | -41.8 | -6.4 | 0.6 |
9 | 大和 | ダイワ・US-REIT・オープン(毎月)B(ヘッジ無) | 5,535 | 60.8 | -9.7 | 2.8 |
10 | 日興 | デジタル・トランスフォーメーション株式F《ゼロ・コンタクト》 | 5,464 | 502.5 | – | – |
11 | フィデリティ | フィデリティ・USリート・ファンドB(ヘッジ無) | 5,275 | -4.6 | -13.2 | 2.7 |
12 | 大和 | ダイワファンドラップ 日本債券セレクト | 5,172 | 32.0 | -1.0 | 0.9 |
13 | フィデリティ | フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド | 5,044 | -56.3 | 0.1 | 4.3 |
14 | フィデリティ | フィデリティ・日本成長株・ファンド | 4,526 | -12.1 | 22.3 | 10.5 |
15 | レオス | ひふみプラス | 4,455 | -77.4 | 24.3 | 13.1 |
16 | Tロウ・プライス | ティー・ロウ・プライス 米国成長株式F《アメリカン・ロイヤルロード》 | 4,296 | 11.6 | 25.8 |
– |
17 | One | 投資のソムリエ | 4,178 | 349.9 | 3.4 | 3.2 |
18 | One | 新光 US-REITオープン《ゼウス》 | 4,168 | -4.4 | -15.9 | 1.4 |
19 | 大和 | ダイワファンドラップ 日本株式セレクト | 4,009 | -48.1 | 19.8 | 9.1 |
20 | アライアンス | AB米国成長株投信C毎月(ヘッジ有)予想分配金提示 | 3,720 | 232.7 | 29.0 | 19.0 |
21 | 三菱UFJ | グローバル・ソブリン・オープン(毎月) | 3,691 | -41.8 | 2.4 | 0.4 |
22 | 三井住友トラスト | J-REIT・リサーチ・オープン(毎月) | 3,685 | 39.9 | -12.8 | 5.8 |
23 | 日興AM | 財産3分法F(不動産・債券・株式)毎月 | 3,577 | -44.2 | 2.6 | 5.5 |
24 | 日興AM | スマート・ファイブ(毎月) | 3,570 | 1.8 | -1.8 | 2.9 |
25 | 大和AM | ダイワJ-REITオープン(毎月) | 3,570 | 121.8 | -13.8 | 3.9 |
26 | 日興AM | グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2) | 3,517 | 240.7 | 34.0 | 18.5 |
27 | 三井住友DS | グローバルAIファンド | 3,503 | 70.5 | 93.3 |
– |
28 | さわかみ投信 | さわかみファンド | 3,305 | -41.1 | 15.5 | 7.7 |
29 | 日興AM | グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年) | 3,206 | -17.6 | 34.2 | 18.7 |
30 | 日興AM | ラサール・グローバルREITファンド(毎月) | 3,112 | -33.4 | -13.5 | 0.6 |
(データ出所:投資信託事情・イボットソン)