国内最大ファンド・ランキング(2022年12月)


「AB米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示」が1位を維持−運用残高は1兆6,670億円

 

投資信託事情・イボットソンのデータによると、2022年12月末現在の投資信託の国内最大ファンド・ランキング(上位30位)(追加型株式投資信託ETFは除く)は下表の通りでした。

 

アライアンス・バーンスタインが運用する「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジ無)予想分配金提示」が純資産第1位を維持しました。同ファンドの12月末純資産額は1兆6,670億円で、前月から1,134億円減少しました。

 

「アライアンス・バーンスタイン米国成長株投信Dコース毎月(ヘッジ無)予想分配金提示型」は、マザーファンドへの投資を通じて、主として成長の可能性が高いと判断される米国株式に投資するファンドです。このファンドの予想分配金提示型とは、原則として、毎決算時(毎月15日)に分配を行い、その分配金が、計算期末の前営業日の基準価額に応じて、以下の金額になることを目指すことを意味しています。

 

毎計算期末の前営業日の基準価額 分配金額(1万口あたり、税引前)
11,000円未満 基準価額の水準等を勘案して決定
11,000円以上12,000円未満 200円
12,000円以上13,000円未満 300円
13,000円以上14,000円未満 400円
14,000円以上 500円

(2022年12月末現在・出所 交付目論見書

 

「アライアンス・バーンスタイン米国成長株投信Dコース毎月(ヘッジ無)予想分配金提示型」の信託期間は2034年6月15日まで。上位組入銘柄には、マイクロソフト、ユナイテッド・ヘルスグループ、VISA、アルファベット、バーテックス・ファーマシューティカルズなど、米国のIT・ヘルスケア大手や日本でもよく知られた企業が並んでいます。(2022年12月末現在)

 

一方、投信資料館がフォローしているレオス・キャピタルワークスが運用する「ひふみプラス」の2022年12月末の純資産総額は前月比3.4%(金額で162億円)減少し4,617億円でした。ひふみプラスは、主に日本の成長企業に投資するアクティブ運用の投資信託です。

投資信託ひふみプラスの純資産総額の推移

なお、純資産上位30位ファンドにおいて、つみたてNISAで購入できるファンドはひふみプラスを含めて次の7本です。ひふみプラスを除く6本は全てインデックスファンドです。

  • ひふみプラス
  • eMAXIS Slim 米国株式(S&P500
  • 楽天・全米株式インデックス・ファンド
  • SBI・バンガード・S&P500インデックスF《SBI・バンガード・S&P500》
  • eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
  • <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
  • eMAXIS Slim 先進国株式インデックス

 

 

純資産上位ファンドの投資対象

純資産額上位30位までの投資信託の投資対象の分布を見ると、外国の株式に投資するファンドが17本と最も多く、日本の株式に投資するファンドと外国のREIT不動産投資信託)に投資するファンドが各3本、アロケーション型、日本の債券に投資するファンド、日本のREITに投資するファンドが各2本、外国の債券に投資するファンドが1本でした。この内訳は8月から変わっていません。

 

純資産上位30位までのファンドでは、引き続き海外の資産に投資するファンドが過半数を占めています。

国内最大ファンドの投資対象の内訳

資金増減

投資信託の人気を測るバロメーターでもある月中の資金増減(月中の販売額から売却額を差引いた額)を見ると、純資産額上位30位までのファンドの中で資金増加額(純増額)が最も大きかったのは、2022年5月以降変わらず三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」でした。同ファンドの12月の月間増加額は約849.13億円と大幅な資金流入が続いています。また、第二位は同じく三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」で、流入額は593.42億円でした。

 

なお、純資産上位30位ファンドのうち2022年12月に資金増加となったのは、22ファンドでした。

 

月間資金増加額上位5位ファンドは次の表の通りです。5本中2本は三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slimシリーズ」のファンドでした。また5本中4本(eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、SBI・V・S&P500インデックスF《SBI・バンガード・S&P500》、楽天・全米株式インデックス・ファンド)はインデックスファンド で、いずれもつみたてNISA対象ファンドです。

