国内最大ファンド・ランキング(2021年5月)


グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》が1位を維持−運用残高は1兆685億円

投資信託事情・イボットソンのデータによると、2021年5月末現在の運用残高(純資産額)で見る投資信託の国内最大ファンド・ランキング(上位30位)(追加型株式投資信託ETFは除く)は下表の通りでした。

アセットマネジメントOne株式会社が運用する「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》」が1位を維持しました。純資産額は1兆685億円で、前月から279億円減少しました。

「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド」は、日本や新興国を含む世界の株式を対象に、投資アイデアの分析・評価や、個別企業の競争優位性、成長力、ESG(環境・社会・企業統治)への取り組みなどの評価に基づき選定した質の高いと考えられる企業の中から、市場価格が理論価格より割安と判断される銘柄を厳選して投資を行うファンドです。設定は2020年7月で、信託期間は2030年7月12日まで。販売会社は、みずほ証券、みずほ銀行、みずほ信託銀行。

なお、注目されているレオス・キャピタルワークスが運用する「ひふみプラス」の2021年5月末の純資産総額は前月比0.2%(金額で11億円)減少し4,540億円でした。ひふみプラスは、主に日本の成長企業に投資するアクティブ運用の投資信託です。また、ひふみプラスは過去1年の騰落率23.8%、過去5年の騰落率が12.5%(年率)と、好調な運用成績を誇っています。なお、つみたてNISAで購入できるファンドは、残高上位30位ファンドの中では「ひふみプラス」と三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の2本です。

ひふみプラスの純資産の推移

投資対象

純資産額上位30位までの投資信託の投資対象の分布を見ると、外国の株式に投資するファンドが14本と最も多く、次いでアロケーション型と外国のREIT不動産投資信託)に投資するファンドが各4本、日本の株式に投資するファンドが3本、外国の債券に投資するファンドと国内のREITに投資するファンドが各々2本、日本の債券に投資するファンドが1本でした。

純資産上位30位までのファンドでは、引き続き海外の資産に投資するファンドが過半数を占めています。

 

投資対象別内訳

資金増減

投資信託の人気を測るバロメーターでもある月中の資金増減(月中の販売額から売却額を差引いた額)を見ると、純資産額上位30位までのファンドの中で資金増加額(純増額)が最も大きかったのは、日興アセットマネジメントの「グローバル・エクスポネンシャル・イノベーションファンド」でした。増加額は約722億円でした。

「グローバル・エクスポネンシャル・イノベーションファンド」は、主に、世界の上場株式の中から、社会課題解決への寄与が期待される破壊的イノベーション関連企業の株式を実質的な投資対象とするファンドとして2021年4月に設定されました。同ファンドでは、商品やサービスの性能をより高める「持続的(継続的)イノベーション」に対して、既存の技術やノウハウの価値を破壊し、まったく新しい商品やサービスを生み出すものと定義しています。また、ファンドは、キャシー・ウッド氏が率いる米国のアーク・インベストメント・マネジメント・エルエルシー (アーク社)からの助言を受けて運用されます。販売会社はみずほ銀行とみずほ証券(2021年6月現在)。

なお、2021年5月に資金増加となったのは、純資産上位30位ファンドのうち17ファンドでした。月間資金増加額上位5位ファンドは次の通りです。

 

<月間資金増加額上位5位ファンド(2021年5月)>

順位 運用会社 ファンド名 月末純資産額(億円) 月間資金増加額(億円)
1 日興AM グローバル・エクスポネンシャル・イノベーションF 3,440 721.9
2 アライアンス・B AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 9,325 558.4
3 三菱UFJ国際投信 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 4,385 391.2
4 アライアンス・B AB米国成長株投信C毎月(ヘッジ有)予想分配金提示 4,674 251.6
5 AM-One 投資のソムリエ 5,395 215.4

 

一方、純資産総額上位30位ファンドの中で、月中の資金減少額が最も大きかったのは、Tロウ・プライスの「ティー・ロウ・プライス 米国成長株式ファンド《アメリカン・ロイヤルロード》」で、減少額は約217億円でした。純資産額上位30位ファンドの中で月間の資金減少額が最も大きかったファンド5本は次の通りでした。

 

運用会社 ファンド名 月末純資産額(億円) 月間資金減少額(億円)
Tロウ・プライス ティー・ロウ・プライス 米国成長株式F《アメリカン・ロイヤルロード》 4,176 -217.2
三井住友トラスト 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 6,571 -86.7
ピクテ投信 ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月) 9,644 -83.6
日興AM グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》 8,968 -60.2
東京海上AM 東京海上・円資産バランスF(毎月)《円奏会》 6,235 -40.5

 

騰落率(過去1年)− 騰落率トップは「グローバルAIファンド」

 

