「eMAXIS Slim 米国株式(S&P 500)」が1位を維持−運用残高は1兆8,757億円
投資信託事情・イボットソンのデータによると、2023年3月末現在の投資信託の国内最大ファンド・ランキング(上位30位)(追加型株式投資信託、ETFは除く)は下表の通りでした。
三菱UFJ国際投信が運用する「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」が、2カ月連続で1位を維持しました。
「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は、米国を代表する株価指数である「S&P500指数」(配当込み、円換算ベース)の値動きに連動する投資成果を目指すインデックスファンドです。2018年7月に設定され、信託期間は無期限。信託報酬率は年率0.0968%(税込)から2023年4月25日に0.09372%以内(税込)に引き下げられました。
また、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は、つみたてNISA対象ファンドです。
「eMAXIS Slim」は三菱UFJ国際投信が運用する低コストのインデックスファンドシリーズのブランド名で、2023年4月現在、次の13本のインデックスファンドが運用されています。三菱UFJ国際投信では、eMAXIS Slimシリーズのインデックスファンドにおいて、業界最低水準の運用コストを目指しています。
- eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)
- eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)
- eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- eMAXIS Slim 新興国株式インデックス
- eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)
- eMAXIS Slim 国内債券インデックス
- eMAXIS Slim 先進国債券インデックス
- eMAXIS Slim 国内リートインデックス
- eMAXIS Slim 先進国リートインデックス
- eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
一方、投信資料館がフォローしているレオス・キャピタルワークスが運用する「ひふみプラス」の2023年3月末の純資産総額は前月比0.9%(金額で45.6億円)増加し4,892.6億円でした。ひふみプラスは、主に日本の成長企業に投資するアクティブ運用の投資信託です。
なお、純資産上位30位ファンドにおいて、つみたてNISAで購入できるファンドはひふみプラスを含めて次の7本です。ひふみプラスを除く6本は全てインデックスファンドです。
- ひふみプラス
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド
- SBI・バンガード・S&P500インデックスF《SBI・バンガード・S&P500》
- <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
- eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
純資産上位ファンドの投資対象
純資産額上位30位までの投資信託の投資対象の分布を見ると、外国の株式に投資するファンドが17本と最も多く、日本の株式に投資するファンドと外国のREIT(不動産投資信託)に投資するファンドが各3本、アロケーション型と日本のREITに投資するファンド、外国の債券に投資するファンドが各2本、日本の債券に投資するファンドが1本でした。
純資産上位30位までのファンドでは、引き続き海外の資産に投資するファンドが過半数を占めています。
注目の資金増減
投資信託の人気を測るバロメーターでもある月中の資金増減(月中の販売額から売却額を差引いた額)を見ると、純資産額上位30位までのファンドの中で資金増加額(純増額)が最も大きかったのは、2022年5月以降変わらず三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」でした。同ファンドの3月の月間増加額は約628億円と大幅な資金流入が続いています。
なお、純資産上位30位ファンドのうち2023年3月に資金増加となったのは、20ファンドでした。
月間資金増加額上位5位ファンドは次の表の通りです。5本中2本は三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slimシリーズ」のファンドでした。また5本中4本(eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、SBI・V・S&P500インデックスF《SBI・バンガード・S&P500》、楽天・全米株式インデックス・ファンド)はインデックスファンド で、いずれもつみたてNISA対象ファンドです。
<月間資金増加額上位5位ファンド(2023年3月)>
順位 | 運用会社 | ファンド名 | 月末純資産額(億円) | 月間資金増加額(億円) |
1 | 三菱UFJ国際 | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 18,757.1 | 628.0 |
2 | インベスコ | インベスコ 世界厳選株式Op<ヘッジ無>(毎月)《世界のベスト》 | 3,953.0 | 572.2 |
3 | 三菱UFJ国際 | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 9,602.3 | 506.2 |
4 | SBI AM | SBI・V・S&P500インデックス・ファンド《SBI・バンガード・S&P500》 | 8,231.1 | 246.2 |
