不動産投資信託は、証券取引所で取引される「上場投資信託」です。 それでは、なぜ不動産投資信託は、取引所で売買されるのでしょうか。
これは、「不動産投資」というものの性質と大きく関係しています。 不動産の取引は、巨額の資金を要する取引であり、また、それにあたっては関係法令に基づく諸手続きが必要とされるため、株や債券のように頻繁に売買することは不可能です。 そこで、「クローズドエンド型」という形式をとり、中途解約や自由な追加設定を認めず、資金の流出入を制限することで、安定的な運用ができるようにする必要があるのです。
しかし、換金できないままであれば、投資家にとっては非常に大きな問題になります。そこで、証券取引所に不動産投資信託を上場して、取引所において時価で売買できるようにすることで、安定した不動産投資と投資家の換金ニーズの双方を満たすようにしたわけです。
なお、取引所での取引は「時価」で行われます。一般の投資信託では、ファンドの保有する信託財産の資産価格から算出された”基準価額”によって行われますが、不動産投資信託の売買は、投資信託ではありますが、あくまでも市場における需要と供給で価格が決定されます。これが不動産投資信託を含む上場投資信託の非常に重要な特徴です。