野村AM、薬剤耐性(AMR)への懸念を表明する投資家ステートメントに署名


野村アセットマネジメント株式会社は、抗生物質(抗菌薬)が効かなくなる薬剤耐性(AMR、Antimicrobial Resistance)※1に対して懸念を表明する投資家ステートメントの考え方に賛同し、署名会社となった。

このステートメントは、薬剤耐性問題への対処に取り組むIAAMR(Investor Action on Antimicrobial Resistance)が世界の投資家に対して賛同を呼び掛けたもの。野村アセットマネジメントはIAAMRの設置母体であるAccess to Medicine Foundation※2とFAIRR※3の両イニシアティブに参画している。医療や畜産、農業における抗菌薬の過剰な使用や誤用、残留抗菌薬の環境への拡散により、薬剤耐性がグローバルで大きなリスクとなっていることから、同社は、このステートメントに賛同した。

IAAMRは、薬剤耐性問題に対処しない場合、世界的な経済コストが増えることによって世界のGDPが押し下げられる可能性があると指摘している。今年9月の国連総会では、AMRに関する第二回会合が2016年の初回会合以来8年ぶりに開催される予定。

同ステートメントでは、AMRのリスクを軽減するためには、政府や投資家、企業を含むすべてのステークホルダーが積極的に参加し、人間と動物の健康、環境の健全性を一体でとらえること(「ワンヘルス」アプローチ)が必要だとしている。その考えのもと、世界の政策当局に対して、「科学的根拠に基づいた目標の設定」、「農業や畜産における抗生物質の使用削減」、「新たな抗菌薬の開発支援」など計7項目を要望している。

野村アセットマネジメントは、「当社は今後も、責任ある機関投資家としてESG課題の解決に取り組みながら、世界のお客様から選ばれる、日本を代表する運用会社になることを目指していきます」と述べている。

※1 詳細は厚生労働省「薬剤耐性(AMR)アクションプラン 2023-2027」を参照。

※2 医薬品へのアクセスが不足する低・中所得国のため、製薬会社に経営改善を求めるイニシアティブを主導する財団。野村アセットマネジメントは2019 年に同財団が公表するAccess to Medicineインデックスに賛同・署名済み。

※3 環境への影響や食品安全性(抗生物質)等、畜産のリスクを啓発する畜産関連の機関投資家イニシアティブ(Farm Animal Investment Risk and Return)。野村アセットマネジメントは2019年に署名済み。