りそなの預金商品が入っていた


金融機関関連の重大ニュースは週末に発表される。これは、金融業界やマスコミでは周知のことですね。週末に発表することで、週明けに金融市場が開くまでの間に、市場は対処方法を検討する時間が与えられ、冷静さをある程度取り戻し、混乱が抑えられるという期待があるのだと思います。

今回のりそなホールディングスへの公的資金注入発表もやはり週末。ニュースの中で「預金は全額保護されます」と何度も繰り返されましたから、週明けの株式市場はりそな株や銀行株が売られたものの、預金者が店頭に殺到するという光景は見られませんでした。

私の場合はりそなに口座を持っていないものの、加入している確定拠出年金個人型に、りそなの預金商品がラインナップされていたことを思い出しました。

週明けの月曜日に日本郵政公社の確定拠出年金ホームページを見ると、次のようなお知らせが掲載されていました。

「このたびの新聞等で報じられております、りそな銀行への措置につきましては、金融機関の破綻処理とはまったく異なりますので、りそな据置定期預金「フリーポケット401k」については、いままでどおり商品の運用指図ができます。」

これまでどおり運用指図が可能とは、年金の積立を継続できるということです。確かに破綻ではないし、積立も継続できるのですが、少し腑に落ちないものがあります。

確定拠出年金の開始にあたって、郵政公社(当時は郵政事業庁)は「郵便局で提示する確定拠出年金の運用の方法の選定等に関する基本方針」 http://www.japanpost.jp/pressrelease/japanese/kawase/010713j301.htmlを定め、その中で「……過去の運用実績、格付け、財務の健全性等の定量的評価に加え、その商品の取扱機関、運用会社の経営の健全性や運用哲学、投資方針、リスク管理等に関する定性的評価を実施することにより選定する」と明示していました。

選定結果が発表されたのは2001年10月です。わずか1年半前の話。これほど景気低迷や株価の下落が続くとは予想しなかった……というのでは、納得できないほど最近の話なのです。加入者は、数ある商品の中から郵政公社が厳しい基本方針にそったスクリーニングを実施した結果選ばれた商品であると認識しているはずです。

これだけ国民全体が金融機関の健全性に神経質になっている時代に、財務体質に問題を抱えた金融機関の商品を選択するというのは、チェック機能に問題がなかったのかという疑問が残りました。