5 | 楽天投信 | 楽天・全米株式インデックス・ファンド《楽天V全米株》 | 8,234.0 | 224.0 |
一方、純資産総額上位30位ファンドの中で、月中の資金減少額が最も大きかったのは、「AB・米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示」で、減少額は約186億円でした。純資産額上位30位ファンドの中で月間の資金減少額が最も大きかったファンド5本は次の通りでした。
<月間資金減少額が最も大きかったファンド>
運用会社 | ファンド名 | 月末純資産額(億円) | 月間資金減少額(億円) |
アライアンス | AB・米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 | 17,852.6 | -185.8 |
東京海上 | 東京海上・円資産バランスファンド(毎月)《円奏会》 | 4,241.9 | -96.4 |
One | グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》 | 8,621.7 | -84.0 |
アライアンス | AB・米国成長株投信C毎月(ヘッジ有)予想分配金提示 | 3,798.0 | -69.3 |
One | 投資のソムリエ | 5,045.5 | -66.6 |
騰落率(過去1年)− 騰落率トップは「インベスコ 世界厳選株式オープン<ヘッジ無>(毎月)《世界のベスト》」
次に、純資産総額30位までの投資信託の騰落率を見ると、1年騰落率(運用成績)がプラスだったのは7本だけでした。
純資産総額30位までの投資信託のうち過去1年の騰落率が最も高かったのは、インベスコ・アセット・マネジメントの「インベスコ 世界厳選株式オープン<ヘッジ無>(毎月)《世界のベスト》」で、騰落率は12.7%でした。
純資産上位30位までのファンドの中で、過去1年の騰落率が最も高かった上位5本は次の通りです。
順位 | 運用会社 | ファンド名 | 純資産額(億円) | 騰落率(1年) |
1 | インベスコ | インベスコ 世界厳選株式Op<ヘッジ無>(毎月)《世界のベスト》 | 3,953.0 | 12.7% |
2 | フィデリティ | フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド | 5,190.2 | 4.8% |
3 | フィデリティ | フィデリティ・世界割安成長株投信 B(ヘッジ無)《テンバガー・ハンター》 | 4,342.5 | 4.2% |
4 | 日興 | グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2回) | 3,986.3 | 3.2% |
5 | フィデリティ | フィデリティ・日本成長株・ファンド | 4,681.1 | 2.3% |
一方、純資産上位30位ファンドの中で、過去1年の運用成績が最も悪かったのは、三井住友トラストアセットマネジメントの「次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》」で騰落率は−21.6%でした。
過去1年の騰落率が最も低かった5本は次の通りで、2本はハイテク銘柄を中心とした成長株に投資するファンド、3本は米国のリート(不動産投資信託)に投資するファンドでした。
運用会社 | ファンド名 | 純資産額(億円) | 騰落率(1年) |
三井住友トラスト | 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 | 3,795.9 | -18.4% |
アライアンス | AB・米国成長株投信C毎月(ヘッジ有)予想分配金提示 | 3,798.0 | -16.6% |
One | 新光 US-REIT オープン《ゼウス》 | 4,241.6 | -15.0% |
大和 | ダイワ・US-REIT・オープン(毎月) B(ヘッジ無) | 6,686.0 | -13.2% |
フィデリティ | フィデリティ・USリート・ファンドB(ヘッジ無) | 6,476.6 | -12.8% |
騰落率(過去5年)−騰落率トップは「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信B(ヘッジ無)」
また、過去5年の騰落率(年率)を見ると、純資産額上位30位までの投資信託の中で5年以上の運用実績があった25本のファンドのうち過去5年の騰落率(年率)がプラスだったのは22本でした。
過去5年の騰落率(年率)が最も高かったのは、アライアンス・バーンスタインの「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信B(ヘッジ無)」で、騰落率(年率)は16.8%でした。
純資産上位30位の投資信託の中で、過去5年の騰落率が最も高かったファンド5本は次の通りです。5本中2本はアライアンス・バーンスタインの「米国成長株投信」シリーズの為替ヘッジ無しのタイプのファンドでした。
順位 | 運用会社 | ファンド名 | 純資産額(億円) | 騰落率(5年・年率) |
1 | アライアンス | アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信B(ヘッジ無) | 7,177.6 | 16.8% |
2 | アライアンス | AB・米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 | 17,852.6 | 16.7% |
3 | 楽天 | 楽天・全米株式インデックス・ファンド《楽天V全米株》 | 8,234.0 | 14.7% |
4 | ゴールドマン | netWIN GSテクノロジー株式ファンドB(ヘッジ無) | 6,798.1 | 14.6% |
5 | 三菱UFJ国際 | eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 4,169.1 | 13.6% |