 

月間資金増加額上位5位ファンド(2022年12月)>

順位 運用会社 ファンド名 月末純資産額(億円) 月間資金増加額(億円)
1 三菱UFJ国際 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 15,980 849.1
2 三菱UFJ国際 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 7,764 593.4
3 SBI SBI・V・S&P500インデックス・ファンド《SBI・バンガード・S&P500》 7,102 355.1
4 楽天 楽天・全米株式インデックス・ファンド《楽天V全米株》 7,179 293.0
5 三井住友トラスト J-REIT・リサーチ・オープン(毎月) 4,333 152.1

 

一方、純資産総額上位30位ファンドの中で、月中の資金減少額が最も大きかったのは、アセットマネジメントOneの「グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》」で、減少額は約75.79億円でした。純資産額上位30位ファンドの中で月間の資金減少額が最も大きかったファンド5本は次の通りでした。

 

月間資金減少額が最も大きかったファンド

運用会社 ファンド名 月末純資産額(億円) 月間資金減少額(億円)
One グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》 7,500 -75.7
東京海上 東京海上・円資産バランスファンド(毎月)《円奏会》 4,551 -64.9
One 投資のソムリエ 5,229 -63.7
アライアンス AB・米国成長株投信C毎月(ヘッジ有)予想分配金提示 3,723 -63.0
三井住友トラスト 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 3,478 -54.3

 

騰落率(過去1年)− 騰落率トップは「ピクテ・グローバル・インカム株式F(毎月)」

次に、純資産総額30位までの投資信託の騰落率を見ると、1年騰落率(運用成績)がプラスだったのは3本だけでした。

 

純資産総額30位までの投資信託のうち過去1年の騰落率が最も高かったのは、ピクテ・ジャパン株式会社の「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月)」で、12月の過去1年騰落率は12.3%でした。

 

純資産上位30位までのファンドの中で、過去1年の騰落率がプラスだった3本は次の通りです。

 

順位 運用会社 ファンド名 純資産額(億円) 騰落率(1年)
1 ピクテ ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月) 10,399 12.3%
2 フィデリティ フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド 4,936 4.7%
3 フィデリティ フィデリティ・世界割安成長株投信 B(ヘッジ無)《テンバガー・ハンター》 4,003 3.5%

 

一方、純資産上位30位ファンドの中で、過去1年の運用成績が最も悪かったのは、三井住友トラスト・アセットマネジメントの「次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》」で騰落率は−34.5%でした。

 

過去1年の騰落率が最も低かった5本は次の通りで、全てハイテク銘柄を中心とした成長株に投資するファンドでした。

 

運用会社 ファンド名 純資産額(億円) 騰落率(1年)
三井住友トラスト 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 3,478 -34.5%
アライアンス AB・米国成長株投信C毎月(ヘッジ有)予想分配金提示 3,723 -31.8%
One グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 4,459 -31.7%
ゴールドマン netWIN GSテクノロジー株式ファンド B(ヘッジ無) 5,818 -30.6%
One グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》 7,500 -27.9%

 

 

騰落率(過去5年)−騰落率トップは「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信B(ヘッジ無)」

また、過去5年の騰落率(年率)を見ると、純資産額上位30位までの投資信託の中で5年以上の運用実績があった25本のファンドのうち21本は過去5年の騰落率(年率)がプラスでした。

 

過去5年の騰落率(年率)が最も高かったのは、アライアンス・バーンスタインの「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信B(ヘッジ無)」で、騰落率(年率)は13.5%でした。

 

純資産上位30位の投資信託の中で、過去5年の騰落率が最も高かったファンド5本は次の通りです。5本中2本はインデックスファンドでした。また、2本はアライアンス・バーンスタインの「米国成長株投信」シリーズの為替ヘッジ無しのタイプのファンドでした。

 

