国内最大ファンドランキング（2023年10月）

「eMAXIS Slim 米国株式（S&P 500）」が1位を維持−運用残高は2兆6,122億円

投資信託事情・イボットソンのデータによると、2023年10月末現在の投資信託の国内最大ファンド・ランキング（上位30位）（追加型株式投資信託、ETFは除く）は下表の通りでした。

三菱UFJアセットマネジメントが運用する「eMAXIS Slim 米国株式（S&P500）」が、9カ月連続で１位を維持しました。月末純資産総額は前月から37億円増加し2兆6,122億円でした。

「eMAXIS Slim 米国株式（S&P500）」は、米国を代表する株価指数の「S&P 500指数」（配当込み、円換算ベース）の値動きに連動する投資成果を目指すインデックスファンドです。設定は2018年7月、信託期間は無期限。信託報酬率は年率0.09372%以内（税込）。また、同ファンドはつみたてNISA対象ファンドです。

eMASIS Slim 米国株式の設定来の純資産総額の推移は次の通りです。直近のデータによると、純資産総額は2023年11月22日現在、2兆8,000億円を超えています。

（データ出所：三菱UFJアセットマネジメントHP）

「eMAXIS Slim」は三菱UFJアセットマネジメントが運用する低コストのインデックスファンドシリーズのブランド名です。三菱UFJアセットマネジメントでは、eMAXIS Slimシリーズのインデックスファンドにおいて、業界最低水準の運用コストを目指しています。2023年10月末日現在、14本のeMAXIS Slimシリーズのファンドが運用されています。また、純資産ランキングにおいて上位30位ファンドに3本がランクインしています。

eMAXIS Slim 国内株式（TOPIX）
eMAXIS Slim 国内株式（日経平均）
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
eMAXIS Slim 米国株式（S&P500）
eMAXIS Slim 新興国株式インデックス
eMAXIS Slim 全世界株式（除く日本）
eMAXIS Slim 全世界株式（オール・カントリー）
eMAXIS Slim 全世界株式（3地域均等型）
eMAXIS Slim 国内債券インデックス
eMAXIS Slim 先進国債券インデックス
eMAXIS Slim 国内リートインデックス
eMAXIS Slim 先進国リートインデックス
eMAXIS Slim バランス（8資産均等型）
eMAXIS Slim 全米株式

eMAXIS Slimのホームページ→https://emaxis.jp/lp/slim/pr1/

一方、投信資料館がフォローしているレオス・キャピタルワークスが運用する「ひふみプラス」の2023年10月末の純資産総額は前月比2.8%（金額で150億円）減少し約5,115億円でした。ひふみプラスは、主に日本の成長企業に投資するアクティブ運用の投資信託です。

なお、純資産上位30位ファンドにおいて、つみたてNISAで購入できるファンドはひふみプラスを含めて次の9本です。このうちアクティブ運用ファンドは、ひふみプラスとグローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(ヘッジ無)《未来の世界》の2本です。

ひふみプラス
eMAXIS Slim 米国株式（S&P500）
eMAXIS Slim 全世界株式（オール・カントリー）
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
楽天・全米株式インデックス・ファンド
SBI・バンガード・S&P500インデックスF《SBI・バンガード・S&P500》
＜購入・換金手数料なし＞ニッセイ外国株式インデックスファンド
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》
セゾン・グローバルバランスファンド

純資産上位ファンドの資金増減状況

投資信託の人気を測るバロメーターでもある月中の資金増減（月中の販売額から売却額を差引いた額）を見ると、純資産額上位３0位までのファンドの中で資金増加額（純増額）が最も大きかったのは、三井住友DSアセットマネジメントの「日興FW・日本債券ファンド」でした。同ファンドの10月の月間資金増加額は約1,310億円と大幅な資金流入が見られました。同ファンドの日次の純資産総額の推移を見ると、10月11日に純資産が前日比で約1,273億円増加しています。「日興FW・日本債券ファンド」は、日本の公社債を投資対象とするファンドで、SMBC日興証券の提供するファンドラップ専用ファンドです。

なお、純資産上位３0位ファンドのうち2023年10月に資金増加となったのは、24ファンドでした。

月間資金増加額上位5位ファンドは次の表の通りです。5本中2本は三菱UFJアセットマネジメントの「eMAXIS Slimシリーズ」のファンドでした。

＜月間資金増加額上位5位ファンド（2023年10月）＞

ランキング	運用会社	ファンド名	月末純資産額（億円）	月間資金増加額（億円）
1	三井住友DS	日興FW・日本債券ファンド	4,882.7	1,310.2
2	三菱UFJ	eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)	26,121.6	860.9
3	三菱UFJ	eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)	15,006.2	826.1
4	インベスコ	インベスコ世界厳選株式Op<ﾍｯｼﾞ無>(毎月)《世界のベスト》	8,777.0	736.9
5	アライアンス	AB・米国成長株投信D毎月(ﾍｯｼﾞ無)予想分配金提示	19,746.3	330.7

