2022年1月某日、予想より少し早く確定拠出年金が銀行口座に振り込まれました。20年間の運用成果です。
同じ頃、「給付金支払のお知らせ」が運営管理機関である「日本レコード・キーピング・ネットワーク」から郵送されてきました。そこには退職所得の源泉徴収票・特別徴収表も同封されていました。
確定拠出年金を受給する場合、一時金として受け取る方法と、年金として受け取る方法があります。私は一時金として受け取ることを選択しました。理由は、年金を原資にして運用に回したいと考えたからです。私はまだ現役で仕事をしていて給与を受け取っています。したがって、年金として受け取るニーズは今のところありません。
一時金として受け取る場合、確定拠出年金の給付金は退職所得として課税の対象になります。退職していなくても退職所得として扱われます。
税額は次のように計算されます。
税額=((課税退職所得金額)×(所得税率)−(控除額))×102.1%
一つずつ見てゆきましょう。
課税退職所得金額は、収入金額(確定拠出年金の支払金額)−退職所得控除額)×1/2で求めます。
収入金額(確定拠出年金の支払金額)は、掛け金と損益の合計金額です。運用益だけが課税対象になるのではなく、掛け金と利益の合計金額(=支払金額)が税金算出の基礎となる収入金額とされるところが個人的には納得できないのですが、そういう制度ですから仕方ありません。
この「退職所得控除額」は勤続年数により異なります。確定拠出年金の場合、勤続年数は確定拠出年金の加入年数のことです。勤続年数ではありません。
【退職所得控除額の計算の表】
勤続年数(=A) | 退職所得控除額 |
20年以下 | 40万円×A |
20年超 | 800万円+70万円×(A-20年) |
私の場合、勤続年数(加入年数)は20年です。したがって、退職所得控除額は40万円×20年=800万円となります。
これで、課税退職所得金額を計算できます。
次にこの課税退職所得金額に応じて、「退職所得の源泉徴収税額の速算表」の「税額」欄の算式に従い計算した額が、源泉徴収されています。
私の場合、課税退職所得金額はこの税額表の「195万円以下」に該当するため所得税率は5%、控除額は0円となります。
先にも述べましたが、「税額=((課税退職所得金額)×(所得税率)−(控除額))×102.1%」ですから、ここの(所得税率)に5%、(控除額)に0円を入れて計算します。結果として、私の税額(源泉徴収税額)は約86,274円でした。
退職所得には、所得税の源泉徴収税に加えて、特別徴収税(=個人住民税(市町村民税・道府県民税))がかかります。市町村民税の税率は6%、道府県民税は4%です。私の場合は各々約10万1千円と6万7千円でした。確定拠出年金の支払金額から源泉徴収税と合わせて約25万円を差し引いた金額が銀行口座に振り込まれました。これは私の1年間の掛け金の合計に概ね匹敵する金額ですから大きい金額ですね。
確定拠出年金では、このように退職所得の金額に応じた所得税等の額が源泉徴収されるため、原則として確定申告は必要ありません。
さて、この20年の運用成果をどうするか、というのが今後の課題ですね。私はまだ仕事をしていますし、人生100年時代です。60歳からでも長期運用は可能だと思いますので、これを原資に、また投資信託の積立投資を始めようと思います。