良いインデックスファンドとは?


インデックスファンドを購入する場合、ファンドの良し悪しはどう考えればよいのでしょうか。第一に、インデックスファンドが目的としている「ベンチマークに連動した運用成果」を達成しているかが重要となります。つまり連動率が高いかどうかということです。連動率が高いファンドほどよいファンドということになります。そして、次に、運用に必要な残高があるかが大切なポイントになります。

ベンチマークに連動しているか

インデックスファンドでは、対象となるインデックスに対しての連動率が高いか低いかがファンドの良し悪しを決定します。ファンドの性格上、過去の騰落率や分配金の額で良し悪しを判断するということはしません。

ファンドのインデックスへの連動率を運用報告者などで調べてみると、過去1年など、短い期間に関しては、ほとんどのファンドがベンチマークとなる指数に対して95~100%近い連動率となっているため、どのファンドを選んでも同じように見えます。しかし、運用期間を過去5年間や設定来など長期間で見ると、連動率が低いファンドもあるので注意が必要です。できるだけ長期に渡ってベンチマークに高い連動率で連動しているファンドを選択したいものです。

 

残高は十分か、減少し続けていないか

連動率に影響を与える要因として残高の推移も見逃せません。インデックスファンドはいつでも購入・解約ができる追加型投資信託ですから、運用資産を100%株式に投資せずに、予期せぬ解約に備えて常に一定の現金で保有しています。資金の出入りが激しいインデックスファンドは、解約に備えてより多くの現金を用意しておく必要があるため、連動率が低下するわけです。

また、残高があまりに少ないインデックスファンドは、資金不足で銘柄の分散投資が困難となり、株価指数に連動するポートフォリオを作成できなくなるリスクを抱えています。純資産総額が30億円未満になると途中償還になるケースもあるので、購入の際には残高の多いファンドを選ぶことが賢明です。

なお、参考までに、投信協会が公表した「株式投信の商品分類別内訳」によると、2016年12月末現在、781本のインデックスファンドが運用されており、その純資産総額の合計は約28.4兆円に達しています。したがって、1本当たりの平均純資産総額は約364.7億円ということになります。

 

信託報酬は安いか

投資信託の最大のコスト「信託報酬」の影響」において、信託報酬の違いがファンドの運用成績に大きな影響をもたらすことを説明しました。また、インデックスファンドでは、アクティブファンドに比べて信託報酬が低く抑えられていることがメリットの一つでもあります。

とはいえ、全てのインデックスファンドの信託報酬が低いとも限りませんので、同じベンチマークのインデックスファンドの信託報酬を比較してみることが大切です。投資信託協会の「公募株式投信における運用管理費用(信託報酬)の状況によると、2016年12月末現在、586本のインデックスファンドが運用されており(内、155本はETF)、信託報酬の平均は0.51%ですが、最も高いものでは1.70%、最も低いものでは0.03%と、かなりの開きがあることがわかります。インデックスファンドだから信託報酬が安いと思い込まずに、目論見書で必ず確認してください。

 

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