投資信託の基本


投資信託の基本では、実際に投資信託を購入する前に、きちんと理解しておきたい投資信託の仕組みやリスクとリターン、費用と税金などの投資信託の基本事項を説明しています。投資信託とは何なのか、どのような仕組みで運用されているのか、どのようなリスクがあるのか、どんな費用を負担しなければいけないのか、基本をしっかり理解しておきましょう。

投資信託とは?

投資信託とは、投資信託とは、多くの投資家から集めたお金を一つにまとめ、そのお金を運用の専門家である投資信託委託会社と呼ばれる運用会社が株式や公社債などで運用し、その成果を分配金として投資家に返す仕組みの投資商品です。

 

投資信託の仕組み

 

投資信託は、「投資信託及び投資法人に関する法律」という法律に則って組成・運用されます。

一つの投資信託(ファンドとも呼ばれます)で集められ、運用されるお金の規模は、数十億円から数千億円にもなります。なかには運用規模が1兆円を超える投資信託もあります。そのため、個人ではむずかしい分散投資(資金をいろいろな投資対象市場や国などに分散して投資すること)が可能となります。

個人投資家は投資信託を購入することで、小口の資金で分散投資を行ないながら、スケールの大きな投資が可能となります。投資信託の投資対象は、国内 の様々な金融市場・株式市場だけでなく、世界中の株式・金融市場です。日本にいながら、世界市場を対象とした投資が可能となります。なお、2001年からは不動産での運用も可能になり、不動産で運用する投資信託のことを不動産投資信託REITリート)と呼びます。不動産投資信託については投信入門(不動産投資信託)をご覧下さい。

 

投資信託は誰が運用するのか

投資信託では、投資家に代わって専門家(プロ)が様々な手法を駆使して資金を運用します。この専門家のことを投資信託会社、運用会社、投資信託委託会社、アセットマネジメント会社などと呼びます。個人が独自の判断で行なうレベルとは異なる運用成果を期待できます。投資信託会社に属し、実際に個々の投資信託を運用する専門職のことをファンドマネージャーと呼びます。ポートフォリオマネージャーと呼ばれることもあります。

運用会社情報

 

 

投資信託の仕組み

投資信託では、多くの投資家から集められた資金は、運用会社の指図により証券市場などで運用されます。投資信託では、投資家が投資信託を購入する窓口となる販売会社、運用を行う運用会社(投資信託会社)、信託財産の管理を行う信託銀行が、それぞれの役割を担っています。では、各々の役割について詳しく見てゆきましょう。

投資信託の仕組み

販売会社の役割

個人投資家が投資信託を購入する窓口です。

投資信託の購入や換金、および分配金・償還金の支払いなどは、証券会社や銀行などの販売会社を通じて行われます。また、販売会社では投資信託に関するいろいろな質問や相談も受付けており、いわば個人投資家と投資信託をつなぐ窓口となっています。

投資信託の販売会社には、証券会社や銀行の他にも、信用金庫、信用組合、保険会社、ゆうちょ銀行などがあります。また、投資信託会社が直接投資家に投資信託を販売することもあります。これを直販と呼びます。直販については、「運用会社から直接購入できるファンドにはどのようなファンドがありますか?」をご覧下さい。

投資信託の販売会社には、証券会社や銀行の他にも、信用金庫、信用組合、保険会社、ゆうちょ銀行などがあります。また、投資信託会社が直接投資家に投資信託を販売することもあります。これを直販と呼びます。直販については、「運用会社から直接購入できるファンドにはどのようなファンドがありますか?」をご覧下さい。

 

投資信託会社(運用会社)の役割

投資信託会社は、投資信託をつくり(設定)、資金を運用する会社です。

投資信託のメーカーであり、私たちのお金の運用という投資信託の仕組みの中で最も重要な役割を果たしています。

投資信託会社は、信託銀行との信託契約により受益証券を発行(投資信託を購入した投資家は、この受益証券を受け取ります。株式投資でいうと株券に相当します)すると同時に、募集も行ない、信託財産の実質的な運用の指示を行ないます。常に、グローバルな観点から経済・金融情勢などに関するさまざまなデータを収集・分析し、専門的なノウハウを駆使しながら効率的に投資家から集めた資金を運用します。2023年10月末現在、日本には外資系運用会社も含めて80社の投資信託会社があります。各社の情報は運用会社情報をご覧下さい。

なお、投資信託会社は、日系の運用会社と外資系の運用会社があります。

 

日系の運用会社

日系の運用会社は、野村アセットマネジメントが野村証券の子会社であるように、証券会社の子会社など、証券会社の系列の運用会社、銀行系の運用会社、保険会社系の運用会社、そしていずれの系列にも属さない独立系と呼ばれる運用会社があります。

系列等 運用会社の例
証券会社系
  • 野村アセットマネジメント
  • 日興アセットマネジメント
  • 岡三アセットマネジメント
銀行系
  • 三菱UFJ国際投信
  • 三井住友トラスト・アセットマネジメント
  • あおぞら投信
保険会社(生保・損保)系
  • ニッセイアセットマネジメント
  • 損保ジャパン日本興亜アセットマネジメント
  • 東京海上アセットマネジメント
独立系
  • レオス・キャピタルワークス
  • 鎌倉投信
  • スパークス・アセット・マネジメント

 

外資系の運用会社

日本では、法改正により1989年に外資系業者の投資信託委託業務参入が可能になり、1990年代以降、多くの外資系投資信託会社が参入しています。

地域 運用会社の例
米系
欧州系

 

信託銀行の役割

信託銀行は、販売会社を通じて投資家から集められた資金の保管・管理をします。

投資家から集めた資金は(投資家が投資信託を購入した代金)、投資信託会社と信託契約を結んだ信託銀行が信託財産として安全に保管・管理し、信託財産の安全が図られるようになっています。信託銀行が、この信託財産を自行の資産や他からの信託財産とは分別して管理しています。そのため、投資信託会社や信託銀行が破綻した場合でも、信託財産は守られることになります。分別管理については「投資信託の分別管理とは?」をお読みください。