次に、純資産総額30位までの投資信託の騰落率を見ると、1年以上の運用期間があった27本のファンド全ての騰落率はプラスでした。

純資産総額30位までの投資信託のうち過去1年の騰落率が最も高かったのは、三井住友DSアセットマネジメントの「グローバルAIファンド」で、騰落率は92.3%でした。

純資産上位30位までのファンドの中で、過去1年の騰落率が最も高かった5本は次の通りです。

 

順位 運用会社 ファンド名 純資産額(億円) 騰落率(1年)
1 三井住友DS グローバルAIファンド 4,095 92.3%
2 日興AM グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》 8,968 81.7%
3 AM-One グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 7,325 50.0%
4 日興AM グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2) 4,056 49.6%
5 三井住友トラスト 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 6,571 47.7%

 

 

騰落率(過去5年)− 騰落率トップは「netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無)」

また、過去5年の騰落率(年率)を見ると、純資産額上位30位までの投資信託で5年以上の運用期間があった21本については、全てのファンドにおいて過去5年の騰落率(年率)はプラスでした。

過去5年の騰落率(年率)が最も高かったのは、ゴールドマン・サックスの「netWIN GS・インターネット戦略F B(ヘッジ無)」で、騰落率(年率)は24.3%でした。純資産上位30位の投資信託の中で、過去5年の騰落率が最も高かったファンド5本は次の通りです。

 

順位 運用会社 ファンド名 純資産額(億円) 騰落率(5年・年率)
1 ゴールドマン・S netWIN GS・テクノロジー株式F  B(ヘッジ無) 6,698 24.3%
2 アライアンス・B AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 9,325 20.8%
3 アライアンス・B AB米国成長株投信C毎月(ヘッジ有)予想分配金提示 4,674 19.1%
4 日興AM グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2) 4,056 18.9%
5 レオス ひふみプラス 4,540 12.5%

 

 

投資信託の純資産額ランキング(2021年5月)

順位 運用会社 ファンド名 純資産(億円) 資金増減(億円) 騰落率(1年) 騰落率(5年・年率)
1 AM-One グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》 10,685 94.1
2 ピクテ投信 ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月) 9,644 -83.6 16.1 6.1
3 アライアンス・B AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 9,325 558.4 36.0 20.8
4 日興AM グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》 8,968 -60.2 81.7
5 AM-One グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 7,325 44.1 50.0
6 ゴールドマン・S netWIN GS・テクノロジー株式F  B(ヘッジ無) 6,698 -1.9 40.4 24.3
7 三井住友トラスト 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 6,571 -86.7

47.7

8 日興AM デジタル・トランスフォーメーション株式F《ゼロ・コンタクト》 6,420 120.9

9 大和AM ダイワ・US-REIT・オープン(毎月)B(ヘッジ無) 6,402 4.2 38.7 7.4
10 東京海上AM 東京海上・円資産バランスF(毎月)《円奏会》 6,235 -40.5 2.8 0.4
11 フィデリティ投信 フィデリティ・USリート・ファンドB(ヘッジ無) 6,152 10.2 33.3 6.4
12 大和AM ダイワファンドラップ 日本債券セレクト 5,596 69.4 0.6 0.1
13 AM-One 投資のソムリエ 5,395 215.4 1.6 2.8
14 フィデリティ投信 フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド 5,082 -34.5 18.6 6.2
15 AM-One 新光 US-REITオープン《ゼウス》 4,768 -5.7 26.0 5.4
16 アライアンス・B AB米国成長株投信C毎月(ヘッジ有)予想分配金提示 4,674 251.6 32.6 19.1
17 フィデリティ投信 フィデリティ・日本成長株・ファンド 4,642 -5.2 30.5 10.8
18 レオス ひふみプラス 4,540 58.0 23.8 12.5
19 三菱UFJ国際投信 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 4,385 391.2 43.5

20 大和AM ダイワファンドラップ 日本株式セレクト 4,193 80.7 29.1 10.1
21 大和AM ダイワJ-REITオープン(毎月) 4,191 52.0 25.9 5.0
22 Tロウ・プライス ティー・ロウ・プライス 米国成長株式F《アメリカン・ロイヤルロード》 4,176 -217.2 40.2

23 三井住友トラスト J-REIT・リサーチ・オープン(毎月) 4,139 -11.8 27.1

6.9

24 三井住友DS グローバルAIファンド 4,095 94.9 92.3

25 日興AM グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2) 4,056 28.5 49.6 18.9
26 日興AM スマート・ファイブ(毎月) 3,622 -11.5 6.0 2.4
27 日興AM 財産3分法F(不動産・債券・株式)毎月 3,600 8.7 17.2 6.3
28 三菱UFJ国際投信 グローバル・ソブリン・オープン (毎月) 3,556 -30.6 4.4 1.6
29 日興AM ラサール・グローバルREITファンド(毎月) 3,470 -31.3 36.9 4.4
30 日興AM グローバル・エクスポネンシャル・イノベーションF 3,440 721.9

(データ出所:投資信託事情・イボットソン)