一方、純資産総額上位30位ファンドの中で、月中の資金減少額が最も大きかったのは、アセットマネジメントOneの「投資のソムリエ」で、減少額は約111億円でした。純資産額上位３0位ファンドの中で月間の資金減少額が最も大きかったファンド5本は次の通りでした。5本中3本は米国を中心とするハイテク成長株に投資するタイプのファンドでした。

＜月間資金減少額が最も大きかったファンド＞

運用会社	ファンド名	月末純資産額（億円）	月間資金減少額（億円）
One	投資のソムリエ	4,306.1	-110.9
One	グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ﾍｯｼﾞ無)《未来の世界(ESG)》	8,974.9	-101.8
ゴールドマン	netWIN GSテクノロジー株式ファンドB(ﾍｯｼﾞ無)	7,766.3	-52.5
ピクテ	ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月)	9,275.9	-42.4
One	グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ﾍｯｼﾞ無)《未来の世界》	5,577.8	-26.5

騰落率（過去1年）−　騰落率トップは「グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ﾍｯｼﾞ無)《未来の世界》」

次に、純資産総額３0位までの投資信託の騰落率を見ると、1年騰落率（運用成績）がプラスだったのは22本でした。

純資産総額３0位までの投資信託のうち過去1年の騰落率が最も高かったのは、アセットマネジメントOneの「グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》」で、騰落率は24.7%でした。

純資産上位30位までのファンドの中で、過去１年の騰落率が最も高かった上位5本は次の通りです。

ランキング	運用会社	ファンド名	純資産額（億円）	騰落率（1年）
1	One	グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ﾍｯｼﾞ無)《未来の世界》	5,577.8	24.7%
2	One	グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ﾍｯｼﾞ無)《未来の世界(ESG)》	8,974.9	23.7%
3	インベスコ	インベスコ世界厳選株式Op<ﾍｯｼﾞ無>(毎月)《世界のベスト》	8,777.0	22.3%
4	ゴールドマン	netWIN GSテクノロジー株式ファンド B(ﾍｯｼﾞ無)	7,766.3	21.4%
5	大和	ダイワFW 日本株式セレクト	5,855.3	18.6%

一方、純資産上位30位ファンドの中で、過去1年の運用成績が最も悪かったのは、アセットマネジメントOneの「新光 US-REIT オープン《ゼウス》」で騰落率は−10.3%でした。

純資産上位30位ファンドの中で過去1年の騰落率が最も低かった5本は次の通りです。5本中3本は、米国のリート（不動産投資信託）に投資するタイプのファンドでした。

運用会社	ファンド名	純資産額（億円）	騰落率（1年）
One	新光 US-REIT オープン《ゼウス》	4,061.9	-10.3%
大和	ダイワ・US-REIT・オープン(毎月) B(ﾍｯｼﾞ無)	6,675.7	-6.7%
フィデリティ	フィデリティ・USリート・ファンドB(ﾍｯｼﾞ無)	6,391.5	-5.3%
ピクテ	ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月)	9,275.9	-5.1%
One	投資のソムリエ	4,306.1	-4.7%

騰落率（過去5年）−騰落率トップは「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信B(ヘッジ無)」

また、過去5年の騰落率（年率）を見ると、純資産額上位30位までの投資信託の中で5年以上の運用実績があった27本のファンドのうち過去5年の騰落率（年率）がプラスだったのは24本でした。

過去5年の騰落率（年率）が最も高かったのは、アライアンス・バーンスタインの「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信B(ヘッジ無)」で、5年騰落率（年率）は18.5%でした。

純資産上位30位の投資信託の中で、過去5年の騰落率が最も高かったファンド5本は次の通りです。5本中2本はアライアンス・バーンスタインの「米国成長株投信」シリーズの為替ヘッジ無しのタイプのファンドでした。

ランキング	運用会社	ファンド名	純資産額（億円）	騰落率（5年・年率）
1	アライアンス	AB・米国成長株投信B(ﾍｯｼﾞ無)	8,193.8	18.5%
2	アライアンス	AB・米国成長株投信D毎月(ﾍｯｼﾞ無)予想分配金提示	19,746.3	18.3%
3	ゴールドマン	netWIN GSテクノロジー株式ファンドB(ﾍｯｼﾞ無)	7,766.3	17.8%
4	三菱UFJ	eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)	26,121.6	17.1%
5	楽天	楽天・全米株式インデックス・ファンド《楽天V全米株》	10,742.6	16.1%

純資産上位ファンドの投資対象

純資産額上位３0位までの投資信託の投資対象の分布を見ると、外国の株式に投資するファンドが18本と最も多く、日本の株式に投資するファンドと外国のREIT（不動産投資信託）に投資するファンドが各3本、アロケーション型と日本の債券に投資するファンドが各2本、日本のREITに投資するファンド、外国の債券に投資するファンドが各1本でした。

純資産上位30位までのファンドでは、引き続き海外の資産に投資するファンドが過半数を占めています。