フィデリティ投信は、2022年9月20日、2022年ビジネスパーソン1万人アンケートの結果を発表した。フィデリティは2010年よりビジネスパーソン1万人アンケート(旧「サラリーマン1万人アンケート」)を通じて、 日本全国の会社員と公務員の退職準備や資産形成に関する動向の定点調査を続けている。
今回の調査について、 フィデリティ・インスティテュートの首席研究員浦田春河氏は次のように分析している。
投資環境の変化や情報収集手段の多様化により、 着実に投資家層が増加している。 一方で、 NISAなど制度面や金融教育の課題、 老後資金の準備が依然不十分である実態など、 お金の要素が影響して日本人のウェルビーイング向上が抑えられている。
【ビジネスパーソン1万人アンケート調査結果抜粋】
ビジネスパーソンの 54 % が投資家に 、 前回調査より 13 .5 ポイント上昇
投資を増やした人の約4割が「コロナ禍で時間ができ投資の知識が増えたから」と回答。 同じ「相場変動の激しさ」「収入減少」という理由でも、 投資を増やした人と減らした人に分かれた。
情報収集に大きな変化、 ついにSNSがトップ
SNS、 ブログ、 YouTube経由が格段に増加。 一方、 金融資産が大きい人は従来型の媒体を頼っている。
職域での金融教育、 実施率は未だ 3 割程度
「資産形成」や「投資」に傾斜しているのが実態。 金融リテラシー向上には、 「家計管理」も含めた包括的な金融教育の推進が求められる。
「老後資金ゼロ」が50~60代でも約2割
20代では約半数、 30~40代でも3割強が、 老後資金を全く準備していない(0円)と回答。
「NISA・つみたてNISAを知っていても利用していない」が5割弱
未利用者には「制度や手続きの簡素化」要望が利用者以上に多く、 今後の制度改正における対応が期待される。
調査結果全文→https://retirement.fidelity.co.jp/white-papers/
「フィデリティ・ ビジネスパーソン 1 万人アンケート」 * ¹ とは
フィデリティは2010年より、 日本全国の20代から50代*²の会社員と公務員の退職準備や資産形成に関する動向の定点調査を続けており、 今回で9回目。 2022年の調査は6月13日~20日にインターネットを通じて10,905人を対象に実施。
調査参加者の年代区分: 若年層:20~39歳、 中堅層:40~54歳、 高齢層:55~64歳
過去調査の実施年: 2010年、 2013年、 2014年、 2015年、 2016年、 2018年、 2019年、 2020年
*¹ 旧「フィデリティ・サラリーマン1万人アンケート」
*² 2022年は対象を20代から60代に拡大