ETF(上場投資信託)市場の4月の概況
東京証券取引所が公表したETF相場表(2022年4月版)によると、2022年4月のETF市場全体の月間売買代金(立会内とToSTNetの合計)は前月比約30.6%減少し、約5.14兆円になりました。1日当たり売買代金は前月から約23.6%減少して約2,570億円になりました。
日本銀行によるETFの買い入れは1回(701億円)実施されました。
また、「NEXT FUNDS ロシア株式指数・RTS連動型上場投信」(銘柄コード 1324)について、ロシアのウクライナ侵攻の影響でロシア株式の取引を行うことが困難になったことから、3月17日(木)以降、売買停止となっています。
「NEXT FUNDD SolactiveジャパンESGコア指数連動型上場投信」(2850)が4月8日に東京証券取引所に上場しました。同ETFは、日本の大型・中型株の中からESGに着目した銘柄採用を行なう「SolactiveジャパンESGコア指数」に連動する投資成果を目指すETFです。運用・管理会社は野村アセットマネジメントです。
この上場により、2022年4月末現在の東京証券取引所における上場ETFの数は261本となりました。
ETFの売買代金ランキング
月間の売買代金が最も大きかった銘柄は、2022年4月も野村アセットマネジメントの運用する「NEXT FUNDS日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」(銘柄コード:1570)でした。同ETFの4月の月間売買代金は約2兆5,269億円(立会内とToSTNeT合計)で、全体の約半分(49%)を占めました。また、4月も一部の銘柄に売買が集中した状態が続き、売買代金上位10位銘柄の売買代金の合計が全体の8割超を占めました。
売買代金ランキング(上位10位銘柄)は次の表の通りでした。売買代金上位10位ファンド中9本が日本の株式市場を対象とするETFで、この内7本がブルベア型のETFでした。引き続きブルベア型を利用した短期売買がETF市場の中心のようです。
【2022年4月 ETF売買代金ランキング上位10位銘柄】
順位 | 銘柄コード | ファンド名 | 売買代金(百万円) | 運用会社 |
1 | 1570 | NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 | 2,526,879 | 野村 |
2 | 1357 | NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信 | 414,898 | 野村 |
3 | 1459 | 楽天ETF‐日経ダブルインバース指数連動型 | 253,376 | 楽天 |
4 | 1579 | 日経平均ブル2倍上場投信 | 234,721 | シンプレクス |
5 | 1458 | 楽天ETF‐日経レバレッジ指数連動型 | 185,608 | 楽天 |
6 | 1360 | 日経平均ベア2倍上場投信 | 179,527 | シンプレクス |
7 | 1321 | NEXT FUNDS 日経225連動型上場投信 | 158,570 | 野村 |
8 | 1306 | NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信 | 95,993 | 野村 |
9 | 1655 | iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF | 92,256 | ブラックロック |
10 | 1568 | TOPIXブル2倍上場投信 | 71,822 | シンプレクス |
(データ出所:東京証券取引所 ETF相場表2022年4月版)
また、2022年4月の東京証券取引所の営業日は20日でしたが、この20日全営業日に値段が付いたETFは、新規上場銘柄を除く260本中215本、全体の約8割でした。値付日数の平均は19日でした。
売買高が小さいETFや値付日数が少なく、毎日売買が成立していないETFは、購入したい時に購入したい値段で買えない、売却したい時に売却したい値段で売れないと言う流動性リスクが伴います。購入前に確認することが大切です。