ETFの売買代金ランキング(2023年11月)


11月のETF(上場投資信託)市場の概況

東京証券取引所が公表したETF相場表によると、2023年11月のETF市場全体の月間売買代金(立会内とToSTNetの合計)は前月から9.6%減少し、約4.97兆円になりました。1日当たり売買代金は前月から約5.2%減少して約2,485億円になりました。

日本銀行によるETFの買い入れは実施されませんでした。

11月には、アクティブ運用型1本を含む次の6本の新ファンドが東京証券取引所に上場しました。アクティブ運用型ETFは連動の対象となるベンチマークは存在せず、予め決められたファンドの運用方針に従って、ファンドマネージャーが組入銘柄や資産配分についての決定を行うETFです。

これらの上場により、2023年11月末現在、東京証券取引所には309本のETFが上場しています。

 

なお、野村アセットマネジメントの「NEXT FUNDS ロシア株式指数・RTS連動型上場投信」(銘柄コード:1324)については、ロシアのウクライナ侵攻の影響でロシア株式の取引を行うことが困難になったことから2022年3月17日以降売買が停止された状態が続いています。

また、「WisdomTree 天然ガス上場投資信託」(1689)、「WisdomTree 小麦上場投資信託」(1695)、「WisdomTree とうもろこし上場投資信託」(1696)は、12月1日(金)を基準日とする投資口の併合に伴い、11月30日(木)から12月5日(火)まで売買停止となっていましたが、12月6日に売買が再開されました。

投資口の併合は、これら3本のETFの1投資口当りの純資産額(NAV)が非常に低く(約1米ドル)、各上場市場(東京証券取引所及び本国市場)において、将来的にも呼値と1投資口当りの純資産額との乖離が生じる可能性があ流ため、1投資口当りの純資産額を増やすために実施されたものです。

投資口併合の状況は次の通りです。

銘柄コード ファンド名 併合状況
1689 WisdomTree天然ガス上場投資信託 1,783口を1口に併合
1695 WisdomTree 小麦上場投資信託 46口を1口に併合
1696 WisdomTree とうもろこし上場投資信託 22口を1口に併合

ETFの売買代金ランキング

月間の売買代金が最も大きかった銘柄は、2023年11月も野村アセットマネジメントの運用する「NEXT FUNDS日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」(銘柄コード:1570)でした。同ETFの11月の月間売買代金は約2.35兆円(立会内とToSTNeT合計)で、全体の約5割(47.3%)を占めました。また、取引が一部のETFに集中した状態は継続しており、売買代金上位10位銘柄の売買代金の合計が全体の約8割を占めました。

売買代金ランキング(上位10位銘柄)は次の表の通りでした。売買代金上位10位ファンドのうち9本は日本の株式市場を対象とするETFで、この内7本がブルベア型のETFでした。引き続きブルベア型を利用した短期売買がETF取引の中心になっていると推測されます。また、日本の債券を投資対象とする「NEXT FUNDS 国内債券・NOMURA-BPI総合連動型上場投信(2510)が9位にランクインしました。

【2023年11月 ETF売買代金ランキング上位10位銘柄】

順位 銘柄コード ファンド名 売買代金(百万円) 運用会社
1 1570 NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信 2,345,350 野村
2 1321 NEXT FUNDS 日経225連動型上場投信 234,151 野村
3 1357 NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信 219,621 野村
4 1579 日経平均ブル2倍上場投信 195,175 シンプレクス
5 1458 楽天ETF‐日経レバレッジ指数連動型 193,005 楽天
6 1360 日経平均ベア2倍上場投信 182,449 シンプレクス
7 1459 楽天ETF‐日経ダブルインバース指数連動型 156,591 楽天
8 1306 NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投信 138,598 野村
9 2510 NEXT FUNDS 国内債券・NOMURA-BPI総合連動型上場投信 65,496 野村
10 1568 TOPIXブル2倍上場投信 49,420 シンプレクス

(データ出所:東京証券取引所 ETF相場表2023年11月版)

値付日数の少ないETF

 2023年11月の東京証券取引所の営業日は20日でしたが、この20日全営業日に値段が付いたETFは、新規上場銘柄と取引停止中のファンドを除く299本中約8割となる242本でした。また、新規上場銘柄と取引停止中のファンドを除いて値付日数が10日以下だったETFは22本ありました。

売買高が小さいETFや値付日数が少なく、毎日売買が成立していないETFは、購入したい時に購入したい値段で買えない、売却したい時に売却したい価格で売れないなどと言う流動性リスクが伴います。購入前に各ファンドの流動性を確認することが大切です。

2023年11月の値付日数が10日以下だったファンド

銘柄コード ファンド名 売買代金(百万円) 値付日数
1485 MAXIS JAPAN 設備・人材積極投資企業200上場投信 2.5 10
1319 NEXT FUNDS 日経300株価指数連動型上場投信 12.1 10
2560 MAXISカーボン・エフィシェント日本株上場投信 1.9 9
2246 NEXT FUNDS ブルームバーグ・フランス国債(7-10年)インデックス(為替ヘッジあり)連動型上場投信 0.99 9
1653 iFreeETF MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数 284.0 9
2863 NEXT FUNDS S&P米国株式・債券バランス保守型指数(為替ヘッジあり)連動型上場投信 1.7 8
2087 NZAM 上場投信 NASDAQ100(為替ヘッジあり) 0.57 8
2523 MAXISトピックス(除く金融)上場投信 1.8 7
1465 iFreeETF JPX日経400インバース・インデックス 1.1 7
2861 上場インデックスファンドフランス国債(為替ヘッジなし) 103.5 6
2850 NEXT FUNDS SolactiveジャパンESGコア指数連動型上場投信 3.4 6
2091 NZAM 上場投信 ドイツ国債7-10年(為替ヘッジあり) 1.2 6
2090 NZAM 上場投信 米国国債7-10年(為替ヘッジあり) 1,309 6
1480 NEXT FUNDS 野村企業価値分配指数連動型上場投信 4.3 6
2862 上場インデックスファンドフランス国債(為替ヘッジあり) 403.2 5
2526 NZAM 上場投信 JPX日経400 2.5 5
2088 NZAM 上場投信 NYダウ30(為替ヘッジあり) 0.36 5
2092 NZAM 上場投信 フランス国債7-10年(為替ヘッジあり) 0.3 2
1479 iFreeETF MSCI日本株人材設備投資指数 0.15 2
2089 NZAM 上場投信 DAX(為替ヘッジあり) 0.02 1
1596 NZAM 上場投信 TOPIX Ex-Financials 0.02 1
1490 上場インデックスファンドMSCI日本株高配当低ボラティリティ(βヘッジ) 0.2 1