TOWER REIT(タワーリート) #
TOWER REIT(タワーリート)とは、携帯電話の基地局に投資する不動産投資信託(リート)のことです。携帯電話の中継塔のことを英語でcell tower(セル・タワー)ということから、中継塔を含む基地局に投資するリートをタワーリートやセルタワーリートと呼びます。
中継基地局の需要は、携帯電話とワイヤレス通信の利用者数の増加、高速化、大容量化、第5世代移動通信システム(5G)の普及などに伴い、世界規模で伸びています。インドを拠点とする市場調査会社のIMARC Groupは、「世界の通信タワー市場規模は2023年に480万ユニットに達した。2032年には590万ユニットに達し、2024~2032年の年平均成長率(CAGR)は2.1%になると予測している」と発表しています。
日本国内では、一般的には基地局の建設から運用までをソフトバンクやドコモなどの携帯電話会社が担っていますが、海外では、携帯電話会社が基地局を保有するケースと基地局の建設地の確保、基地局の建設、運用、保守などの基地局事業(タワー事業)は専門のタワー事業者が担い、それを通信事業者にリースするケースがあります。また、複数通信事業者による基地局の共同利用も行われています。このタワー事業者がリートとして取引所に上場したのがタワーリートです。
タワーリートの例 #
日本には2024年7月現在、タワーリートはありませんが、米国では次の4本のタワーリートが取引所に上場しています。タワーリートは、米国のNAREIT(全米不動産投資信託協会)の商品分類では、「インフラストラクチャー」リートに分類されています。
- American Tower(AMT)
- Crown Castle(CCI)
- SBA Communications(SBAC)
- Uniti Group Inc. (UNIT)
日本からのタワーリートへの投資 #
2024年7月末現在、日本では米国のタワーリートを取り扱っている証券会社はありませんが、タワーリートを組み入れている米国リートファンドや米国リートETFに投資することは可能です。
タワーリートの組入比率はファンドにより異なります。リートファンドであっても、タワーリートの組み入れがない可能性もあります。構成銘柄については、各ファンドの月報や運用報告書でご確認下さい。
例えば、三菱UFJアセットマネジメントが運用している投資信託「eMAXIS米国リートインデックス」は、米国を代表するリート指数の「S&P米国REITインデックス(配当込み、円換算ベース)」への連動を目指すインデックスファンドですが、このS&P米国REITインデックスはタワーリートも対象としており、実際に2024年7月のFACTSHEETによると、上位10位銘柄に「American Tower」と「Crown Castle」が含まれています。
タワーリートのまとめ #
TOWER REIT(タワーリート)は、携帯電話基地局(中継塔)に投資する不動産投資信託のことで、需要の増加に伴い成長が期待されています。日本にはタワーリートはありませんが、米国では「American Tower」「Crown Castle」などの銘柄が上場しています。日本の投資家は、タワーリートを組み入れた米国リートファンドやETFを通じて間接的に投資可能です。