「一億人の投信大賞 2020」、入賞ファンドを決定


2021 年3月20日、「一億人の投信大賞 2020」の選定にて、入賞ファンドが決定された。

「一億人の投信大賞」とは

「一億人の投信大賞」は、 「普通の人が普通に長期投資で資産形成をする」ために使えそうな、より 良い投信探しから始まった。きっかけは 2013 年の夏。2014 年から NISA 制度が始まるので、メディアや金融機関では「NISA 情報」が飛び交っていた。しかし、投資信託の主流は富裕な高齢者向けの毎月決算型や、流行のテ ーマや投資先の新商品で、資産形成層が 5 年先を見据えて商品を選ぶのが困難な状況だった。長期で 投資をしようと思っても…… 5 年経つ前に繰上償還されてしまうかもしれない。これでは普通の人が 資産形成をしたくても、どんな投信を選べばよいかわからない。そこで、自分たちで「普通の人が 普通に長期投資で資産形成をするため」という視点で良い投信を徹底的に探してみよう! と企画したのが「一億人の投信大賞」である。

「一億人の投信大賞」選定委員会のメンバーは、 高橋 忠郎氏 (パワーソリューションズ 取締役)、竹川 美奈子氏(LIFE MAP 合同会社 代表)、島田 知保氏 (イボットソン・アソシエイツ・ジャパン 月刊『投資信託事情』発行人・編集長)の3名。

「一億人の投信大賞」は 2013 から始まり、今回の 2020 で 8 回目を迎えた。この間、「顧客本意の業 務運営」の取り組みが金融機関で進み、2018 年 1 月からはつみたて NISA 制度も始まった。まだ 投資に取り組んでいない人に向けて、「資産形成ツール」としての投資信託の良さをより広く発信する 環境が整ってきた。一方で、一億人の投信大賞の選定委員会のメンバーは、低コストのパッシブ投資万能論ばかりが声高に説かれることには、 少し違和感を感じていた。投資とは、人それぞれのニーズや価値観、生き方を反映して取り組める、も っと自由なものだと考えているためだった。 このファンド大賞には、よいアクティブ投信をみつけたいという思いもこめられている。あえて パッシブ投信と区別せずにスクリーニングを行っているのもそのため。短期で値上がりする、大 きく儲ける、という投機的な投資は念頭にない。選定委員会では、「預貯金だけでなく、株式や債券に少しずつお 金を振り向けて、時間をかけて資産を形成しようと思う人に、参考となるような情報を提供したいと思っています。資産形成のための投資信託啓蒙の一助となれば幸甚です」と述べている。

一億人の投信大賞の選定委員会は個人の立場で投資信託による資産形成を啓蒙するために有志が集まった非営利のアワード。ウェブサイ トおよびロゴの製作はパワーソリューションズ、選定のためのデータはイボットソン・アソシエイツ・ジャパンの好意により無料で提供されている。賞に関して広告費・ロゴ使用料の受領、協賛セミナーのお願いなどは一切していない。

 

「一億人の投信大賞」選定について

資産形成においてにおいてコア資産として活用するのに適した、スタンダードな資産クラスの投資信託を選定する。また、資金がコンスタントに流入していることを重視する。

○ 対象ファンドの絞込みは以下の基準で行う。

  • 前年 12 月末時点
  • ETF を除外
  • SMA・ラップ専用を除外
  • DC 専用を除外
  • 決算回数:年 12 回、6 回、4 回を除外
  • 基準月末純資産 30 億円未満を除外
  • 運用実績 3 年未満のものを除外
  • 過去 36 か月のうち資金純減月数 13 か月以上のものを除外
  • その他資産などと、ブルベア型など短期投資向けを除外
  • 投資テーマ、投資地域、対象通貨(日本円以外)など限定されるものを除外

今回は 5,679 本の追加型株式投信から 157 本が対象ファンドとなった。選定委員会は、「運営(選定)委員会としては、この 157 本の対象ファンドすべてを称えたいと思います」とコメントしている。

※本来は 5 年、10 年と長い期間で選定したいものの、現状では候補となる投信の数の問題があり、ま た、投資家の視点に立った商品開発も進んでいるため、3 年としている。特にインデックス投信で は後発の低コストの商品が出てきているが、トラックレコードが 3 年以上のものを対象としている。

※資金純増の理由として確定拠出年金向けにも販売しているケースがある。選定委員会によると、長期投資家にとって、 この安定的な資金流入が見込まれる投信は信頼性が高いと言える。同委員会は、「現在対象外となっている DC 専 用投信も、公募にも開放されれば長期投資家にとって良い投資対象となると思います」と述べている。

優秀ファンドは以下の各項目についての順位を付与し、その合計点によって選定される。

(同点の場合は、アクティブは 3 年のリターンが高い順、 パッシブはトラッキング・エラーが小さい順、 アクティブとパッシブは 3 年のリターンで順序を決める)

  • アロケーション型はシャープレシオが高いもの

(同点の場合は 3 年のリターンで順序を決める)

※ 外国株式(円ヘッジ)およびアロケーション型のリスクコントロール型、TAA 型については、ノミ ネート投信の掲載のみとし、順位付けは行っていない。

 

一億人の投信大賞2020の受賞ファンド(各部門における1位のファンド)

部門 ファンド名 運用会社
国内株式 野村つみたて日本株投信 野村AM
外国株式 フィデリティ・グローバル・ファンド フィデリティ投信
外国株式(除く日本) 年金積立 インターナショナル・グロース・ファンド《DC Iグロース》 日興AM
外国株式(円ヘッジ) 野村未来トレンド発見ファンド Aコース(為替ヘッジあり)《先見の明》 野村AM
新興国株式 エマージング株式オープン 三菱UFJ国際投信
国内債券 明治安田日本債券ファンド《ホワイト ウィング》 明治安田AM
国債 たわらノーロード 先進国債券 AM-One
外国債券(円ヘッジ、部分ヘッジ) グローバル・ボンド・ポート(Cコース) AM-One
新興国債券 iFree 新興国債券インデックス 大和AM
国内REIT Jリートアクティブファンド(1年決算型) 三井住友トラスト
先進国REIT 三井住友・DC外国リートインデックスファンド 三井住友DS
アロケーション・安定型 たわらノーロード スマートグローバルバランス(安定型) AM-One
アロケーション・やや安定型 たわらノーロード バランス(標準型) AM-One
アロケーション・標準型 財産3分法ファンド (不動産・債券・株式) 資産成長型《財産3分法-資産成長型》 日興AM
アロケーション・やや積極型 たわらノーロード バランス(積極型) AM-One
アロケーション・積極型 たわらノーロード スマートグローバルバランス(積極型) AM-One