「eMAXIS Slim 米国株式(S&P 500)」が1位を独走中−運用残高は5兆1,064億円超
モーニングスター/イボットソンの「JITRI(Japan Investment Trust Research Institute/投資信託事情)ランキング」によると、投資信託の2024年6月末現在の国内最大ファンド・ランキング(純資産総額上位20位)(追加型株式投資信託、ETFは除く)は下表の通りでした。
【投資信託の純資産額ランキング上位20位(2024年6月)】
ランキング | 運用会社 | ファンド名 | 純資産(億円) | 資金増減(億円) | 騰落率(1年) | 騰落率(5年・年率) |
1 | 三菱UFJ | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 51,064 | 1,681.0 | 40.3% | 24.5% |
2 | 三菱UFJ | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 38,321 | 1,961.6 | 34.4% | 20.2% |
3 | アライアンス | AB・米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 | 30,877 | 1,296.70 | 46.3% | 25.8% |
4 | SBI | SBI・V・S&P500インデックス・ファンド《SBI・バンガード・S&P500》 | 17,844 | 263.4 | 40.2% | – |
5 | 楽天 | 楽天・全米株式インデックス・ファンド《楽天V全米株》 | 16,426 | 156.3 | 38.4% | 23.4% |
6 | インベスコ | インベスコ 世界厳選株式Op<ヘッジ無>(毎月)《世界のベスト》 | 14,913 | 553.1 | 31.3% | 17.9% |
7 | アライアンス | AB・米国成長株投信B(ヘッジ無) | 14,371 | 382.2 | 46.7% | 25.9% |
8 | ゴールドマン | netWIN GSテクノロジー株式ファンドB(ヘッジ無) | 12,010 | 44.0 | 50.8% | 25.4% |
9 | One | グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》 | 11,532 | -134.5 | 40.1% |
– |
10 | ピクテ | ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月) | 9,195 | -117.9 | 10.8% |
10.4% |
11 | フィデリティ | フィデリティ・世界割安成長株投信 B(ヘッジ無)《テンバガー・ハンター》 | 8,767 | 301.8 | 28.1% |
– |
12 | 野村 | 野村外国株式インデックスファンド・MSCI-KOKUSAI(DC) | 8,353 | 115.3 | 36.2% | 21.9% |
13 | 三菱UFJ | eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 7,992 | 98.8 | 36.2% | 21.9% |
14 | ニッセイ | <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド | 7,714 | 41.1 | 36.2% | 21.9% |
15 | ⼤和 | ダイワ・US-REIT・オープン(毎月) B(ヘッジ無) | 7,685 | -60.7 | 18.5% | 13.4% |
16 | フィデリティ | フィデリティ・USリート・ファンドB(ヘッジ無) | 7,508 | -12.3 | 16.9% | 12.3% |
17 | フィデリティ | フィデリティ・USハイ・イールド・ファンド(毎月)B(ヘッジ無) | 7,462 | 24.8 | 20.7% | 12.1% |
18 | One | グローバル・ハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界》 | 7,406 | -30.3 | 38.8% | 18.9% |
19 | ⼤和 | ダイワFW 日本株式セレクト | 7,391 | -7.2 | 24.2% | 15.4% |
20 | キャピタル | キャピタル世界株式ファンド | 7,381 | 119.3 | 32.0% | 20.2% |
(データ出所:JITRI(Japan Investment Trust Research Institute/投資信託事情)ランキング)
三菱UFJアセットマネジメントが運用する「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」が、17カ月連続で1位を維持しました。同ファンドの月末純資産総額は前月から+11.6%(金額で5,291億円)と大幅に増加し5兆1,064億円に達しました。
2024年6月末現在、追加型株式投資信託(ETFを除く)の総数は5,401本で、1本当たりの平均純資産総額は約243億円です。このデータを踏まえると、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の純資産総額と月間増加額の規模がいかに驚異的であるかがよくわかります。また、純資産総額が1兆円を超えるファンドは5,401本中わずか9本です。
「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」は、米国を代表する株価指数の「S&P 500指数」(配当込み、円換算ベース)の値動きに連動する投資成果を目指すインデックスファンドです。設定は2018年7月、信託期間は無期限。信託報酬率は年率0.09372%以内(税込)です。
なお、「eMAXIS Slim」は三菱UFJアセットマネジメントが運用する低コストのインデックスファンドシリーズのブランド名です。三菱UFJアセットマネジメントでは、eMAXIS Slimシリーズにおいて、業界最低水準の運用コストを目指しています。2024年6月末日現在、14本のeMAXIS Slimシリーズのファンドが運用されています。また、純資産ランキングにおいて上位20位ファンドに3本がランクインしています。
資金増減状況−最も人気があるのは「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」
投資信託の人気を測るバロメーターでもある月中の資金増減(月中の販売額から売却額を差引いた額)を見てみましょう。
2024年6月末現在、純資産総額が500億円以上のファンドが493本ありますが、その中で資金増加額(純増額)が最も大きかったのは、三菱UFJアセットマネジメントの「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」でした。同ファンドの2024年6月の月間資金増加額は約1,961.6億円と大幅な資金流入が継続しています。2024年1月にスタートした新NISAでその人気に拍車がかかっている模様です。
