ETF(上場投資信託)市場の概況
東京証券取引所が公表したETF相場表(2021年6月版)によると、2021年6月のETF市場全体の月間売買代金(立会内とToSTNetの合計)は前月比約6.1%減少し、約4.6兆円になりました。1日当たり売買代金は前月から約22.9%減少して約2,090億円になりました。
日本銀行によるETFの買い入れは1回(701億円)実施されました。
「南方 FTSE 中国A株50 ETF(1576)」と「NEXT FUNDS JPX日経400レバレッジ・インデックス連動型上場投信(1470)」が上場廃止となり、一方、次の5本のETFが新たに東京証券取引所に上場しました。これにより東京証券取引所に上場しているETFは246本になりました(6月末現在)。
- グローバルX ロボティクス&AI-日本株式 ETF(2638)
- グローバルX バイオ&メドテック-日本株式 ETF(2639)
- グローバルX ゲーム&アニメ-日本株式 ETF(2640)
- グローバルX グローバルリーダーズ ESG-日本株式 ETF(2641)
- SMT ETF カーボン・エフィシェント日本株(2642)
ETFの売買代金ランキング
月間の売買代金が最も大きかった銘柄は、2021年6月も野村アセットマネジメントの運用する「NEXT FUNDS日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」(銘柄コード:1570)でした。同ETFの6月の月間売買代金は約1.9兆円(立会内とToSTNeT合計)で、全体の41.0%を占めました。また、6月も一部の銘柄に売買が集中した状態が続き、売買代金上位10位銘柄の売買代金の合計が全体の8割超を占めました。
売買代金ランキング(上位10位銘柄)は次の表の通りでした。売買代金上位10位ファンドのうち9本が日本の株式市場を対象とするETFで、この内7本がブルベア型でした。引き続きブルベア型を利用した短期的売買がETF市場の中心であることが推察できます。
なお、2021年6月の東京証券取引所の営業日は22日でしたが、この22日全営業日に値段が付いたETFは、新規上場銘柄と上場廃止銘柄の計7本を除く241本中195本、全体の約8割でした。値付日数の平均(新規上場銘柄と上場廃止銘柄を除く)は21日でした。また、値付日数が10日以下のETFが14本ありました(新規上場銘柄と上場廃止銘柄を除く)。
【2020年6月 ETF売買代金ランキング上位10位銘柄】
順位 | 銘柄コード | ファンド名 | 売買代金(百万円) | 運用会社 |
1 | 1570 | NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 | 1,898,637 | 野村 |
2 | 1357 | NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信 | 380,222 | 野村 |
3 | 1579 | 日経平均ブル2倍上場投信 | 348,314 | シンプレクス |
4 | 1458 | 楽天ETF‐日経レバレッジ指数連動型 | 317,909 | 楽天 |
5 | 1360 | 日経平均ベア2倍上場投信 | 281,341 | シンプレクス |
6 | 1321 | NEXT FUNDS 日経225連動型上場投信 | 197,366 | 野村 |
7 | 1459 | 楽天ETF‐日経ダブルインバース指数連動型 | 183,366 | 楽天 |
8 | 1306 | NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信 | 111,195 | 野村 |
9 | 1552 | 国際のETF VIX短期先物指数 | 73,633 | 三菱UFJ国際 |
10 | 1568 | TOPIXブル2倍上場投信 | 66,851 | シンプレクス |
(データ出所:東京証券取引所 ETF相場表2021年6月版)