ラダーポートフォリオとは #
ラダーポートフォリオというのは、債券ポートフォリオの組み方の一つです。公社債投資信託やバランス型ファンドの運用においても利用されています。債券ポートフォリオの組み方には典型的なものとして①バーベルポートフォリオ、②ブレットポートフォリオ、③ラダーポートフォリオの3つがあります。
ラダーポートフォリオというのは、短期債から長期債まで、残存期間の異なる債券に同額ずつを投資するポートフォリオです。例えば、1年債から10年債までの10種類の残存期間の債券に同額ずつ、あるいは同額面ずつ投資します。各債券が満期を迎えるごとに、その資金を再び同じ期間の債券に再投資することにより、ポートフォリオの満期構造が維持されます。
ラダー(ladder )というのは「はしご」の意味で、残存期間と投資額や毎年の償還金の大きさを棒グラフに書くと、はしごを横にした形に似ていることからそう呼ばれています。
ラダーポートフォリオの仕組み #
例えば、10年間のラダーポートフォリオを構築する場合、以下のように5本の債券を購入するイメージです:
- 1年満期の債券
- 3年満期の債券
- 5年満期の債券
- 7年満期の債券
- 10年満期の債券
このように異なる満期の債券を購入し、1年ごとに債券が満期を迎えるように配置します。満期を迎えた債券の資金は、再び同じ満期の債券に再投資することで、ラダー(梯子)のように階段状の構造を維持します。
ラダーポートフォリオの特徴 #
ラダーポートフォリオは、バーベルとブレットの中間くらいの特徴を持っています。つまり、デュレーションが同じならば、金利が大きく変動すればブレットよりは儲かり、バーベルほどには儲からず、一方、金利があまり変わらない場合、バーベルよりは儲かり、ブレットほどには儲からないという特徴になります。
言い換えれば、将来の金利変動が大きいのか小さいのか良く分からないとき、どちらに転んでもそんなに損をすることはないポートフォリオであるといえます。
ラダーポートフォリオの利点 #
- 金利変動リスクの分散: 債券の満期が分散されているため、金利が上昇しても短期債券が満期を迎え、再投資によってより高金利の債券に入れ替えができます。一方、金利が下落しても長期債券の利率が維持されるため、リスクを抑えられます。
- 流動性の確保: 債券が定期的に満期を迎えるため、その際に現金化するか、再投資するかを選択できます。これにより、必要な時に資金を確保することが可能です。
- 安定したキャッシュフロー: 満期の異なる債券が段階的に満期を迎えるため、定期的に安定したキャッシュフローを得られる点もメリットです。
ラダーポートフォリオのまとめ #
ラダーポートフォリオは、異なる満期の債券に均等に投資する手法で、満期を迎えた資金を再投資することで、梯子状の構造を維持します。このポートフォリオは、将来の金利変動が読みにくい場合でもリスクを抑えながら安定したキャッシュフローを提供し、金利変動リスクを分散させる利点があります。また、金利変動の大きさに応じて、ブレット型やバーベル型よりもバランスの取れた収益を得られるのが特徴です。