新生インベストメント・マネジメントは「農産物指数ファンド」を8月28日に新規設定する。同ファンドは、インデックス型のコモディティ投信で、農産物の商品先物指数に概ね連動することを目指す。インデックスの特徴は、中国の消費データを基に組入れる農産物先物の基本構成比率を決めるという点にある。『中国の現在または近い将来の消費に大きな役割を果たす』農産物か、どうかという視点で基本構成比を決める、というのが最大の特徴であり、ユニークなインデックスである。中国は高い経済成長を続け、国民の所得も増加している。また都市化の進展も顕著である。こうした中国経済の拡大や都市化は、中国の食生活や生活習慣に大きく影響する。『約13億人という人口を抱える中国のこうした食の変化は、世界の農産物市場にも大きな影響を与える』との考えに基づくインデックスである。
「農産物指数ファンド」の設定にあたり、新生インベストメント・マネジメントは次のように述べている。
①世界人口(特に新興国)の増加、②農業用耕作地の制約(不足)、③急激な都市化、④農産物の生産性の停滞・減少、⑤農産物の生産コストの上昇、⑥天候不順、⑦バイオ燃料への需要などといった要因が農産物の価格に影響を及ぼすと見ています。
世界の農産物市場は、需要の伸びが供給を上回る局面に入ったのではないでしょうか。需要側では、先進国からの非弾力的需要、新興国からの急激な需要、バイオ燃料の高騰などが、消費レベルを高めています。一方で供給側に目を向けると、耕地の制約、投入コストの上昇、そして収穫の平坦化および気候変化によって、生産見通しは、ますます不安定さを増しています。
こうした中、中国では所得の増加と都市人口の拡大で、高タンパク食品への傾倒が起こっています。都市家庭では、冷凍保存がより一般化し、冷蔵庫で保存できる肉などの消費が増加することになるでしょう。また都市での生活は、便利なものを求め、またそれが可能になります。ファースト・フードなどの需要も拡大するでしょうし、スーパーマーケットやコンビニエンス・ストアの利用も増えていくと考えられます。加工食品が容易に入手できるようになるため、脂肪や糖分等の割合の高い食事を摂る機会が多くなるでしょう。また所得水準が上がるほど、人は、より贅沢な食べ物や機会を求めていくと考えます。ライフスタイルが変化し、欧風の飲料や甘味などへの需要も高まる傾向にあると思います。レストランやホテルの利用も増加していくでしょう。
中国という膨大な人口を抱える国の食生活へ変化は、世界の農産物の需給に大きな影響を与えるのではないでしょうか。中国では、食物への需要はますます高まっており、このことがグローバルな在庫市場にひずみを生じさせています。中国の潜在的な農産物輸入は、世界の食料および農産物価格へ影響を及ぼすものと思われます。
「農産物指数ファンド」の募集は、8月10日(月)より、日産センチュリー証券、楽天証券において行われている。 「農産物指数ファンド」の当初募集期間は平成21年8月10日から平成21年8月27日まで。信託期間は約10年(平成31年8月27日)。申込手数料は申込価額に3.675%(税抜3.5%)を上限として販売会社が定める。「農産物指数ファンド」はファンド・オブ・ファンズ形式で運用が行なわれ、信託報酬は日々の純資産総額に対して年率0.9975%(税抜0.95%、主要投資対象ファンドにおける運用報酬を合算した実質的な信託報酬は1.5975%程度)。