国内最大ファンドランキング(2022年5月)


「AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示」が1位を維持−運用残高は1兆7,405億円

 

投資信託事情・イボットソンのデータによると、2022年5月末現在の運用残高(純資産額)で見る投資信託の国内最大ファンド・ランキング(上位30位)(追加型株式投資信託ETFは除く)は下表の通りでした。

アライアンス・バーンスタインが運用する「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジ無)予想分配金提示」が1位を維持しました。純資産額は1兆7,405億円で、前月末から48億円減少しました。

「アライアンス・バーンスタイン米国成長株投信Dコース毎月(ヘッジ無)予想分配金提示型」は、マザーファンドへの投資を通じて、主として成長の可能性が高いと判断される米国株式に投資するファンドです。このファンドの予想分配金提示型とは、原則として、毎決算時(毎月15日)に分配を行い、その分配金が、計算期末の前営業日の基準価額に応じて、以下の金額になることを目指すことを意味しています。

毎計算期末の前営業日の基準価額 分配金額(1万口あたり、税引前)
11,000円未満 基準価額の水準等を勘案して決定
11,000円以上12,000円未満 200円
12,000円以上13,000円未満 300円
13,000円以上14,000円未満 400円
14,000円以上 500円

「アライアンス・バーンスタイン米国成長株投信Dコース毎月(ヘッジ無)予想分配金提示型」の信託期間は2034年6月15日までです。上位組入銘柄には、マイクロソフト、アルファベット、VISA、ユナイテッドヘルス・グループ、クアルコム、アマゾンなど、米国のIT大手や日本でもよく知られた企業が並んでいます。(2022年5月末現在)

 

一方、注目されているレオス・キャピタルワークスが運用する「ひふみプラス」の2022年5月末の純資産総額は前月比1.8%(金額で82億円)増加し4,519億円でした。ひふみプラスは、主に日本の成長企業に投資するアクティブ運用の投資信託です。

ひふみプラスの純資産の推移

なお、純資産上位30位ファンドにおいて、つみたてNISAで購入できるファンドはひふみプラスを含めて次の6本です。ひふみプラスを除く5本は全てインデックスファンドです。

  • ひふみプラス
  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500
  • 楽天・全米株式インデックス・ファンド
  • SBI・バンガード・S&P500インデックスF《SBI・バンガード・S&P500》
  • eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
  • <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド

 

投資対象

純資産額上位30位までの投資信託の投資対象の分布を見ると、外国の株式に投資するファンドが16本と最も多く、日本の株式に投資するファンドが4本、外国のREIT(不動産投資信託)に投資するファンドが3本、アロケーション型、日本の債券に投資するファンド、日本のREITに投資するファンドが各々2本、外国の債券に投資するファンドが1本でした。

純資産上位30位までのファンドでは、引き続き海外の資産に投資するファンドが過半数を占めています。

純資産上位ファンドの投資対象別内訳

分配頻度

純資産上位30位ファンドの分配頻度を見ると、年1回分配が16本と最も多く、次いで年12回(毎月分配型)が10本、年2回が4本でした。

純資産上位ファンドの投資対象別内訳

資金増減〜人気No.1はeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)〜

投資信託の人気を測るバロメーターでもある月中の資金増減(月中の販売額から売却額を差引いた額)を見ると、純資産額上位30位までのファンドの中で資金増加額(純増額)が最も大きかったのは、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」で、月間増加額は約706.9億円と大幅な資金流入が見られました。

 

なお、2022年5月に資金増加となったのは、純資産上位30位ファンドのうち21ファンドでした。月間資金増加額上位5位ファンドは次の通りです。5本中2本は三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slimシリーズ」のファンドでした。また4本(eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、SBI・V・S&P500インデックスF《SBI・バンガード・S&P500》、楽天・全米株式インデックス・ファンド)はつみたてNISA対象ファンドです。

 

<月間資金増加額上位5位ファンド(2022年5月)>

順位 運用会社 ファンド名 月末純資産額(億円) 月間資金増加額(億円)
1 三菱UFJ国際 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 12,209 706.9
2 アライアンス・B AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 17,405 395.4
3 三菱UFJ国際 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 5,358 371.0
4 SBI AM SBI・V・S&P500インデックスF《SBI・バンガード・S&P500》 5,702 307.3
5 楽天 楽天・全米株式インデックス・ファンド 5,725 290.4

 

一方、純資産総額上位30位ファンドの中で、月中の資金減少額が最も大きかったのは、アセットマネジメントOneの「グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》」で、減少額は約75.9億円でした。純資産額上位30位ファンドの中で月間の資金減少額が最も大きかったファンド5本は次の通りでした。

 

運用会社 ファンド名 月末純資産額(億円) 月間資金減少額(億円)
AM-One グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 4,962 -75.9
アライアンス・B AB米国成長株投信C毎月(ヘッジ有)予想分配金提示 4,564 -55.7
AM-One 投資のソムリエ 6,000 -54.5
三井住友トラスト 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 4,314 -46.6
東京海上 東京海上・円資産バランスF(毎月)《円奏会》 5,254 -43.7

 

騰落率(過去1年)− 騰落率トップは「ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月)」

次に、純資産総額30位までの投資信託の騰落率を見ると、1年騰落率(運用成績)がプラスだったのは15本だけでした。

純資産総額30位までの投資信託のうち過去1年の騰落率が最も高かったのは、ピクテ投信投資顧問の「ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月)」で、騰落率は24.9%でした。