【投資信託の純資産額ランキング(2023年3月)】
順位 | 運用会社 | ファンド名 | 純資産(億円) | 資金増減(億円) | 騰落率(1年) | 騰落率(5年・年率) |
1 | 三菱UFJ国際 | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 18,757.1 | 628.0 | -2.6% |
– |
2 | アライアンス | AB・米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 | 17,852.6 | -185.8 | -4.3% | 16.7% |
3 | ピクテ | ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月) | 10,110.2 | 33.4 | 0.9% | 10.0% |
4 | 三菱UFJ国際 | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 9,602.3 | 506.2 | -1.2% | – |
5 | One | グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》 | 8,621.7 | -84.0 |
– |
– |
6 | 楽天 | 楽天・全米株式インデックス・ファンド《楽天V全米株》 | 8,234.0 | 224.0 | -3.8% | 14.7% |
7 | SBI | SBI・V・S&P500インデックス・ファンド《SBI・バンガード・S&P500》 | 8,231.1 | 246.2 | -2.6% |
– |
8 | アライアンス | アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信B(ヘッジ無) | 7,177.6 | 29.7 | -4.3% | 16.8% |
9 | ゴールドマン | netWIN GSテクノロジー株式ファンド B(ヘッジ無) | 6,798.1 | -7.6 | -12.0% | 14.6% |
10 | 大和 | ダイワ・US-REIT・オープン(毎月) B(ヘッジ無) | 6,686.0 | 212.8 | -13.2% | 11.1% |
11 | フィデリティ | フィデリティ・USリート・ファンドB(ヘッジ無) | 6,476.6 | 97.2 | -12.8% | 10.4% |
12 | 大和 | ダイワFW 日本債券セレクト | 6,249.4 | 0.4 | -2.6% | -0.6% |
13 | 大和 | ダイワFW 日本株式セレクト | 5,200.0 | 60.6 | 2.1% | 5.3% |
14 | フィデリティ | フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド | 5,190.2 | 78.5 | 4.8% | 7.6% |
15 | One | グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 | 5,158.1 | -17.8 | -7.2% | 10.0% |
16 | One | 投資のソムリエ | 5,045.5 | -66.6 | -7.6% | -0.4% |
17 | レオス | ひふみプラス | 4,892.6 | 15.5 | -0.5% | 2.2% |
18 | フィデリティ | フィデリティ・日本成長株・ファンド | 4,681.1 | -13.6 | 2.3% | 4.7% |
19 | ニッセイ | <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド | 4,551.1 | 57.0 | -1.1% | 13.5% |
20 | 野村 | 野村外国株式インデックスファンド・MSCI-KOKUSAI(DC) | 4,499.1 | 80.9 | -1.2% | 13.5% |
21 | フィデリティ | フィデリティ・世界割安成長株投信 B(ヘッジ無)《テンバガー・ハンター》 | 4,342.5 | 93.5 | 4.2% |
– |
22 | 東京海上 | 東京海上・円資産バランスファンド(毎月)《円奏会》 | 4,241.9 | -96.4 | -3.1% | -0.9% |
23 | One | 新光 US-REIT オープン《ゼウス》 | 4,241.6 | 71.1 | -15.0% | 7.9% |
24 | 三井住友トラスト | J-REIT・リサーチ・オープン(毎月) | 4,212.5 | 59.9 | -6.9% | 5.2% |
25 | 三菱UFJ国際 | eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 4,169.1 | 83.3 | -1.1% | 13.6% |
26 | 大和 | ダイワJ-REITオープン(毎月) | 4,033.1 | 80.4 | -8.0% | 4.3% |
27 | 日興 | グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2回) | 3,986.3 | -49.1 | 3.2% | 13.2% |
28 | インベスコ | インベスコ 世界厳選株式Op<ヘッジ無>(毎月)《世界のベスト》 | 3,953.0 | 572.2 | 12.7% | 8.5% |
29 | アライアンス | AB・米国成長株投信C毎月(ヘッジ有)予想分配金提示 | 3,798.0 | -69.3 | -16.6% | 9.4% |
30 | 三井住友トラスト | 次世代通信関連 世界株式戦略ファンド《THE 5G》 | 3,795.9 | -21.6 | -18.4% | 8.2% |
(データ出所:投資信託事情・イボットソン)