株式ファンドの投資スタイルの一つで、割安株を中心に投資するファンドを一般に「バリュー型ファンド」「バリューファンド」「割安株ファンド」と呼びます。
割安株というのは、さまざまな投資尺度で見て市場平均に比べて割安と判断される銘柄や、過去の株価水準からみて現在の水準が割安だと判断される株式のことです。この時使われる投資尺度というのはファンドによって異なりますが、PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)などが一般的です。
このようなファンドは、成長株を狙う「グロース型ファンド」とは対照的なアプローチをとります。
バリュー型ファンドの特徴: #
- 割安株に焦点を当てる: 割安と判断される企業は、短期的には市場であまり注目されていないか、業績不振が理由で株価が低迷していることがあります。しかし、その企業の基本的な財務状況やビジネスモデルが健全であれば、長期的には株価が上昇し、企業価値が回復する可能性が高いという考えを基本としています。
- 低リスク・高リターンを狙う: バリュー投資の考え方は、現在割安な株を安く買い、将来的に株価が適正な評価を受けることで利益を得るというものです。そのため、短期的な値上がりを狙うというよりも、長期的なリターンを重視する戦略です。
バリュー型ファンドの投資尺度 #
株式がバリュー株かどうかを決定する際に利用される投資尺度には次があります。
- PER(株価収益率)が低い企業: 企業の利益に対して株価が割安であると判断される銘柄。
- PBR(株価純資産倍率)が低い企業: 企業の純資産に対して株価が低く評価されている銘柄。
- 配当利回りが高い企業: 安定した配当を提供する企業もバリュー投資の対象となることがあります。
バリュー型ファンドの種類 #
同じバリュー型ファンドでも、投資対象国や地域、投資対象とする株式の規模はファンドにより異なります。例えば、日本の中小型株のバリュー株を投資対象とするファンドや米国のバリュー株を投資対象とするファンド、世界のバリュー株に分散投資するファンドもあります。後者を一般に「グローバル・バリュー」と呼びます。
バリュー型ファンドのまとめ #
バリュー型ファンドは、割安と判断される株式を中心に投資するファンドで、PERやPBR、配当利回りを基準に投資対象を選定します。短期的な値上がりではなく、長期的なリターンを重視し、現在低評価されている株が適正な価値を認められることで利益を得ることを目指します。日本株や米国株、グローバル株などファンドにより投資対象は異なります。