ETF(上場投資信託)市場の概況
東京証券取引所が公表したETF相場表(2021年3月版)によると、2021年3月のETF市場全体の月間売買代金(立会内とToSTNetの合計)は前月比約36.1%増加し、約6.61兆円になりました。1日当たり売買代金は前月から約6.7%増加して約2,874億円になりました。
3月の日本銀行によるETFの買い入れは2,981億円実施されました。
シンプレクス・アセット・マネジメントが運用する「日経平均ブル2倍上場投信(銘柄コード:1579)」が3月4日付けで、受益権口数10口につき、20口の割合で分割されました。これは、基準価額が1口当たり30,000円以上となったため、投資単位当たりの金額を引き下げ、受益権の流動性を高めることで、投資家の利便性を向上させることを目的として実施されたものです。
次の5本のETFが3月31日に東京証券取引所に上場しました。これにより上場ETFの数は242本になりました。
- NEXT FUNDS S&P 500指数(為替ヘッジなし)連動型上場投信(2633)
- NEXT FUNDS S&P 500指数(為替ヘッジあり)連動型上場投信(2634)
- NEXT FUNDS S&P 500 ESG指数連動型上場投信(2635)
- グローバルX MSCI ガバナンス・クオリティ-日本株式 ETF(2636)
- グローバルX クリーンテック ESG-日本株式 ETF(2637)
ETFの売買代金ランキング
月間の売買代金が最も大きかった銘柄は、2021年3月も野村アセットマネジメントの運用する「NEXT FUNDS日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」(銘柄コード:1570)でした。同ETFの3月の月間売買代金は約3.1兆円(立会内とToSTNeT合計)で、全体の46.8%を占めました。また、3月も一部の銘柄に売買が集中した状態が続き、売買代金上位10位銘柄の売買代金の合計が全体の85%を占めました。
売買代金ランキング(上位10位銘柄)は次の表の通りでした。売買代金上位10位ファンドのうち9本が日本の株式市場を対象とするETFで、この内7本がブルベア型でした。引き続きブルベア型を利用した短期的売買がETF市場の中心であることが窺えます。
なお、2021年3月の東京証券取引所の営業日は23日でしたが、この23日全営業日に値段が付いたETFは、3月に新規上場した5本を除く238本中197本、全体の8割程度でした。値付日数の平均は22日でした(新規上場銘柄を除く)。また、値付日数が10日以下のファンドが、新規上場銘柄を除いて6本ありました。
【2020年3月 ETF売買代金ランキング上位10位銘柄】
順位 | 銘柄コード | ファンド名 | 売買代金(百万円) | 運用会社 |
1 | 1570 | NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 | 3,091,819 | 野村 |
2 | 1357 | NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信 | 685,362 | 野村 |
3 | 1458 | 楽天ETF‐日経レバレッジ指数連動型 | 386,710 | 楽天 |
4 | 1321 | NEXT FUNDS 日経225連動型上場投信 | 320,870 | 野村 |
5 | 1360 | 日経平均ベア2倍上場投信 | 257,466 | シンプレクス |
6 | 1579 | 日経平均ブル2倍上場投信 | 257,249 | シンプレクス |
7 | 1306 | NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信 | 177,543 | 野村 |
8 | 1552 | 国際のETF VIX短期先物指数 | 125,520 | 三菱UFJ国際 |
9 | 1568 | TOPIXブル2倍上場投信 | 119,165 | シンプレクス |
10 | 1459 | 楽天ETF‐日経ダブルインバース指数連動型 | 105,320 | 楽天 |
(データ出所:東京証券取引所 ETF相場表2021年3月版)