フィデリティ、ESGやサステナブル投資に関する調査結果を発表


フィデリティ投信株式会社は、フィデリティ・インターナショナルがアジア太平洋の6つの地域 – 日本、中国本土、香港、台湾、シンガポール、オーストラリアで実施した「フィデリティ・インターナショナル・アジア・パシフィック個人投資家調査」から、ESGやサステナブル投資に関する調査結果を2024年11月8日に発表した。

日本に関する調査結果の主なポイント:
  • 社会課題の一番の関心事は昨年に続き気候変動、若年層では再生可能エネルギーがトップ
  • サステナブル投資をしたことがない人の2割超が1年以内にサステナブル投資を検討
  • サステナブル投資の認知度が向上 – 知らないから投資しない人は前回の37%から24%に減少

調査によると、アジア太平洋地域の個人投資家の過半数(58%)はサステナブル投資が持続的な社会の構築に有効と信じており、31%が現在サステナブル関連の金融商品に投資している。地域全体ではサステナブル投資の考え方が広く受け入れられているが、投資する人はまだ少ない国もあり、センチメントと行動の間にはギャップが見受けられる。このギャップは、市場のダイナミクスや現在の金利環境など、さまざまな要因が影響していると考えられ、実際、地域全体で39%、日本では21%の人がこれまで投資したことがないものの、今後1年以内に投資することを検討していると答えている。

サステナブル投資が持続的な社会の構築に有効か

 

アジア太平洋地域の個人投資家が懸念している社会課題として挙げたのは、気候変動、再生可能/クリーン・エネルギー、自然がトップ3だった。日本も前回調査に続き「気候変動」への関心が最も高くなったが、40歳未満の若年層では「再生可能/クリーン・エネルギー」を挙げる人がそれを上回り、「人や環境に配慮した持続可能な生産」の分野を選ぶ人も多い結果となった。

日本人が改善したい、最も取り組みたいと考える社会課題は?(3つまで選択可、年代別)

日本人が改善したい、最も取り組みたいと考える社会課題

フィデリティ・インターナショナル の チーフ・サステナビリティ・オフィサーであるジェン・ホイ・タン氏は、調査結果について次のようにコメントしている。

サステナブル投資が社会や環境に前向きな変化を起こし将来的なリスクの軽減につながるものとして、アジア太平洋地域全体で関心が高まっており、主要な投資テーマとなりつつあります。そして、サステナブル投資をしていなくてもその有効性を認める人もおり、個人投資家の約4割が今後1年以内にサステナブル投資を増やすと答え、6割以上が長期的な構造変化としてサステナブル投資を捉えていると回答しました。これはこの地域のサステナブル投資市場拡大の可能性を示しており、今後はさらに多くの人がポートフォリオにESGの視点を取り入れるようになると考えています。

サステナブル投資に対する地域全体の関心と理解の高まり

アジア太平洋地域の個人投資家は、平均すると、来年ポートフォリオの17%をサステナブル投資に当てることを考えていることがわかった。サステナブル投資をしない理由について、「サステナブル投資が何かよくわからない」と回答した人の割合は、地域全体では前回調査の32%から28%に、日本でも37%から24%に減少しており、サステナブル投資が浸透してきたことが読み取れる。また、「サステナブル関連の金融商品がもたらす影響に懐疑的」や「他の金融商品よりリターンが低い可能性がある」などの懸念が、サステナブル投資への関心を高めるための障壁となっていることがわかった。

サステナブル投資をしない理由は?(複数選択可)

サステナブル投資をしない理由

ジェン・ホイ・タン氏は、加えて次のようにコメントしている。

アジア太平洋地域の個人投資家は、サステナブル投資に関して、リターンと持続可能性の両方を考慮し始めています。私たちフィデリティ・インターナショナルは、継続的な金融教育やエンゲージメント、建設的なスチュワードシップ活動などを通じて、投資先企業の価値向上や持続的な成長を支援し、投資家の皆様のニーズに応えてまいります。

フィデリティ・インターナショナル・アジア・パシフィック個人投資家調査の詳細