順位 運用会社 ファンド名 純資産額(億円) 騰落率(5年・年率)
1 アライアンス アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信B(ヘッジ無) 6,475 13.5%
2 アライアンス AB・米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 16,670 13.4%
3 楽天 楽天・全米株式インデックス・ファンド《楽天V全米株》 7,179 11.8%
4 ゴールドマン netWIN GSテクノロジー株式ファンドB(ヘッジ無) 5,818 10.9%
5 三菱UFJ国際 eMAXIS Slim 先進国株式インデックス 3,692 10.3%

 

 

投資信託の純資産額ランキング(2022年12月)

順位 運用会社 ファンド名 純資産(億円) 資金増減(億円) 騰落率(1年) 騰落率(5年・年率)
1 アライアンス AB・米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 16,670 58.6 -18.7% 13.4%
2 三菱UFJ国際 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 15,980 849.1 -6.1%

3 ピクテ ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月) 10,399 41.0 12.3% 8.3%
4 三菱UFJ国際 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) 7,764 593.4 -5.6%
5 One グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》 7,500 -75.7 -27.9%
6 楽天 楽天・全米株式インデックス・ファンド《楽天V全米株》 7,179 293.0 -7.8% 11.8%
7 SBI AM SBI・V・S&P500インデックス・ファンド《SBI・バンガード・S&P500》 7,102 355.1 -6.1%

8 大和 ダイワ・US-REIT・オープン(毎月) B(ヘッジ無) 6,492 117.3 -10.6% 8.2%
9 アライアンス アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信B(ヘッジ無) 6,475 95.0 -18.9% 13.5%
10 フィデリティ フィデリティ・USリート・ファンドB(ヘッジ無) 6,379 55.3 -11.3% 7.1%
11 大和 ダイワFW 日本債券セレクト 6,089 8.4 -7.1% -0.9%
12 ゴールドマン netWIN GSテクノロジー株式ファンド B(ヘッジ無) 5,818 49.3 -30.6% 10.9%
13 One 投資のソムリエ 5,229 -63.7 -13.1% -0.9%
14 フィデリティ フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド 4,936 104.5 4.7% 5.5%
15 大和 ダイワFW 日本株式セレクト 4,813 -19.3 -5.8% 3.0%
16 レオス ひふみプラス 4,617 8.1 -13.4% 0.9%
17 東京海上 東京海上・円資産バランスファンド(毎月)《円奏会》 4,551 -64.9 -5.8% -1.0%
18 One グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 4,459 -45.3 -31.7% 6.2%
19 フィデリティ フィデリティ・日本成長株・ファンド 4,378 15.3 -14.6% 2.4%
20 三井住友トラスト J-REIT・リサーチ・オープン(毎月) 4,333 152.1 -5.1% 6.8%
21 大和 ダイワJ-REITオープン(毎月) 4,274 104.2 -5.5% 5.8%
22 One 新光 US-REIT オープン《ゼウス》 4,257 64.7 -13.2% 5.4%
23 ニッセイ <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド 4,135 59.4 -5.5% 10.3%
24 野村 野村外国株式インデックスファンド・MSCI-KOKUSAI(DC) 4,114 46.3 -5.5% 10.3%
25 フィデリティ フィデリティ・世界割安成長株投信 B(ヘッジ無)《テンバガー・ハンター》 4,003 147.1 3.5%

26 アライアンス AB・米国成長株投信C毎月(ヘッジ有)予想分配金提示 3,723 -63.0 -31.8% 8.0%
27 三菱UFJ国際 eMAXIS Slim 先進国株式インデックス 3,692 90.8 -5.4% 10.3%
28 日興 グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2回) 3,541 -43.0 -18.1% 8.5%
29 三井住友DS 日興FW・日本債券ファンド 3,489 18.3 -5.7% -0.8%
30 三井住友トラスト 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 3,478 -54.3 -34.5% 5.1%

(データ出所:投資信託事情・イボットソン)