野村ホールディングス株式会社および野村アセットマネジメント株式会社は株式会社Preferred Networksと協業し、 最先端技術を活用した新たな金融ビジネスソリューションの開発を目指した取り組みをすすめている。
その取り組みの一つとして、 2019年10月に開始した運用手法の高度化に資する共同研究を活用したパイロットファンドを設定した。 同ファンドは、 中長期的にリターンの獲得が期待できる運用戦略を複数組み合わせることで、 市場変動に左右されにくい安定的な収益を追求するもの。 野村アセットマネジメントでは、将来的には、 同ファンドの運用実績等を踏まえ、 幅広い投資家に向けた商品提供につなげたいと考えている。
深層学習などの最先端技術の研究開発と実用化に高い知見を有するPreferred Networksとの共同研究の成果の一部は、 2020年に人工知能分野で最も権威ある学会で採択されるなど※1、 学術的な価値が高く評価されている。 こうした研究成果を用いた運用戦略の提供に向けてPreferred Networksと検討を続け、 今回のファンド設定に至った。 引き続き新たなソリューションの開発に向けて共同研究を継続する。
野村グループはこれまで金融工学やデータサイエンスの知見に基づき、 運用に関わる実務上の課題を解決するためのさまざまな定量手法の開発に取り組んできた。また、Preferred Networksはさまざまな分野において機械学習や深層学習などの最先端技術を適用し、 各産業特有の事業課題の解決に取り組んでいる。 野村アセットマネジメントは次のように述べている。
Preferred Networksとの協業を通じて野村グループは、 最先端技術を活用した今までにない金融ビジネスソリューションの開発や金融サービスを構築することで、 お客様に新たな投資機会と付加価値を提供し、 真に豊かな社会の創造に貢献していきます。
【参考】
同パイロットファンドの運用戦略「ピュアα型マルチストラテジー」の概要
運用戦略:中長期的にリターンの獲得が期待できる運用戦略を複数組み合わせることで、 市場変動に左右されにくい安定的な収益を追求する。
運用のポイント
個別の投資戦略の決定 | 中長期的にリターンの獲得が期待できる投資戦略を複数選定してファンドに組み入れます。 野村アセットマネジメントが独自に開発した投資戦略に加え、 Preferred Networksとの共同研究の成果を活用した戦略など、 新たな投資戦略を適宜採用して入れ替えを行っていく予定。 |
各投資戦略への配分比率の決定 | 野村アセットマネジメントとPreferred Networksが共同開発したリスク・バジェッティング・モデル※2を活用する。 各投資戦略およびポートフォリオ全体のリターン分布を予測した上で、 値下がり幅を抑制しつつ高い運用効率を実現するよう、 各投資戦略への配分比率を最適化する。 |
※1 2020年12月21日付ニュースリリース「Preferred Networksとの共同研究論文が、 人工知能分野の国際学会AAAIおよびAAMASで採択」を参照。
https://www.nomuraholdings.com/jp/news/nr/holdings/20201221/20201221_a.pdf
※2 効率的にリターンを獲得するために、 ポートフォリオのリスクを各投資戦略に適切に配分するアルゴリズム(計算方法)