個人型確定供出年金(iDeCo)の受給に必要な書類一式を提出した数日後、私はiDeCoで保有している投資信託全てを売却することを決めました。運用期間は残りわずか数ヶ月なのに、なぜここで売却したのか。それは、年末年始を心穏やかに過ごしたいと思ったからです。ちょうど南アフリカで感染力が強いとされるコロナウィルスのオミクロン株が発見されたという報道があった直後の決断です。私は、とても小心者なのです。
小心者であっても、コツコツ積み立てている間は、悪材料を無視することができました。残りの投資期間が長いため、そのうち戻るだろうと余裕を持って見ていることができたからです。それが長期積立投資の良いところです。実際に、確定拠出年金を積み立ててきたこの20年の間には、2008年のリーマンショックもありました。それでも、コツコツ積み立てていった結果、掛金を上回る利益を得ることができました。
しかし、今回は違います。もう受給することは決まっていて、残りの運用期間は長くても2ヶ月程度です。今、市場が暴落しても、回復を待つという時間の猶予はありません。だから11月28日に全てを売却しました。
売却したのは約20年間積み立ててきた「ステート・ストリートDC外国株式インデックス・オープン」と「フィデリティ・日本成長株・ファンド」の全て。この資金を「確定拠出年金通常貯金」に預け替えました。確定拠出年金ではこのような取引を「運用商品預替」と呼びます。
また、実行されていなかった最後の積立分(拠出)については、上記のファンドに投資せず、同じ「確定拠出年金通常貯金」に振り分けました。これは、「運用割合変更」と呼びます。積立金(拠出金)の50%を「ステート・ストリートDC外国株式インデックス・オープン」で、残りの50%を「フィデリティ・日本成長株・ファンド」で運用していたものを、100%「確定拠出年金通常貯金」で運用するという指図に変更したわけです。
11月末からの市場の動きを見ていると、正しい判断であったのではないかと思っています。これで、これから迎える年末・年明けの株式市場で大きな変動があっても、影響を受けることはなくなり、心穏やかに年金の受給を待つことができます。