日本で唯一のETF専門資産運用会社であるGlobal X Japan 株式会社は、2024年4月に新卒(大学卒・大学院卒)で就職した全国20代の新社会人男女422名を対象に、投資経験と初任給・ボーナスの活用に関する調査を行い、その結果を6月26日に公表した。
Global X Japanは、同調査の背景について次のように説明している。
中学・高校での金融教育が強化された世代が、実際にどの程度投資に取り組んでいるのか? 本調査は、今年の新社会人を対象に、初任給やボーナスの投資活用についての意識と実態を明らかにするために実施いたしました。2013年以降、日本政府は「金融教育推進基本方針」の策定をはじめ、金融リテラシーの向上を国家的な課題として取り組んできました。2016年には中学校、2017年には高校の新学習指導要領が告示され、金融教育が強化されました。
これにより今年の新社会人は学生時代から「お金の使い方」「契約の基本」「消費者の権利と義務」「ライフプランニング」「投資の基礎知識」などの金融リテラシーを学ぶ機会が増加した世代です。
本調査は金融教育の成果がどのように現れているのかを探ると共に、このような環境下で育った新社会人が初任給やボーナスを投資に活用しているのかを調査し、投資をどのように捉えて実践しているのか、将来の資産形成に対する意識と行動を明らかにします。
2024年の新社会人に向けた投資に関する調査 サマリー
- 投資経験者7割超。学生時に開始が3分の2
- 投資経験者の新NISA・ETF理解は7割超
- 投資経験者の6割以上が初任給・ボーナスを投資に活用
- 投資目的、約半数は「老後資金の備え」
- 投資したいテーマ「半導体」「AI」「高配当」「ゲーム&アニメ」
- 初任給やボーナスで「親にプレゼント」4割超で1位
調査結果詳細
投資経験と始めたタイミング
全体の72.7%が投資経験ありと回答。そのうち社会人になってから投資を始めた人は37.5%、6割以上が学生の頃から投資をしていたという結果に。具体的には「大学生から」24.8%、「高校生から」12.4%、「中学生から」19.9%、「小学生より以前から」5.5%となった。(図1)
全体の4人に3人が既に投資を経験しており、しかもそのうち3人に2人が大学生や中学生など、学生の頃から投資をしていることから、2024年の新社会人の投資に対する意識の高さや、金融教育が影響した可能性などを読み取ることができる。
新 NISA と ETF の理解度
投資経験者の 72.0%が新 NISA の内容を理解。ETF も 71.7%が理解、36.5%が実際に ETF を活用していた。(図 2)
なお同社が2024年5月に公開した「投資経験者の ETF に対する理解度・活用度調査」では、20 代~50 代の投資経験者全体では ETF の理解は 40.3%、ETF 活用割合が 17.5%、20 代においては理解が 57.1%、活用が 25.6%(図 3)と、どちらの数字よりも今回の対象の方が高いポイントで、投資経験者の中でも今年の新社会人の新 NISA と ETF の理解度は特に高いことがわかる。
初任給とボーナスの投資活用
投資経験のある今年の新社会人のうち、62.8%が初任給で投資を行い、ボーナスも 69.7%が投資に使う予定となっており、新社会人となって初めて自分で稼いだ給与・ボーナスも投資に活用する志向であることがわかる。(図 4)
一方、投資経験のない今年の新社会人も投資意欲が全く無いわけではなく、6.4%が初任給を投資に使う予定、またもう少しお金を貯めたら投資をする予定である人が 34.5%と、合わせて 40.9%の人が投資をする意向であることがわかった。(図 5.左)
また同様にボーナスでも 13.6%が投資に使う予定、もう少し貯めたら投資する予定とした人も13.6%と、合わせて 27.2%が投資に前向きとなっており、新社会人となり自分でお金を稼ぐようになることが、投資を始めるきっかけとなり得ることが読み取れた。(図 5.右)
投資の目的
今年の新社会人の投資目的としては、生活費や趣味・娯楽、結婚や子ども関連といった短期・中期的な目的よりも、「老後資金の備え」という長期的な目的が最も多く回答された。(図 6)
今年の新社会人にとって、投資とは「年金制度への不安」「老後 2000 万円問題」に対する、長期的な将来を見据えた自己防衛手段として考えられていることが読み取れた。
投資したいテーマ
今年の新社会人が投資したいテーマとして最も多く選ばれたのは、初任給・ボーナス共に「半導体」だった。続いて、「高配当」「ゲーム&アニメ」「AI」といったテーマが 20%を超える結果となった。(図 7)
初任給やボーナスの使い道
初任給とボーナスの使い道は、どちらも TOP3 は同じく1位「親へのプレゼント」、2位「自分のために何か買った」、3位「預貯金」となりました。今年の新社会人も、初任給やボーナスは自分のために使うことはもちろん、育ててくれた親への感謝の気持ちを忘れていないようです。(図 8)
Global X Japanは次のように述べている。
今回の調査では今年の新社会人の約7割が投資経験ありとの結果であり、若年層の投資に対する意識の高さを改めて実感しました。また投資経験者のうち、新NISAやETFへの理解も7割を超えており、高年層よりも情報への感度が高いことが伺えます。
一方、投資目的の約半数が「老後資金の備え」と回答されるなど、自助努力は老後への不安と表裏一体であると考えることができます。
当社では若年層はもちろん、幅広い年代の方に資産運用の有効手段としてのETFを普及させる活動を引き続き行ってまいります。
調査概要
調査方法: インターネット調査
調査期間: 2024年6月14日~6月19日
調査対象: 2024年4月に新卒(大学卒・大学院卒)で就職した全国20代の新社会人男女
有効回答: 422名(うち 投資経験者307名 )