業種別ETFとは
2002年3月12日、新たな指数連動型上場投資信託(ETF)としてTOPIX Core30と東証電気機器株価指数、東証輸送用機器株価指数、東証銀行業株価指数の3本の業種別株価指数の合計4つの指数が、ETFの対象指数として金融庁により認められました。これに伴い、2002年3月29日、ならびに4月3日に、この3種類の業種別株価指数に連動するETF6本が東京証券取引所に上場されました。業種別株価指数とは、建設業、医薬品といったそれぞれの業種に属する企業群の株価の値動きを反映させることを目的として作られた株価指数のことです。
2002年3月・4月に上場した業種別株価指数連動型のETF
- 東証電気機器株価指数連動型上場投資信託(1613)
- 東証銀行業株価指数連動型上場投資信託(1615)
- 東証輸送用機器株価指数連動型上場投資信託(1614)
- ダイワ上場投信-東証電気機器株価指数(1610)
- ダイワ上場投信-東証銀行業株価指数(1612)
- ダイワ上場投信-東証輸送用機器株価指数(1611)
*ダイワ上場投信-東証輸送用機器株価指数は2005年8月27日、東証輸送用機器株価指数連動型上場投資信託は2005年9月3日に上場廃止になりました。
業種別ETFに採用された業種別株価指数は、3種(電機機器指数、輸送用機器指数、銀行業指数)とも東証業種別株価指数と呼ばれる指数で、東京証券取引所が算出しています。
この東証業種別株価指数とはTOPIX(東証株価指数)の構成銘柄である東証第一部上場銘柄を「証券コード協議会」が定める業種区分に基づき33の業種に分類し、それぞれの業種の株価指数を算出したものです。これらの指数は、TOPIXと同じく、時価総額加重平均方式によって算出されますが、基準となる数値、日付が異なるため、これを単純に合計してもTOPIXの値とはなりません。
この業種別ETFの登場により、ある業界全体に対する投資を、銘柄独自要因によるリスクを抑えながら、比較的少額から行うことが可能になりました。たとえば、今後、自動車業界が成長するとの期待から同業界に投資したいと考えている場合、従来の株式投資の場合は、自動車業界から更に個別の銘柄を選択するか、業界全体の動向を捉えるためには複数の自動車株を購入することになります。しかし、この方法では多額の資金が必要となります。一方、輸送用機器株価指数のETFに投資をすれば、少額でも、実質的に多くの自動車関連企業への分散投資が実現できます。
33業種分類 |
水産・農林業、鉱業、建設業、食料品、繊維製品、パルプ・紙、化学、医薬品、石油・石炭製品、ゴム製品、ガラス・土石、鉄鋼、非鉄金属、金属製品、機械、電気機器、輸送用機器、精密機器、その他製品、電力・ガス業、陸運業、海運業、空運業、倉庫・運輸関連業、通信業、卸売業、小売業、銀行業、証券・証券先物取引業、保険業、その他金融業、不動産業、サービス業 |
その後、2007年12月に、東京証券取引所が「TOPIX-17シリーズ」と呼ばれる新しい業種別株価指数の算出・公表を開始し、2008年には、このTOPIX-17シリーズに連動するETFが上場しました。
ETFの基本の目次
- ETFとは
- ETFの特徴
- 現物出資型ETFの仕組み
- ETFのリスク
- ETFのメリット(インデックスファンドや株式との違い)
- 業種別ETF
- 日本におけるETFの歴史
- ETFの分配金支払基準日
- ETFの信託報酬比較
- ETFのブランド
ETFをもっと詳しく知りたい人には