iDeCo+(イデコプラス)とは
iDeCoは個人型確定拠出年金のことですが、iDeCo+(イデコプラス)は、個人型確定拠出年金における中小事業主掛金納付制度の愛称です。
中小事業主掛金納付制度は、企業年金を実施していない、従業員300人以下の中小企業において、従業員が個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入している場合、加入者掛金に、事業主が掛け金を上乗せして拠出することができる制度です。
拠出対象者
事業主による追加拠出の対象となるのは、iDecoに加入している従業員の内、事業主掛金を拠出されることに同意した加入者です。事業主は、拠出対象者について、一定の資格(職種、勤続年数)を設けることが可能です。
掛金の設定
加入者掛金と事業主掛金の合計額は、月額5,000円以上23,000円以下の範囲で、加入者と事業主がそれぞれ1,000円単位で決定することができます(2019年3月末現在)。加入者掛金を0円とすることはできません。事業主掛金が加入者掛金を上回ることは可能です。また、一定の資格ごとに掛金額を設定することも可能。
納付方法
iDeCoでは、加入者の掛け金は、通常、加入者の銀行口座から毎月自動引き落としで、運営管理機関に拠出されます(2018年1月からは、加入者が年1回以上任意に決めた月にまとめて拠出(年単位拠出)できるようになりました)。一方、iDeCo+の場合、加入者の掛金は原則給料から天引きされ、そこに事業主が上乗せ分を加えて、運営管理機関に拠出します。企業が拠出した掛金は全額が損金に算入されるため、事業主にとっても税制面でメリットがあります。
iDeCo+を実施できる企業の要件
iDeCo+を実施できる企業(事業主)の要件は次の通りです。次の1から5の要件を全て満たす必要があります。
- 従業員(使用する第1号厚生年金被保険者)が300名以下であること。
- 企業型確定拠出年金を実施していないこと。
- 確定給付企業年金を実施していないこと。
- 厚生年金基金を実施していないこと。
- 従業員の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、従業員の過半数で組織する労働組合がないときは従業員の過半数を代表する者に、中小事業主掛金を実施することについて同意を得る(労使合意をする)こと。
事業主が行う手続き
iDeCo+を利用する場合、事業主は次の手続きを行う必要があります。
- 労使合意後に必要な事項(対象従業員、 中小事業主掛金等)を地方厚生局及び国民年金基金連合会に届け出。
- 従業員の増減、従業員の氏名、中小事業主掛金の額等を変更する場合、その都度、 遅滞なく地方厚生局及び国民年金基金連合会に届け出。
- 変更の有無に関わらず、年に1回、国民年金基金連合会から送付する案内に従い、地方厚生局及び国民年金基金連合会に中小事業主の資格に関する現況について記載した書類を提出。
- 地方厚生局への各種届出は、国民年金基金連合会を経由して行うので、地方厚生局用と国民年金基金連合会用の書類を2部用意し、国民年金基金連合会に提出。
なお、要件や手続きなどは法改正により変更されることがあります。最新の情報はiDeCo公式サイトで確認して下さい。
確定拠出年金の基本の目次