「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は、日本を含む先進国および新興国の株式市場の値動きに連動する投資成果を目指すインデックスファンドで、「オルカン」の愛称で知られています。
なお、純資産総額500億円以上のファンドにおいて(ETF、限定追加型を除く)、月間資金増加額上位5位ファンドは次の表の通りです。5本中2本は三菱UFJアセットマネジメントの「eMAXIS Slimシリーズ」のファンドでした。
<月間資金増加額上位5位ファンド(2024年6月)>
ランキング | 運用会社 | ファンド名 | 純資産総額 | 月間資金増加額(億円) |
1 | 三菱UFJ | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 38,321 | 1,961.6 |
2 | 三菱UFJ | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 51,064 | 1,681.0 |
3 | アライアンス | AB・米国成長株投信D毎月(ヘッジ無)予想分配金提示 | 30,877 | 1,296.70 |
4 | HSBC | HSBC インド・インフラ株式オープン | 3,392 | 653.5 |
5 | 野村 | 野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資) | 4,192 | 568.6 |
一方、純資産総額500億円以上のファンド(ETF、限定追加型を除く)の中で、月中の資金減少額が最も大きかったのは、アセットマネジメントOneの「日経225ノーロードオープン」で、減少額は約293億円でした。純資産総額500億円以上のファンドの中で月間の資金減少額が最も大きかったファンド6本(iFreeレバレッジNASDAQ100とピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月)は同額)は次の通りでした。
<月間資金減少額が最も大きかったファンド>
運用会社 | ファンド名 | 月末純資産額(億円) | 月間資金減少額(億円) |
One | 日経225ノーロードオープン | 2,954 | -292.9 |
楽天 | 楽天日本株4.3倍ブル | 709 | -170.4 |
One | グローバルESGハイクオリティ成長株式F(ヘッジ無)《未来の世界(ESG)》 | 11,532 | -134.5 |
SBI | SBI 日本株4.3ブル | 551 | -118.8 |
⼤和 | iFreeレバレッジ NASDAQ100 | 2,681 | -117.9 |
ピクテ | ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月) | 9,195 | -117.9 |
騰落率(過去1年)− 騰落率トップは「野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)」
次に、純資産総額500億円以上の投資信託の過去1年の騰落率を見ると、運用期間が1年未満の17本を除いた476本のうち、1年騰落率がマイナスだったのは45本でした。
過去1年の騰落率が最も高かったのは、野村アセットマネジメントの「野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)」で、騰落率は103.1%でした。同ファンドは世界各国の半導体関連企業の株式を主要投資対象とするファンドです。
純資産総額500億円以上の投資信託の中で、過去1年の騰落率が最も高かった上位5本は次の通りです。
ランキング | 運用会社 | ファンド名 | 純資産額(億円) | 騰落率(1年) |
1 | 野村 | 野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資) | 4,192 | 103.1% |
2 | SBI | SBI 日本株4.3ブル | 551 | 81.6% |
3 | 楽天 | 楽天日本株4.3倍ブル | 709 | 81.5% |
4 | HSBC | HSBC インド・インフラ株式オープン | 3,392 | 76.0% |
5 | ⼤和 | iFreeNEXT FANG+インデックス | 2,415 | 65.8% |
一方、純資産総額500億円以上の投資信託(ETFを除く)の中で、過去1年の運用成績のマイナスが最も大きかったのは日興アセットマネジメントの「ジパング・オーナー企業株式ファンド」で騰落率は-14.6%でした。なお、過去1年の騰落率下位5位のファンドは次の通りです。5本中4本は国内債券投資型のファンドでした。
運用会社 | ファンド名 | 純資産総額 | 1年騰落率 |
⽇興 | ジパング・オーナー企業株式ファンド | 528 | -14.6% |
インベスコ | 国内債券インデックス・オープン(ラップ) | 578 | -5.5% |
野村 | 野村日本債券インデックス(野村投資一任口座) | 1,681 | -5.2% |
りそな | FWりそな国内債券インデックスファンド | 1,299 | -5.2% |
三菱UFJ | 三菱UFJ DC国内債券インデックスファンド | 1,085 | -5.2% |
騰落率(過去5年)−5年騰落率トップも「野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)」
また、過去5年の騰落率(年率)を見ると、純資産額500億円以上の投資信託の中で5年以上の運用実績があった406本のファンドのうち過去5年の騰落率(年率)がプラスだったのは369本でした。
過去5年の騰落率(年率)が最も高かったのも、野村アセットマネジメントの「野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)」で、5年騰落率(年率)は49.3%でした。
純資産額500億円以上の投資信託の中で、過去5年の騰落率(年率)が最も高かったファンド5本は次の通りです。5本中2本は日本株のブル型タイプのファンドでした。
ランキング | 運用会社 | ファンド名 | 純資産額(億円) | 騰落率(5年・年率) |
1 | 野村 | 野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資) | 4,192 | 49.3% |
2 | ⼤和 | iFreeNEXT FANG+インデックス | 2,415 | 45.3% |
3 | 楽天 | 楽天日本株4.3倍ブル | 709 | 38.5% |
4 | SBI | SBI 日本株4.3ブル | 551 | 37.8% |
5 | ⼤和 | iFreeNEXT NASDAQ100インデックス | 1,370 | 31.2% |