純資産上位30位までのファンドの中で、過去1年の騰落率が最も高かった5本は次の通りです。5本中3本は米国のリートに投資するファンドでした。

 

順位 運用会社 ファンド名 純資産額(億円) 騰落率(1年)
1 ピクテ ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月) 10,415 24.9%
2 フィデリティ フィデリティ・USリート・ファンドB(ヘッジ無) 7,262 24.6%
3 AM-One 新光 US-REITオープン《ゼウス》 4,847 22.0%
4 大和 ダイワ・US-REIT・オープン(毎月)B(ヘッジ無) 6,897 21.6%
5 三菱UFJ国際 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 12,209 16.9%

 

一方、純資産上位30位ファンドの中で、過去1年の運用成績が最も悪かったのは、日興アセットマネジメントの「グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》」で騰落率は−51.9%でした。

 

騰落率(過去5年)−騰落率トップは「アライアンスB・米国成長株投信B(ヘッジ゙無)」

また、過去5年の騰落率(年率)を見ると、純資産額上位30位までの投資信託の中で5年以上の運用実績があった22本のファンドのうち21本で過去5年の騰落率(年率)がプラスになりました。

過去5年の騰落率(年率)が最も高かったのは、アライアンス・バーンスタインの「アライアンスB・米国成長株投信B(ヘッジ無)」で、騰落率(年率)は17.5%でした。純資産上位30位の投資信託の中で、過去5年の騰落率が最も高かったファンド5本は次の通りです。5本中2本はアライアンス・バーンスタインの「米国成長株投信」シリーズのファンドでした。

 

順位 運用会社 ファンド名 純資産額(億円) 騰落率(5年・年率)
1 アライアンス・B アライアンスB・米国成長株投信B(ヘッジ無) 6,131 17.5%
2 アライアンス・B アライアンスB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 17,405 17.4%
3 ゴールドマン netWIN GS・テクノロジー株式F  B(ヘッジ無) 6,863 17.0%
4 ニッセイ <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスF 3,928 13.8%
5 野村 野村外国株式インデックスF・MSCI-KOKUSAI(DC年金) 3,996 13.7%

 

 

【投資信託の純資産額ランキング(2022年5月)】

順位 運用会社 ファンド名 純資産(億円) 資金増減(億円) 騰落率(1年) 騰落率(5年・年率)
1 アライアンス・B AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 17,405 395.4 4.5% 17.4%
2 三菱UFJ eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 12,209 706.9 16.9%

3 ピクテ ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月) 10,415 187.3 24.9% 9.2%
4 One グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》 8,377 -33.6 -19.7%

5 フィデリティ フィデリティ・USリート・ファンドB(ヘッジ無) 7,262 87.9 24.6% 10.6%
6 大和 ダイワ・US-REIT・オープン(毎月)B(ヘッジ無) 6,897 125.6 21.6% 11.2%
7 ゴールドマン netWIN GS・テクノロジー株式F  B(ヘッジ無) 6,863 123.2 -4.7% 17.0%
8 大和 ダイワファンドラップ 日本債券セレクト 6,172 68.0 -2.1% 0.1%
9 アライアンス・B アライアンスB・米国成長株投信B(ヘッジ無) 6,131 184.5 4.5% 17.5%
10 One 投資のソムリエ 6,000 -54.5 -7.2% 0.8%
11 楽天 楽天・全米株式インデックス・ファンド 5,725 290.4 12.5%
12 SBI AM SBI・V・S&P500インデックスF《SBI・バンガード・S&P500》 5,702 307.3 16.7%
13 三菱UFJ eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 5,358 371.0 9.6%

14 東京海上 東京海上・円資産バランスF(毎月)《円奏会》 5,254 -43.7 -2.0% -0.0%
15 One グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 4,962 -75.9 -26.2% 11.2%
16 One 新光 US-REITオープン《ゼウス》 4,847 26.8 22.0% 9.4%
17 フィデリティ フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド 4,822 -22.9 13.5% 6.4%
18 大和 ダイワファンドラップ 日本株式セレクト 4,657 78.6 0.6% 7.0%
19 アライアンス・B AB米国成長株投信C毎月(ヘッジ有)予想分配金提示 4,564 -55.7 -10.9% 12.5%
20 レオス ひふみプラス 4,519 56.5 -9.7% 5.8%
21 フィデリティ フィデリティ・日本成長株・ファンド 4,413 13.0 -6.3% 6.4%
22 三井住友トラスト 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 4,314 -46.6 -16.8%

23 大和 ダイワJ-REITオープン(毎月) 4,095 189.4 -0.5% 6.0%
24 野村 野村外国株式インデックスF・MSCI-KOKUSAI(DC年金) 3,996 67.1 12.8% 13.7%
25 ニッセイ <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスF 3,928 68.5 12.7% 13.8%
26 日興 グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2) 3,893 16.9 0.3% 13.6%
27 三井住友トラスト J-REIT・リサーチ・オープン(毎月) 3,783 100.3 -1.9% 7.0%
28 三井住友DS 日興FW・日本債券ファンド 3,564 -7.4 -1.8%
29 日興 グローバル・プロスペクティブ・ファンド《イノベーティブ・フューチャー》 3,478 -21.4 -51.9%
30 さわかみ さわかみファンド 3,342 6.2 -1.2% 5.7%

(データ出所:投資信託事情・イボットソン)