値付日数 #
ETF(上場投資信託)の値付日数とは、取引所において各ETFの取引が成立した日数のことです。値付日数はETFにより異なります。
ETFは取引所が開いている時間であれば、機動的に売買ができる商品であるとされていますが、実際には、取引があまり行われておらず、取引が全く成立しない日があるETFもあります。取引所で売買されているからといって、毎日必ず値が付く(取引が成立する)とは限らないのです。
値付日数の少ないETF #
例えば、2024年7月の東京証券取引所の営業日は22日であり、その全営業日で取引が成立したETFは、新規設定ファンドと取引停止中のファンドを除く328本中約8割強の283本でした。値付日数の平均は21日でした。一方、値付日数が10日以下だったETFは11本ありました。
2024年7月の値付日数が10日以下だったETF
銘柄コード | ETF名 | 値付日数 |
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1480 | NEXT FUNDS野村企業価値分配指数連動型上場投信 | 10 |
2523 | MAXISトピックス(除く金融)上場投信 | 7 |
2853 | iシェアーズ 気候リスク調整世界国債 ETF(除く日本・為替ヘッジあり) | 5 |
1490 | 上場インデックスファンドMSCI日本株高配当低ボラティリティ(βヘッジ) | 4 |
1485 | MAXIS JAPAN 設備・人材積極投資企業200上場投信 | 4 |
2088 | NZAM上場投信 NYダウ30(為替ヘッジあり) | 2 |
2090 | NZAM上場投信 米国国債7-10年(為替ヘッジあり) | 2 |
2092 | NZAM上場投信 フランス国債7-10年(為替ヘッジあり) | 1 |
2089 | NZAM上場投信 DAX(為替ヘッジあり) | 0 |
1596 | NZAM上場投信 TOPIX Ex-Financials | 0 |
2091 | NZAM上場投信 ドイツ国債7-10年(為替ヘッジあり) | 0 |
(データ出所: 東京証券取引所 ETF・ETN月間相場表 2024年7月)
流動性に低いファンドには注意が必要 #
ETFは、取引所が開いている時間であれば、株式と同様に機動的な取引を行うことができることがそのメリットとして挙げられています。
しかしながら、東京証券取引所におけるETFの取引は一部のETFに集中しているのが現状です。実際に、売買代金上位10位銘柄の売買代金の合計が全体取引代金の約8割を占めています(2024年8月現在)。つまり、残りのETFの流動性はかなり低い状況にあるといえます。
流動性が低いETFでは、売買したい時に売買することができない、希望する市場価格で売買が成立しないということになり、ETF市場のメリットとして想定されている機動的な取引は期待できません。また、取引が成立していないということは、市場価格(取引所価格)と基準価額との乖離が発生しやすいことにもなりますし、乖離が解消されにくい可能性もあります。ETFへの投資を行う前に、各ETFの値付日数や売買高などの流動性をチェックすることが大切です。
ETFの値付日数まとめ #
ETFの値付日数は、取引所で取引が成立した日数を指し、流動性の指標となります。一部のETFでは取引が成立しない日があり、売買代金が集中する銘柄以外では流動性が低い場合もあります。流動性が低いETFは希望通りの価格で売買できないリスクや、市場価格と基準価額の乖離が解消されにくいリスクがあるため、値付日数や売買高の確認が重要です。