マルチセクター債券ファンド #
マルチセクター債券ファンドとは、さまざまなタイプ(セクター)の債券に分散投資するファンドのことです。
債券には、国債、地方債、社債、政府機関債、資産担保証券、モーゲージ債など、さまざまなタイプがあります。さらに、これらの債券を発行する国、企業、通貨などにより、新興国の国債、先進国の国債、現地通貨建て新興国国債、米ドル建て新興国国債、投資適格社債、ハイイールド社債など、より小さな分類に分けることもできます。そして、それぞれの債券の利回りは異なり、経済・投資要因の変化に対する反応も異なります。
マルチセクター債券ファンドは、これらの異なるタイプの債券に分散投資を行なうことで、市場や投資環境が変化しても、それに応じて各債券への投資比率を柔軟に変化させ、そのときどきに最適な投資割合で異なる債券を保有することで、利益を最大化させようというファンドです。
債券の分類 #
債券の分類方法については、ファンドにより異なりますが、世界的な指数算出会社などが創設した分類方法が使われることが多いようです。例えば、大手指数会社のバークレイズ・キャピタル社では、債券市場を国債(Treasury)、政府機関債(Government-Related)、社債(Corporate)、証券化商品(Securitized)の4つのカテゴリーに分類し、各カテゴリーを、例えば、社債であれば発行体の業種により産業(Industrial)、公益(Utility)、金融(Financial Institutions)のように細かく分け、その中も小分類化しています。
グローバル・マルチボンド・ストラテジー #
一般に、特定の国の特定のタイプの債券に集中投資するファンドに比べて、マルチセクター債券ファンドの方がリスクは低いと考えられていますが、ハイイールド社債や新興国の債券を含めて投資されるため、国債だけに投資するファンドよりもリスクをとって、より高いリターンの獲得を目指すファンドであり、一方で、新興国債券やハイイールド社債に集中投資するファンドよりもリスクは低いとも言えます。また、ファンドにより組入債券のデュレーション、残存年数、平均格付、組入銘柄数、為替ヘッジの有無は異なるため、同じマルチセクター債券ファンドでも、そのリスクや期待されるリターンはファンドにより異なります。