三井住友DSアセットマネジメントは、 経済イベントや市場動向に関するマーケットレポートを日々発行しており、2022年1月4日にはマーケットレポート「 宅森昭吉に聞く『2022年の日本経済』」を発行した。
「 宅森昭吉に聞く『2022年の日本経済』」のポイントと今後の展開は次の通り。
【ポイント1】21年10-12月期の実質GDP成長率は回復が見込まれる
- 21年の日本の実質GDP成長率は一進一退となったが、 10-12月期は回復が見込まれる。この回復の理由として、 1.足元の国内でのコロナ感染者数の落ち着き、 2.緊急事態宣言の9月末での解除、 3.部品不足の緩やかな改善傾向、 等があげられる。そしてこの傾向は2022年に入っても継続すると期待される。
【ポイント2】日銀短観にはオミクロン型の不透明さが影響
- 2021年12月調査の日銀短観では、 大企業・製造業の業況判断DIは+18と前回調査から横ばいだったが、先行き見通しは+13と悪化する見込み。 DIの中身を見ると、 「悪い」は減少したものの、 「さほど良くない」が大きく増加した形。 新型コロナウイルスのオミクロン型の動向の不透明さが影響した模様。
- 一方、 大企業・非製造業の業況判断DIは+9と、 コロナ前の19年12月の+20以来の水準となった。 また、 全規模・全産業の業況判断DIは+2と、 前回の▲2のマイナスからプラスに転じ、 緩やかな回復基調継続が期待される内容となった。
【今後の展開】22年度は今年に続いて2年度連続のプラス成長が期待される
- 毎年全国から公募で選ばれる「今年の漢字」は、 その時々の景気局面や経済状況を映している。 21年は「金」だった。夏季オリンピック開催年は、 リーマン・ショックが発生した08年のようにショッキングな出来事がなければ金メダルにちなんで「金」が選ばれることが多いのだが、 今年も「金」となったことは、 20年5月を谷とする景気拡張局面が続いていることを示唆していると考えられる。
- 景気動向指数の基調判断は、 生産指数等の動向から9月にそれまでの「改善」から「足踏み」に下方修正されたが、 近々「改善」に戻りそうで、 後退局面になる可能性は低いと見られる。 また、 民間エコノミストのコンセンサス調査である「ESPフォーキャスト調査」(12月調査)では、 22年度の実質GDP成長率の予測平均値は前期比年率+3.03%だった。 20年度はコロナ禍により同▲4.5%と大幅減だったが、 22年度は21年度の同+2.72%(予測平均)に続き、 2年度連続でプラス成長となりそうである。