SDGs債とは #
SDGs債とは、SDGsに貢献する事業に充当される資金を調達するために発行される債券のことです。グリーンボンド、ソーシャルボンド、そしてサステナビリティボンドがあります。
SDGsはSustainable Development Goalsの略称で、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されています。これは、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された2016年から2030年までの国際的な開発目標です。
SDGsは、持続可能な世界を実現するための17の目標(ゴール)、169のターゲット、232の指標から構成されています。SDGs債は、これらのゴールやターゲットの達成に貢献する事業の資金調達のために発行される債券です。
グリーンボンド #
グリーンボンドとは、企業や地方自治体等が、国内外のグリーンプロジェクトに要する資金を調達するために発行する債券のことです。環境債とも呼ばれます一般的には、国際資本市場協会(International Capital Market Association=ICMA)が発行するグリーンボンド原則(Green Bond Principle=GBP)に則って、環境改善効果のある事業(グリーンプロジェクト)のために発行される債券のことです。
グリーンボンドの例
東京都が発行しているグリーンボンドがその一例です。同グリーンボンドは、スマートエネルギー都市づくり、自然環境の保全、気候変動への適応(防潮堤の整備など)を使用目的としています。
ソーシャルボンド #
ソーシャルボンドは、国際資本市場協会(ICMA)が定めているソーシャルボンド原則に則って、特定の社会的課題の解決に資する事業の資金調達のために発行される債券です。
ICMAソーシャルボンド原則→https://www.icmagroup.org/assets/documents/Regulatory/Green-Bonds/Translations/2020/JapaneseSBP-2020-06-021120.pdf
ソーシャルボンドの例
国際協力機構(JICA)が2022年7月に発行した国際協力機構債券「ピースビルディングボンド」(平和構築債)がその一例です。このピースビルディングボンドは、紛争・内戦により影響を受けた、あるいは受けている国・地域等に対する平和と安定や復興に資する有償資金協力事業に充当されます。
サステナビリティボンド #
サステナビリティボンドとは、環境的課題及び社会的課題の双方に取り組む事業に要する資金を調達するために発行される債券のことです。国際資本市場協会(ICMA)のサステナビリティボンド・ガイドライン(https://www.icmagroup.org/assets/documents/Regulatory/Green-Bonds/Translations/2018/Japanese_SBG-2018-06.pdf)に則って発行されます。
サステナビリティボンドの例:
JR東日本が発行した第1回サステナビリティボンド、第2回サステナビリティボンド、第3回サステナビリティボンドがその例です。これらの債券は再生可能エネルギーの開発の推進、JR東京総合病院の病棟等の建替え、多くの新規技術を導入した次期通勤型車両の導入などのために使われました。
SDGs債への投資 #
個人投資家は、証券会社からSDGs債を購入することができます。例えば、SBI証券では、国際復興開発銀行が発行するグリーンボンドやスターバックスが発行するサステナビリティボンド、アルファベットが発行するサステナビリティボンドを取り扱っています(2022年8月現在)。なお、他の債券と同様に、SDGs債券の格付けも、発行体の信用度によって異なります。また、外貨建てのSDGs債券であれば、為替リスクが伴います。
SDGs債のまとめ #
SDGs債は、持続可能な開発目標(SDGs)に関連する事業資金を調達するための債券で、グリーンボンド(環境)、ソーシャルボンド(社会課題)、サステナビリティボンド(環境と社会)の3種類があります。個人投資家も購入可能ですが、信用リスクや為替リスクに注意が必要です。